night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

木村彩子@東京オペラシティアートギャラリー

 オペラシティアートギャラリーでは、企画展とは別に、ひとつ上の階をぐるりとめぐるようにして、収蔵コレクションの展示と、若手のアーティストの作品を紹介するような展示をしている。9月8日(土曜)、このときにかかっていたのは、木村彩子さんという画家の作品たちだった。緑の草花が明るい色合いで描かれている。油彩だそうなのだけれど、滲んでいたり、塗り残していたりして、独特なタッチに、透明な光があふれている。

東京オペラシティアートギャラリー>project N 72 木村彩子

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 受付でもらったカード。きれいなのだけど、カードになってしまうと、ギャラリーで見たときほどの感動はない。──すばらしい作品たちだった。公立の美術館をいくら歩いても、こういう出会いって、なかなかないのだよね。

9月の日々(かこさとし展、イサム・ノグチ展)

 9月8日(土曜)、南武線武蔵中原駅から歩き始めた。──途中、奇妙な寺が…

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 「まんが寺」だそうだ。内部の見学は予約が必要とのこと。

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 神社と一体になった境内、静かでよいところであった。

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▼「かこさとしのひみつ展」@川崎市民ミュージアム

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 等々力緑地川崎市民ミュージアムでは、「かこさとしのひみつ展」を開催中。絵本作家のかこさとしさんは、今年亡くなったそうだ。──かこさんは、理工系の学生だった戦後の川崎で、「セツルメント」と呼ばれる社会扶助のヴォランティア運動に参加して、子供たちに向けて紙芝居などを作り始めたそうだ。初めて聞く言葉だが、近くの老婦人が「セツルメントですって、覚えてる? わたし、看護学生の頃にね…」と会話しているのが聞こえてきた。

 かこさんの絵本でぼくが記憶に残っているのは、『かわ』。山間に発した小さな流れは、山間の村や町の暮らしを見ながら、大きな川となっていき、大都市に出て、工場や飛行場が現れる。この絵本の原画を見られて、昭和三十年代の美しい山村、森林軌道と林業の人たち、牧場で遊ぶ子供たち、水田で腰を折って田植えをする人たち、湖で小舟から網を投げる漁師、未舗装の道にボンネットバスが走る小さな町、YS-11が飛ぶ飛行場、…そのどれもが、今はもう貴重な記録なのかもしれない、と思えてならなかった。最後のページは一面に青い海。懐かしかった。ぼくの地理好き・旅行好きの、原点にある絵本だろうと思う。──絵本を買って帰ろうかと思ったが、グッズ売り場の絵本の物販は大盛況で、会期の終わり頃だったせいか、ほとんど在庫がなくなっていた。

川崎市民ミュージアム>かこさとしのひみつ展 ─だるまちゃんとさがしにいこう─

 別のコーナーでは、ロシアのプロパガンダ・アートの、こんな展示も。
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▼「イサム・ノグチ」@東京オペラシティ アートギャラリー

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 武蔵中原から登戸まで戻り、小田急で参宮橋まで行って、初台へ。オペラシティギャラリーでイサム・ノグチの展示を見た。イサム・ノグチという人の実態をあまり知らないのだが、戦前から米国で工業デザイナーとして活動していたということを知る(当時すでにプラスティックで成形された家電があったりして米国という国はすごいなと思わざるを得ない)。『北京ドローイング』という、水墨画のような人物像は20代のときのものだそうだ。高松にあるイサム・ノグチ庭園美術館の映像などが流れていて、行ってみたいと思うが、ここは完全予約制でふらりと行くことができないんだよね。──三田の「萬來舎」は今はもうないのだと思うが、学生の時も近寄ったことがないのは、惜しいことをした、と思う。

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東京オペラシティアートギャラリー>イサム・ノグチ ─彫刻から身体・庭へ─

「はてなブログ」に日記を移行

2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はてなダイアリー日記(2018/08/30)

 ついに来たな、という感想。──ぼくは今のこの日記を2014年1月から“はてなダイアリー”に置いていたが、実ははてなのアカウント自体は2004年に取っていたもので、2014年にLOVELOG by KDDIが終了するとき、使っていなかった“はてなダイアリー”を再利用することにして、使い始めたものだ。その時すでに“はてなブログ”のサーヴィスも始まっていて、将来的にはこちらが優先されていくのだろうとは思っていたものの、なじみのある枯れたサーヴィスである“はてなダイアリー”を使うことにしたのだった。

 サーヴィス終了の半年以上も前に発表してくれるし、そもそも終了しても更新できなくなるだけで閲覧はし続けられるそうなので、コンテンツが消えることはない、…という、非常に親切な「終了」だ。これまで、無料のウェブやブログのサーヴィスの終了とともに数々のコンテンツが闇に消えて行ったのを見ているだけに、その点は非常に安心した。

 そんなわけで、急いで移行しなくても、切りのよい(?)今年の年末くらいまで“はてなダイアリー”を使っていればいいかな、というつもりだったが、Twitter連携が早々に切られたこと、また、“はてなブログ”に試験的にインポートして(ユーザ側の操作自体は、非常に簡単だった。サーバの負荷が大変だろうと思うのだが)、CSSのひながたを入れて細かいところをいじったりしてデザインを調整していたら、…もう、これでいいかな。と思えてしまったので、9月15日をもって移行することにした。

 これまで利用してきたウェブサーヴィスの変遷。

読書&査収音源リスト(2018年6~8月)

▼日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで(中公新書)/磯田道史
日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)

▼マグダラで眠れ(1~5)(電撃文庫)/支倉凍砂
▽マグダラで眠れ(6~8)(電撃文庫)/支倉凍砂
マグダラで眠れ (電撃文庫) マグダラで眠れII (電撃文庫) マグダラで眠れ (3) (電撃文庫) マグダラで眠れ (4) (電撃文庫) マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)
マグダラで眠れ (6) (電撃文庫) マグダラで眠れ (7) (電撃文庫) マグダラで眠れ (8) (電撃文庫)
 5巻までは昔読んでいたがすっかり忘れていて、6巻以降を見つけたのを機会に、改めて読み通した。これは、シリーズ打ち切られたってことでいいのかな?

▼村上さんのところ(新潮文庫)/村上春樹
村上さんのところ (新潮文庫)
 文庫化を機に。サイト開設当時は、毎日見に行っていた。紙版は抜粋収録、電子書籍版なら全通収録なのね。

▼女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険(上/下)(竹書房文庫)/ブリタニー・カヴァッラーロ、入間眞(訳)
女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険 上 (竹書房文庫) 女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険 下 (竹書房文庫)
 なぜこれを買ってしまったのか我ながら覚えていないけれど。これは本国(米国)ではどういう位置づけなのだろう? 日本ではアニメ調のカヴァーもあいまって完全にYA扱いだけど…。そしてどうして米国のハイスクールで起きる事件はドラッグとかセックスとかばかりなのだろう。人が簡単に死にすぎるので、なんだかね、と。

▼ふしぎな県境(中公新書カラー版)/西村まさゆき
カラー版 - ふしぎな県境 - 歩ける、またげる、愉しめる (中公新書)
 デイリーポータルZがほぼそのまま中公新書になってしまった、という、信じられない書籍。おもしろいからいいのだけど(内容はわかったうえで、応援の意味を込めて買ったのだけど)

▼戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略(中公新書)/平川新
戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略 (中公新書 2481)
 宣教師たちが信長や秀吉や家康をEmperador(皇帝)と呼んだのは、なにも神聖ローマ皇帝と同格と考えたわけじゃなく、それまで有馬とか大内とかをRey(王)と呼んでいたのと整合性が取れなくなったから、というだけのことじゃないのかなあ…。

▽ラノベ古事記/小野寺優
ラノベ古事記 日本の神様とはじまりの物語

▽北京を知るための52章(エリアスタディーズ)/櫻井澄夫・人見豊・森田憲司(編著)
北京を知るための52章 (エリア・スタディーズ160)

▼響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話(宝島社文庫)/武田綾乃
響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 (宝島社文庫)
 サブキャラたちのキャラ付けを強める短編集なのだけど、…んもう、ほんと、夏紀、いいやつすぎない?(笑)

▼休日に奏でるプレクトラム(メディアワークス文庫)/神戸遥真
休日に奏でるプレクトラム (メディアワークス文庫)
 話題(?)の、マンドリン界ラノベ。なんかもう、読みながらずっと「(うわーっ)」って言ってました、胸の中で(笑)

▼リアル人生ゲーム 完全攻略本(ちくまプリマ―新書)/架神恭介・至道流星
リアル人生ゲーム完全攻略本 (ちくまプリマー新書)

▼文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの(上/下)(草思社文庫)/ジャレド・ダイアモンド、楡井浩一(訳)
文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫) 文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

▼ソラリス(ハヤカワ文庫SF)/スタニスワフ・レム、沼野充義(訳)
ソラリス (ハヤカワ文庫SF)
 名作と言われる理由が、自分なりに理解できた。これはすごい小説だ…。

▽炭鉱と「日本の奇跡」 石炭の多様性を掘り直す/中澤秀雄・嶋﨑尚子
炭鉱と「日本の奇跡」 石炭の多面性を掘り直す
 鉱員と職員は単純な上下関係ではない、とか、消費者運動のはしりとしての“炭坑主婦会”の存在など、初めて知った。

▽鉄道エッセイコレクション(ちくま文庫)/芦原伸(編)
鉄道エッセイコレクション (ちくま文庫)

▼未必のマクベス(ハヤカワ文庫JA)/早瀬耕
未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)
 マカオの夜景に彩られて、過去の記憶に関する物語が始まる…。だが、とても魅力的な舞台設定と語り口にも関わらず、ストーリーが滅茶苦茶なのが残念だった。

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▼Remained dream/茅原実里
TVアニメ『フルメタル・パニック! Invisible Victory』スペシャルED主題歌/挿入歌「Remained dream / Hopeful
 ロックバラード調の2曲目が、いい! 3曲目の『Sacrifice for dear』は、ライヴでは何度か歌われてたけどやっと音源を出してくれました。

▼Kalafina 10th Anniversary Live 2018 at 日本武道館(Blu-ray)/Kalafina
Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018 at 日本武道館(Blu-ray Disc)
 今年1月の日本武道館。これが最後の大規模ライヴ、最後のパッケージになってしまったとは…。

▼NANA MIZUKI LIVE GATE(Blu-ray)/水樹奈々
NANA MIZUKI LIVE GATE [Blu-ray]

▼ショパン:バラード&スケルツォ/三浦友理枝
ショパン:バラード&スケルツォ

▼BLUE COMPASS(初回限定盤)/水瀬いのり
BLUE COMPASS【初回限定盤】
 
▼World Atlas(初回限定盤)/fhána
World Atlas (初回限定盤) (特典なし)
 クオリティ高いポップス!

▼WILL/牧野由依
WILL
 Amazon Musicでmp3購入。牧野由依さんは、パーソナルのファンじゃないけど、ずっと気になっている歌手の一人。このアルバムでは、『Colors of Happiness』の、ちょっとマイナーな打ち込みに乗るヴォーカルが、すごく好き。

片瀬散歩

 雨が上がって蒸し暑い午後、湘南モノレールに乗って、片瀬の海岸にやって来た。

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 湘南モノレール江ノ島駅に近いから寄ってみた、龍口寺。歴史的に見れば、日蓮宗にとっては意味の深いお寺なのかな? さるすべりの赤い花に彩られて、きれい。

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 五重塔があるとは知らなかった。森の中はものすごい湿気で、すでに大汗をかいている。

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 江の島に行ってみよう。何年ぶりだろう

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 登るか…

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 海は広いな、大きいな

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 鯵しらす丼。生しらすを食べたいものだったが、あれはそう毎日食べられるものではないようだ。

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 鎌倉側を望む。マリーナは、昭和39年のオリンピックに引き続き、再来年も、ヨットの会場になるそうだ。そのせいだか何だか知らないが、江ノ島は、全島的に禁煙になってしまった。

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 江ノ島にもこういう風情の路地があるんだなあ

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 小田急片瀬江ノ島駅。この駅舎も、改築されると聞いたことがあるけれど…。

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 昔、ここから特急ロマンスカーで帰った、子供の頃の記憶。

NANA MIZUKI LIVE ISLAND 2018 @メットライフドーム(西武ドーム)9/1

 9月1日(土曜)は、水樹奈々さんのツアーファイナルで、西武ドーム、もとい、「メットライフドーム」へ。──ぼくが水樹奈々さんの西武ドームライヴに出かけるのは、2009年のLIVE DIAMOND、2010年のLIVE GAMES、2013年のLIVE CIRCUS、2015年のLIVE ADVENTUREに続いて5回目になります。

 これまではいつも、多摩モノレール上北台駅から歩いて山越えしていたのですが、今回は趣向を変えて、新宿に出ました。歌舞伎町の西武新宿駅から、西武新宿線の急行拝島行きに乗車。

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 最近、新宿は、サインシステムが新しくなりましたね。[西武新宿駅前 Seibu Shinjuku Square]という表示、初めて見ました。

 萩山という団地の隣の静かな駅で、西武多摩湖線に乗り換えて、終点の西武遊園地駅から、レオライナー西武山口線)という軽便鉄道のような小さな電車に乗り継ぐと、西武ドームが左側に見えてきます。この経路でも、西武新宿から1時間足らず。──ですが、この日は結局強い雨になり、西武球場前駅に着くと、大混雑の構内と駅舎の前に溜まってしまった群衆で、駅の外に出られないような状態でした。

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 グッズの物販はいつもの場所(駐車場?)でやっていましたが、そこにたどり着くまでにびしょ濡れになるような状態。薄着の人たちが濡れそぼっています。ISLAND感がなくなってしまった。。。

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 この前の武道館ライヴのときのトライクが展示されていました。

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 豪雨の西武ドーム

 ドームへの入場の混雑も強い雨の中で、やれやれ、という感じでやっと入場。ぼくの座席は3塁側スタンドです。なんと通路側! スペースに余裕があるし、しかも隣に来たのはおとなしそうな女の子で、今回は座席運には相当恵まれました。通路側っていうのはそれだけでかなり心情的に楽です。女の子の向こうの野郎どもがかなり厄介系であることが開演前から見てとれた(開演後の実情でも確信)ので、可能な限りスペースを作ってあげるくらいの心の余裕すらありました。

 さて、フィールドには外野側のステージからホームベース側に長く延びた花道の先端に、布の幕で四角い囲いが作られていて、、あれはあそこから何らかの仕掛けで出てくるんだな…と興味津々でした。──オープニング映像が、水上バイクで海を疾走する奈々さんが映されたものだったのですが、それにつなげて、なんと、花道が半分ほど水路になって、奈々さんが水上バイクに乗って歌いながら登場したんですね…! ジェットバイクが進むと、ものすごい勢いで水路に波が立って(まるで地震波の実験の水槽のように)、水があふれまくっているのが見えて、ちょっと唖然というか、なんだこれ!やりすぎだ!!(笑)と。まったく、「西武ドームに運河を引いた人」なんて、前代未聞ですよね?(笑)  なんでも、今回のツアーで、アリーナモードでは水上バイクは出していたそうですが、運河を引いたのは、ファイナルのここ西武ドームだけだったそうです。水上バイクは、リハよりもスピードが出てしまったんだそうで…(^^;

 映像コーナーが今年は、若干、コント寄りに振れていて(?)、“本当の自分を取り戻す旅”というような触れ込みで、“アイランド”に上陸するんだけど、なぜか砂浜では屈強な西洋人ガイ2名と、ジェスチャーゲームをしていたのが和歌山の回。今回は、奈々さんと屈強なガイが、なぜか砂山崩し(棒を倒しちゃったら負けなやつ)をやるという意味不明な光景でした。ナレーションが久川綾さんだったのですが、「シュールな絵やなー」などの久川さんの自由なツッコミが入っていて笑ってしまいました。

 そしてたゆたう海のイメージから、唐突に巨大シロナガスクジラに乗ってフィールドに登場する奈々さん。曲は『アオイイロ』でした。…うわなんだこれ! しかもクジラが潮を吹くと(本当に水を吹き上げていました)、そこには奈々さんが乗ったリフターが立ち上がるという、細かい仕様にも脱帽しました。あれすごいですよね…。あれだけの大物、中にリフターの機構を装備して、なおかつ、水を噴き上げる機構とそのための水タンクを仕込んで、さらに、かなりの重量のそれを動かしている、ということで…、本当に、奈々さんの大道具チームは、どうかしてるぜ(笑) さらに、アンコールではヨット型のトロッコも登場して、下手側から上手側までフィールドを一周してましたね。

 アンコールでは、来年1月のフルオーケストラライヴ“LIVE GRACE”と、3月のひめぎんホールチャリティーライヴ(松山の愛媛県民文化会館(ひめぎんホール)が改修に入るので、その前の最後のライヴになるのだそうです)の開催というお知らせがありました。最後、『POP MASTER』で跳んだあと、規制退場を回避するためにぼくは席を立っていたのですが、「もう一回!」コールが沸き起こって、奈々さんが再び登場しました。──奈々さんが西武ドームでライヴをするのも、なんと7回目で、このスタジアムがホームの一つと言っても過言ではないほど(それもすごい話ですが)になった奈々さんですが、最初の“LIVE DIAMOND”を振り返って、そのとき最後に歌った曲をやります、と…おお! 『DISCOTHEQUE』で、スタジアムがピンク色に染まりました。2009年のLIVE DIAMOND、懐かしいですね。あのときは、…まさかのスタジアムライヴ!すごいことになったな!という思いがありました。

 完全終演は21時頃でした。最後の「かかってこーい!」まで、スタンド上方の斜路から見下ろしていたら、結局のところ、規制退場にはまったのでした。──ライヴの終盤は、電光と雷鳴が響いて、豪雨の音がスタンド客席まで聞こえてくるくらいでした。雨が降っていたら西武線で帰ろう、止んでいたら上北台まで歩こう、と思っていましたが、終演時には雨がほとんど止んでいたので、歩きはじめました。真っ暗な山越えなので他の人にはまったくおすすめできないルートですし、上北台駅まで35分程度かかりますが、大混雑の西武線で運ばれる不自由さよりも、動きたいように動けるほうが気が楽です。この日は、上北台から多摩モノレールで立川→登戸経由で帰宅しました。

9/1(西武)
STARTING NOW!
・Angel Bossom
・アノネ~まみむめ☆もがちょ~
・Happy Dive
・You have a dream
・(チェリーボーイズコーナー)
・沈黙の果実
BLUE ROSE
・(夏うたアコースティックコーナー)Late summer tale
SECRET AMBITION
・invisible heat
・(チームヨーダ&DJサカリュウコーナー)
・PARTY! PARTY!
still in the groove
・Hungry Hungry(新曲)
・夏恋模様
・(映像コーナー)
アオイイロ
・Happy☆Go-Round!
・What you want(新曲)
ETERNAL BLAZE
・NEXT ARCADIA
・Exterminate
FEARLESS HERO

-encore-
・残光のガイア
・君よ叫べ
・Birth of Legend(新曲)
POP MASTER

-double encore-
・DISCOTHEQUE

8/27(月)仙台散歩

 月曜日、北上から東北新幹線で仙台に出てきた。雨が降りそうで降らない…


 仙台駅前。仙台には5年前に一度下りているが、街を歩いていないのだよね

 駅前から、“るーぷる仙台”という観光路線バスに乗る。15分おきに走っているし、一日乗車券を買っても620円(1回260円なので3回以上乗るなら得になる)と、ほどほど便利なのだが、小型バスで混雑しているし、青葉城への急カーヴや急坂を登るので、立って乗っているとだいぶ疲れる。

 瑞鳳殿を見に行った。寛永年間に建てられた、伊達政宗の霊廟である。これはぜひ見たかったんだよね


 当時のものは空襲で焼失し、今あるのは昭和54年に再建されたものだというものの…


 黒漆と極彩色、という組合せ、あまり見慣れないので新鮮だ。


 2代忠宗の感仙殿。


 さるすべりの花がかかっていた。

*


 青葉城跡に行ったが、城跡にあるのは神社と土産物屋であって…


 がっかり観光地だろう、これは…

 宮城県美術館の前まで歩いて下りた。月曜日なので美術館や博物館が一つも開いていないのが痛い。


 魯迅先生。

 広瀬川沿いの断崖とその両側に広がる起伏のある仙台の街を眺めながら、大崎八幡宮まで歩いた。


 ここも、本殿は豪華。実はこの本殿が国宝で、慶長年間のものだという。ピカピカに修復されているので、本殿の前にある“長床”のほうが古そうに見えてしまうが…


 鶴の神紋。

 その後は、メディアテークなどを横目に、定禅寺通りから、一番町の商店街をぶらぶら歩いて、仙台駅まで歩いてきてしまった。半日程度の仙台散歩、おしまい。


 仙台発15時57分の『はやぶさ26号』東京行き。仙台が始発だが、E5系と、秋田新幹線『こまち』用のE6系が連結された、堂々の17両編成。指定席券売機を叩いたときに、最初から『こまち』側を選ばされたのが不思議だった(これまで、このような併結列車でもE6系側が選べたことがなかったので)。それはともかく、ほどよく空いた車内に入って…


 ひもを引いてしばし待つ。──しくみは知っているけれど、けっこう大げさにシューシュー言い出して、蒸気が噴き出してくるので、ちょっと焦る。


 あたたかい牛タン弁当! …ビールを飲みながら、1時間半で上野に着いてしまった。

坂本真綾さん朗読&ミニライヴ @イーハトーブ・フェスティバル2018 8/26

 8月26日(日曜)、朝9時過ぎに上野駅に現れました。


 特急列車がほとんど出入りしなくなった、上野駅の地平ホーム。常磐線の『ひたち』まで品川に行っちゃうようになったからね。


 東北新幹線に乗るときは、東京駅ではなく上野駅から乗るのが好き。喫茶店で一休みしてから乗り換え改札を入って、お弁当とビールとおみやげを買って、地下に下りる。

 というわけで上野発9時46分、『やまびこ45号』盛岡行きに乗車。ほとんどの場合いつでも好きなタイミングで乗れる東海道新幹線と違い、東北新幹線は、特に仙台以北に行くのに乗りたい列車に乗るには、どうしても1時間に1本程度にならざるを得ません。ですがこの日は、上野に来る途中に新宿駅指定席券売機で適当に指定席を取れました。──通路側C席でしたが、隣には二人組がいて、ちょっと窮屈だったものの、彼らは郡山で下りるらしいことが見て取れたので、1時間ばかりやり過ごし、郡山から少し身体を伸ばして、駅弁とビールを開けることにしました。上野で買った駅弁は、“石狩鮭めし”。


 この日は残念ながら、北に行くほど天気が悪く…。ときおり窓に流れる雨を眺めながら、12時41分に新花巻に着きました。迎えに来てくれた家族と合流。天気はやはり、雨が降ったり止んだりという感じのようです。

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 花巻に来たのは、坂本真綾さんが朗読&ミニライヴをするというイヴェントのため。会場は、新幹線の新花巻駅に近い、「宮沢賢治童話村」です。

花巻市>イーハトーブフェスティバル2018


 このイヴェント、ミュージシャンのパフォーマンスと、アニメ―ション関連の文化人(?)のトークと、映画の上映、というスタイルのよう。坂本さんは2014年にも出演していて、そのときにもぼくは花巻に遠征しましたが、あのときは10月の三連休で、すでに夕方などは肌寒かった覚えがあります。今年は川井郁子さんが出演しているなど、無料のイヴェントなのにゲスト陣がどうにも豪華。今年は、客席の最前エリアは朝から整理券を配布したりしていたようですが、そこに朝いちから並ぶほどの気概は、さすがにぼくにはありません。──雨が降ったり止んだりで、制作会社のSAPのスタッフがビニールの雨合羽を配布したりしていましたが、ビニールを着込むと、蒸し暑いのです。スタートしても雨が降ってくるようなら後方のテントエリアに逃げなくちゃいけないかなあ、と思いつつ、ですが、わりと直前まで雨が降っていたのに、坂本さんの出番が始まったら、雨が止んで、陽まで射してきたのには驚きました。

 16時からスタート。まず、馴れ馴れしい口調の男性司会者が登場し、どこから来たんですか、坂本さん目当てですか、などと観客をイジってから、茶色っぽいチェックのワンピースドレスの坂本さんが登場。今回はキーボードの河野伸さんがサポートです。──『星めぐりのうた』『おかえりなさい』に続けて、前回のイーハトーブ・フェスティバルですれ違い(?)、今年亡くなった高畑勲監督に触れて、高畑さんがアニメ化したいという構想があったそうです、宮沢賢治の『鹿踊りのはじまり』という珍しい作品を朗読しました。

 この作品、鹿が岩手弁でしゃべりまくるというもので、その岩手弁を東京育ちの坂本さんがうまく演じていたのですが、正直なところぼくは、その岩手弁の会話の意味があまりつかめず、話の筋がよくわからなかったのですね。でもところどころ、鹿たちがぴょーんぴょーんと跳びまわっているような(?)場面があって、…ああなるほど、高畑さんがアニメ化したかったと。『ぽんぽこ』的な感じを想像したりしていました。

 ──坂本さんの朗読の岩手弁について、あとで、岩手ネイティヴの家族に訊いたところ、「よかったのでは。…まあ宮沢賢治の作品の岩手弁って、必ずしも岩手の言葉そのままじゃないし。」というような反応でした。(なんとなくニュアンスを十分にはつかみにくい反応ですが、本当の話し言葉をそのまま文字にすることなんて賢治でも不可能なのでしょうし、文字になった時点でもうそれは“賢治の世界の言葉”だ、ということなのかもしれませんね。)

 『僕たちが恋をする理由』のあと、2本目の朗読は『よだかの星』でした。これは、緊張感ありましたね…。聴いていてちょっと息が詰まるようで、終わってちょっとどっと疲れました。よい朗読でしたね。冒頭、坂本さんが、中学生のときに読んでビリビリ来たんです、といったことを話していましたが、なんとなく、坂本さんらしいエピソードだな、と思ったりしました。──最後は『ユニバース』でしたが、『よだかの星』に続けて『ユニバース』を聴くと、妙に歌詞がリンクして、胸に迫るものがありました。

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 この日は、お酒を飲んでごはんを食べて、北上まで送ってもらって、安定のビジネスホテルに宿泊。


 鬼剣舞を見たよ。

東京国立博物館8/24、琉球展@サントリー美術館、建築の日本展@森美術館、ルーヴル展@国立新美術館 8/25

 金曜日の夜間開館で、18時前から縄文展を見ていたのだが、けっこう混んでいた。もう少し空かないかな、と思っていたものの、20時近くなっても入館してくる人の波が減る様子がなかったので、まあいいか、と縄文展を出て、本館と東洋館をひとまわりした。


 考古コーナーでは火焔型土器は常設展示。


 なんだこりゃ。猿の埴輪だそうです


 本館の浮世絵コーナーも夏らしいセレクションに。春信の小野小町


 相変わらず美しい蒔絵コーナー。


 嘉靖年間の金襴手。


 乾隆年間の彫漆のお盆。


 乾隆年間の填漆。「器体にやや厚めに漆を塗り、刀で形を彫ったところにさまざまな彩漆を嵌め込んで文様をあらわしたもの」を填漆というそうだ。


 雍正年間の景徳鎮の大物と、南宋の米色青磁。どっしりとしていていいね。

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 8月25日(土曜)は、まずサントリー美術館琉球展へ。

サントリー美術館>琉球 美の宝庫

 展示は、鮮やかな紅型の染織から始まって、珍しい琉球絵画が展示されている。中国絵画に学んだ山水画などが中心だったが、那覇の港の様子を描いた屏風(島津への献上物などのために描かれたもののようだが)を珍しく眺める。女性の手の甲にマークのような刺青(ハジチというらしい)をしていた、ということを初めて知った。また、首里城に黒装束の島津の武士の行列が進んでいく情景で、首里城が黒壁で王宮のファサードのみ赤く描かれているのは、あれはどういうことなのだろう? 黒壁の時代もあったのだろうか。

 葛飾北斎の『琉球八景』などという珍しいものも展示されていたが、北斎にしては、どうにも気の抜けたような絵であった。清国の冊封使の資料が日本で翻刻出版され、その挿絵を北斎が写したものだそうだが、どうしたってそれではリアルには描けないのだろう。

 琉球王家の関連遺物がまとめて国宝に指定されているそうで、金・銀・瑪瑙などなどに彩られた、本物の冠が展示されていた。そして青い龍袍。こんなものが残っていたのか、と感心する。さらに、黒漆に螺鈿が妖しく光る大盆や重箱など、すばらしい。これだよ、こういうものが見たかったんだよ! ──惜しむらくは、那覇首里城に行ってもこういうものが見られないこと、だと思う。今回の出品は、目録を見ると、工芸品は那覇市歴史博物館や浦添市美術館のものが多いようだ。そういうところに行けばよかったのか。

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 森美術館の『建築の日本展』へ。

森美術館>六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展 建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの

 この展示は、とにかく、聞いたことのない面白い建築がたくさん紹介されていて面白かったし、見に行きたい場所が増えてしまった。だが、国宝『待庵』の実物大再現模型は、大行列になっていたので、断念した。ちょっと残念。


 齋藤精一+ライゾマティクス・アーキテクチャー『パワー・オブ・スケール』。

 そうそう、日光東照宮五重塔は心柱を「吊り下げている」とはいったいどういうことなのだろう? ちょっと調べてみよう。

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 さらに国立新美術館のルーヴル展を瞥見してから帰宅。──ナポレオンの肖像が立派であるが、何がすごいって、やはり、大理石像で表現された衣服やマントの厚ぼったい感じ、石を彫ってこの柔らかさ? と驚いてしまう。絵画作品では、『マラーの死』や、『美しきナーニ』などが来ているけれど、美女ポイント第一位(?)は『エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像』じゃないかな! あの、ちょっと頬紅さしちゃってる感じ、反則では…(笑)

日本テレビ>ルーヴル美術館展 肖像芸術 人は人をどう表現してきたか

縄文展@東京国立博物館8/24

 金曜日の夜間開館を目指して、上野に行った。縄文の土器や土偶の、大型展示だ。

特別展「縄文 ─1万年の美の鼓動」

 縄文土器、面白い。自由なようで、そこにはデザインの様式のようなものがしっかりあるようだ。火焔土器・王冠型土器が12個も並ぶ展示スペースは圧巻であった。焼町土器という渋川市で出た土器は、ライティングのせいもあってちょっと暴力的な造形である。──縁の穴型の突起は、紐を通してどうにかするような実用的な用途のものなのかと思ったが、穴が開いているような形だが実際には開いていないものもあったりして、やはり装飾のようだ。

 感心したのは、つややかな漆塗りの土器。山形県の押出遺跡というところで出たものだという。この樹液を塗るとつやつやしてきれいになるぞ、という文化は、縄文時代からすでにあったのだなあ。──赤い顔料がかすかに残り、雲形定規のような浮彫の紋様が独特の土器は、十和田市で出土したものだということだ。

 そして、国宝5点そろい踏み。火焔型土器のほか、縄文のビーナス、縄文の女神、仮面の女神、合掌土偶、中空土偶、の4つの土偶だ。“中空土偶”は、人物の衣服に複雑な紋様が刻まれているが、これはおそらく当時は彩色されていたのではないだろうか。ずんぐりむっくりした“縄文のビーナス”と、三角形の板で顔を隠した“仮面の女神”は、昨秋の京都の国宝展でも見たものだけれど、“仮面の女神”は、首の部分に穴が通っていることに気付いた。土偶がヒトの形だとすると、あの穴はいったい、何なのだろうね…。そして、“縄文の女神”という土偶、これは…? たしかに人物像らしいが、かなり抽象化されていて、こんな表現が先史時代にあったのか、と驚く。──抽象化されたデザイン、という意味では、“ハート型土偶”も大したものだ。

 青森の三内丸山遺跡から、編み籠“縄文ポシェット”や、板状土偶のばんちゃん(笑/以前に青森に行ったときに博物館のおねいさんが解説してくれたのを思い出した)も出展されている。──展示の後半は、人の顔がいくつもついた壺などが出てきて、文化も爛熟していくと不気味感が増していくのだろうか、なんて思ったり。