night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「povoデータオアシス」をためす

 povoの回線契約、2022年の秋からは、au PAYによる「ギガ活」でもらえるデータ通信容量だけで自分が使用する大部分をまかなっていた。──メールで送られてくるプロモコードをタンキングして1件ずつ使用する管理のために、Google Apps ScriptとAppsheetで自分用アプリを作ったりしていた、というのが前回のあらすじ。

jawa-jawa.hatenadiary.jp

 だが、このサーヴィスは2024年6月末で終了してしまった。これを使い倒して本当に0円で回線を使い続けるような人はそんなに多くはあるまい、とは思っていたが、まあ、そういう人がいるから儲からないのだろう。あとこういうのは所詮は客寄せの一発花火なのだろうな。LAWSONの売上には貢献していたつもりなのになー。(?)

*

 その後は60GB/365日のトッピングを買ってつつましく暮らしていたが、5GB/月っていうペースは、やっぱりちょっと足りないんだよな、8か月か9か月で枯らすだろうな。──と思っていたところに、「povoデータオアシス」の発表があった。LAWSONに来店すると100MB/24時間/回、1日1回まで、月に10回まで、データ通信容量がもらえるというもの。「最大月1GB」と宣伝しているが、一つ一つの特典は微々たるものだし、実際の使い勝手も気になる。

povo.jp

 11/19から始まった。やってみると、まあそれほど面倒ではない。位置情報はGPSで測位しているとのこと。アプリ上で完結せずブラウザを開かせるというのがいかにもイケてないけれど*1。都度の認証がめんどくさいという話もあるらしいが認証を求められるのは数回に一回程度だ。あと、ログイン画面のショートカットを作っておくといいかもしれない(アプリを開くステップがなくなるので)。

#「10回/月」を自分の中で管理するのには、以前に作ったプロモコード管理アプリを流用することにした。

*

 しかし何度かやってみて、残念ながらこれは長続きしないな、と確信した。LAWSONの集客や売上につながっているとはまったく思えない。KDDIさんがLAWSONとの協業を強化したいなら、以前のau PAY方式の「ギガ活」をLAWSON限定で再開するのが一番いいと思うのだけど、そもそもそれが客寄せの効果が終わり儲からないからやめたのだろうし、そもそもpovoはKDDIの一サーヴィス(しかもあまり儲かっていないであろうサーヴィス)にすぎず、客寄せもしたいが客に便益を与えたくもない、という二律背反状態(それ自体は当然のことなのだろうけれど)から、微妙な有用度の仕組みが生まれてしまった、という気がする。

 とは言え、povo自体はいいサーヴィスだと思うのだ。最近、モバイル通信業界は全体的にメインターゲットを20GB/月以上の大きめの容量帯にシフトしているように思うが、世の中にはいろんな人がいるし、いろんなニーズに対応できるサーヴィスだと思うので(その意味では5~10GB/月程度のトッピングを充実してほしいところなのだが)、povoってもっと押してくれてもいいと思うんだけどなあ。

*1:アプリに組み込まないのはなぜかとは思うけれど、位置情報の権限をアプリに持たせることの問題があったのかもしれない。

SIMフリースマートフォンを初めて購入

 スマートフォンを買い替えた。買ったのはシャープのSH-M26、「AQUOS sense8」のSIMフリー版。この機種は去年の発売時から注目していたが、このシリーズはすでにこの11月に後継の「AQUOS sense9」が出たので、ちょうど一年前の機種を買ったことになる。一年落ちなので多少は安く買えたと思うし、それに、これの「ライトカッパー」のカラーがどうしてもほしかったんだよね。

シャープ AQUOS sense8 ライトカッパー [SH-M26-C]

 そもそもこれまで使っていた機種が2021年1月に買ったAQUOS sense3 basic SHV48であり、どちらかというと安価な機種だった(たしか当時三万円台だった記憶がある)がスマートフォンとしての機能にまったく不満はなかったのものの、昨年あたりから内蔵ストレージの容量(32GB)に限界感が出てきていたし、最近はさすがに3年10か月も使うと電池の持ちも劣化してきていた。

 回線の契約をpovoに変えた(2022年2月)ので、もうauにひもづいた端末を買う必要はない。SIMフリーの端末をメーカ直販で買うのが一番いいと思っていたのだけど、シャープの直販のウェブサイトはずっと停止中である。なにやら、情報漏えい事件があってどうのこうの、と。いつなら買えるんだよ、と思っているうちに時間が過ぎていた、というのもある。結局、Amazonに出品している業者から買った。Amazonでこういう高価な機器を買うのはちょっと二の足を踏んでいたのだけど、お酒をのんでいたときになんとなく注文してしまった。まあ無事に新品が到着した。

 最近のAndroidスマートフォンは、機種変更のときでも、Googleさんの威力で設定がどんどん引き継がれていくので、だいぶ助かる。SIMカードを入れ替えて、夜中に端末をつないでなんとなく操作していたら、順調にアプリがダウンロードされていった。このへんは昔に比べると自宅の回線が強化されたのにも助けられている。驚いたのは、新しい端末は、物理SIMカードを入れただけでなんの設定もなく音声通話が開通していたことだった。APN設定とかいらないんだね。えー、こんなに簡単なのか。Amazonで買って、届いて、SIMを入れ替えただけじゃないか。スマートフォンって、もはや通信事業者を通して手に入れる「携帯電話」じゃなくて、どんどん普通のコンピュータと同じになっていってるんだね。

「両大戦間のモダニズム」@町田市立国際版画美術館 11/6

町田市立国際版画美術館>両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代

 ほとんどこの館の所蔵品だけでこれだけの展示ができちゃうというのが、ここのすごいところである。一部撮影可。──「両大戦間」とは言いつつ、戦争が始まる前のベルエポックの時代から展示は始まる。ヴァロットンってなんか不穏な絵画を描く人だと記憶していたけれど版画もあるのね。


 ジャヴィエ・ゴゼ


 シャルル・マルタン。ちょっと独特で目を引く


 これなんかちょっとタンタンの冒険ぽいけど。ああいうフレンチなイラストの文化ってこういう時代からあったんだな


 アンドレ・エレという画家の『ブルガリア王国』。ニュースの挿絵みたいな感じなのかな。ブルガリアがツァーリを擁して独立国になったのは第一次大戦の少し前で、できたばかりの国に武器を売り込む列強、ということなのだろうか


 マティスのリトグラフ。


 竹久夢二の、『婦人グラフ』という雑誌の表紙イラストだそうだ。昭和初期。富裕層向けの雑誌とは言っても、こういうファッションが非現実的ではなかったからこそのイラストなのだろうし、それから十数年で戦争の時代になると考えると、時の移り変わりというのは非情だね

過去ログの画像を補完する

 ついったーを追い出されて、自分にとって大事な過去ログであるTwilogも失ったが、ついったーを凍結される直前に運よくダウンロードしていたアーカイブを加工してはてなブログにインポートし、自分の過去ログを維持した、というのが前回(2023年5月)までのあらすじ。

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 だが、テキストだけで、画像は無い状態だった。というか、画像のことはほとんど忘れ去っていて、もう返ってこないものだと思い込んでいた。──しかし、今年10月になって、アーカイブの中の「tweets_media」フォルダに自分の画像がある、という話を目にして、はっ、と探してみたところ、ファイルがあることがわかった。なんと1年半近くも気づいていなかったのだ。画像のファイル名は、ツイート1件ごとのID(id_str)とひもづけられるようになっていた。

 また、ついったーに関連しては、2011年以前に「twitpic」にアップロードして、「twitpic」のサービス終了とともに表示されなくなった画像、というのもあった。これも、ふと思い立って調べてみたら、URLはまだ通って、ファイルが残されていることを知った。これはちょっと驚いた。全部ダウンロードしておいた。自分でも忘れ去っていたような画像が、10年以上ぶりに帰ってきた。

*

 あるとなったら、それらを過去ログに載せたい。対象のファイルは、全部で804件あることがわかった*1

 数が多すぎる。また、過去ログ自体をはてなブログにしていることから、画像の置き場所は、自然と、はてなフォトライフになる*2。アップロードするだけなら簡単なのだが、はてなフォトライフは、画像をアップロードすると元のファイル名が残らなくなってしまうので、ツイートとのひもづけが難しくなる。──つまり、「対象の画像ファイルをはてなフォトライフにアップロードし、その画像ファイル名(ツイート1件ずつのIDと関連付けられている)とはてなフォトライフのファイル名(URL)を関連付けること」が課題だった。人手ではなく何らかの機械的な仕掛けが必要になる。*3

 このため、既存の「俺のついったー」でも使っている仕組みを応用して、Google Apps Script(GAS)で、下記の仕掛けを作った。非常に回りくどい処理だが、GASで動く「はてなフォトライフ連携ツール」である。

●ストレージ(Googleドライブ)
 自分のGoogleドライブの特定のフォルダに、処理対象のファイルを全部置いておく。
●テーブル1(Googleスプレッドシート)
 対象のファイル名の一覧を保有する。
●テーブル2(Googleスプレッドシート)
 はてなフォトライフのRSSフィードを受信して展開する。最新50件の画像タイトルとURLが取得できる。
●処理1(Google Apps Script)
 定周期で起動。
 テーブル1から、実行1回につき1件ずつを処理対象として、ファイル名からGoogleドライブのファイルIDを取得し、Gmailでメールを送信してファイルをはてなフォトライフに連携する。その際、画像のタイトルを一意に決めておき、テーブル1に登録する。送信し終わったメールは不要なのでゴミ箱に移動する。
●処理2(Google Apps Script)
 定周期で起動。
 最新のはてなフォトライフのRSSフィードをテーブル2に取得する。テーブル1の画像タイトルと、テーブル2の画像タイトルを突合して、テーブル2からはてなフォトライフのURLを取得し、テーブル1に登録する。

 処理1を、トリガを設定して、一定の間隔で自動実行させていく。はてなフォトライフへのアップロードを「ちぎっては投げ」方式にすることで、自分の作れる範囲の実現方式に寄せてみたことになる。──10月26日の0時台から始めて、最初は5分間隔で実行していたが、翌朝には止まってしまった。GASによるメールの送信は無料ユーザには100件/日の上限があってそれを超えると実行に失敗することを知り、15分間隔で実行することにして、その日の夕方から再開した*4。15分間隔の場合、アップロードできるのは96件/日になる*5。全部で8日かかる工程になるが、時間がかかる分にはとくにかまわない(なにせ、1年半も忘れていたのだから)。また、処理2は、はてなフォトライフのRSSフィードには最新50件分だけが載る、という制約があるので、処理1の実行が50件を超えないような間隔で動かせばよい。

 そうやって、はてなフォトライフへのアップロードとファイル名(URL)の取得・関連付けの処理は、8日間工程で、11/2に完了した。自分が書いたプログラムが、適切に設計すれば、放置していても昼も夜も自動で一定の動きをしてくれる、というのは気分がよい*6。これで第一段階は達成。

*

 次のステップとして、はてなブログの記事に画像を追加していくことになる。はてなフォトライフのファイル名(URL)が取得できているので、はてな記法の文字列を作って、記事の適切な場所に差し込んでいくのだが、ためしに手作業で120件ほどやってみて、こんなことを手でやれるか、と音を上げた。残りの作業は、手順を分けて一部をツール化した。──もともと、Twitterのログからはてなブログを作るためにMovableType形式のテキストファイルを作っていたので、このテキストファイルを元ファイルとして、下記の手順を踏んだ。

(1) 元ファイルを、1日ごとのファイルに分割。(Excel VBA)*7
(2) (1)で分割したファイルから、画像を張り付ける対象の日付のファイルを選び出す。*8
(3) (2)のファイル中のツイートIDの文字列付近を、ひもづく画像ファイルの記述を付加するように加工。その際、GAS処理で取得したはてなフォトライフの画像ファイル名(URL)を使用。(Excel VBA)*9
(4) (3)の加工後のファイルを結合して、1つのインポート用ファイルを作成。
(5) はてなブログ側は、対象の日付の記事をいったん削除。*10
(6) (4)で作成したインポート用ファイルを、はてなブログにインポート。

*

 以上の手順を踏んで、自分のついったー過去ログに自分の画像を補完することができた。思い立ってから完成まで2週間かかったけど、GASを組んで大量件数のデータをさばいたり、またVBAでファイルを加工したりして、面白かった。

jawa-jawa-tw.hatenablog.jp

*1:ついったーのアーカイブの中の「tweets_media」フォルダ自体には5,000件以上の画像や動画ファイルがあったが、これは、自分がリツイートした他人のツイートに関連した画像・動画も含まれていて、それはさすがに自分の過去ログに上げるわけにはいかないので、省いた。

*2:外部に置いて参照させることも考えたが、自分の場合は適当な置き場所がなかった。

*3:はてなフォトライフにもAPIがあるが、OAuth認証が求められ、自分が取り組むにはハードルが高い。

*4:GASの1日のメール送信可能残数(MailApp.getRemainingDailyQuota())のカウントダウンは、1回の実行で2減っていたり、逆に減っていなかったりして、わりと曖昧である。また、減っていった残数が100に戻るタイミングもまた謎で、どうやら日本時間の16時台の任意のタイミングで戻っているようだ(これは米国西海岸時間の0時が関係しているのではないかと勘繰っている)。

*5:なお、はてなフォトライフのアップロードの上限という制約もあるにはあるが、300MB/月であり、月初にはゼロクリアされるので、今回の処理には影響なかった。

*6:1回だけタイムアウトエラーが出ていたが、処理完了後だったので問題なかった。

*7:出力はUTF-8(BOMなし)。はてなブログへのインポート自体はBOMありのファイルでも問題ないが、あとでファイルを結合することを考慮してBOMなしにした。

*8:一部は手作業で処理してしまったため、この時点で対象は464日分だった。

*9:Excel VBAで、キーワード指定して特定フォルダのファイル(UTF-8)を一括置換するツールを作った。出力もUTF-8(BOMなし)。これ、まさに仕事でそういうの作ろうと思っていたのを思い出して…。

*10:結局、手作業としてはこの作業が一番大変だった。1時間くらいかかった。

クロスバイクにリング錠を取り付ける

 最近、自転車にあまり乗らなくなった。休日に外出する元気がないのと、近所に出かけるなら歩くようになった、というのが大きいが、GIANT ESCAPE R3が持ちぐされている。もう少し日常に使うようにしていきたい。

 日常づかいにとってひとつ面倒といえば面倒なのが、この自転車の鍵のかけ方だ。スポーツバイクはどれもそうだがこのクロスバイクも、作り付けの鍵はついておらず、ワイヤーロックを使うのだが、ちょっとコンビニに寄るようなときもワイヤーロックの鍵を外してひっかけて施錠するのは手間だ。しかも、ぼくが使っているワイヤーロックは、初代のクロスバイクを買ったときに用意したものなので、だんだんワイヤーがへたってきたし、鍵も閉まりにくく固くなってきた。

 ワイヤーロックを買い替えるか、どうするか、と考えたとき、このさい、シティサイクル(いわゆるママチャリ)のようなリング錠はつけられないのか、と思って、探してみた。──実は、この自転車を買ったとき(2020年12月)にも、販売店(サイクルベースAさひ)の人に、そういうのありませんか、と尋ねたのだが、クロスバイクにリング錠なんて何言ってんの、という感じの反応だったので、ひとまず見送っていたのだが、…サイクルベースAさひでもそういうのを出してるじゃないの。。。
www.cb-asahi.co.jp

 買ったのは、「NC172」という製品。

▼ニッコー(NIKKO) 自転車 リング錠 [NC172] リングロック V/キャリパーブレーキ対応 ブラック 0680013
ニッコー(NIKKO) 自転車 リング錠 [NC172] リングロック V/キャリパーブレーキ対応 ブラック 0680013

 選んだポイントは、ブレーキから見てシートステーの反対側に取り付けるので、ブレーキと無関係に取り付けられる、ということ。──クロスバイクなので、後ろのシートステーにはVブレーキがむき出しでついている。クロスバイクやMTBに取り付け可能なリング錠は、ブレーキの台座に取り付けるタイプの製品が主流らしいのだが、取り付けるにはブレーキを一度外さなければならないと思われたので、素人がやるのは危険だろうと思って、それはやめておいた。


 シートステーを挟み込んで、ボルトと緩み止めナットをレンチで締め込む。取り付け状態がこれ。左右どちら向きにでもつけられるが、ぼくは鍵穴が左に来るように取り付けた。このへんは好みだと思う。


 後ろの正面。金具を覆うカバーを取り付ける。

 この錠は、鍵を閉めるときにもキーを差し込む必要があり、その代わり解錠中も鍵を抜いて持っておける。この使い勝手は、ママチャリによくある鍵とは違うけれど、普段から鍵をキーホルダーなどで持ち歩いている人にはとくに問題ないだろう。ただ、ぼくの場合、キーをキーチェーンにつけていると、解錠・施錠の際に鍵穴に届きづらく、多少面倒ではある。だがそれはキーの持ち方を考えればいいだけの話である。

 この種の錠は、鍵をかけたところでそのまま持っていかれる可能性があるので高価なバイクには勧められない、といった話は当然あるけれど、自転車の日常づかいがひとつ気軽になったのは確かだ。さらに泥除けなどもつけてESCAPE R3を普段づかいカスタマイズしてしまうのもいいかも、などと思い始めている。

「myTimeline」開発日誌(2024/10/20時点)

 かれこれ1年以上運用している「俺のついったー」システム。自分だけ用のプログラムを作って、ぽちぽち直したりしながら使っていくのは、たのしい。

jawa-jawa.hatenadiary.jp

 AppSheetアプリ側でポストの削除ボタンを実装した。──それ自体はすぐできたのだが、削除を行うとテーブル(Googleスプレッドシート)側に空行が生まれてしまい、日次処理(夜間の、はてなブログ投稿)側で考慮しなければならないのが課題だった。試しに、日次処理の冒頭で動かすつもりで、テーブルを全件見て空行を削除する処理を作ってみたところ、処理に3分もかかってしまう。べつに全件見なくてもいいんだけどな、などといろいろ考えたあげく、結局、随時処理(シートの変更トリガで動かしている、ポスト1件投稿時の処理)側で、更新した行*1が空だったらその行を削除する、という方法で実装した。

 本当は、物理削除じゃなくて論理削除のしくみにしたいところだったけれど、AppSheetアプリ側が煩雑になるので、単純に削除する方法で解決した。──さらに、もともとやりたかったのは、アプリで、ポスト1件に対する削除(Delete)と編集(Edit)を可能にすること、だったのだが、編集を可能にすると、テーブルのデータの持ち方もサーバ側の処理の内容も、今のままではうまく対応できなくて、大幅に作り直す必要があり、影響が大きくなりそうなことがわかったので、削除だけにしておいた。

*

 ところで、このへんのサーバ側のスクリプト(Google Apps Script)の改修を、10月17日(木曜日)の夜中にだらだらと(お酒をのみながら)やっていたとき、変更したのを元に戻そうと思ったところで、変な戻し方をしてしまい、スクリプトを壊してしまった、というか、2023年5月時点の「プロジェクト」に誤って戻してしまった。スクリプトの行数が急に半分くらいになったので、真っ青になった。デプロイしていないからそれ以降の「プロジェクト」はなかったのだ。Google Apps Scriptはスクリプト単体ではバージョン管理がない、というのも初めて知った。スクリプトのバージョン管理だろうと思って履歴から戻したらそれは「プロジェクト」の履歴だった、というオチであった。

 もはや当時とはデータの持ち方(テーブルの構成)も違うし、処理の内容も違う。サーバ側の処理は、制約があるどころの話ではなく、まさに何も動かなくなってしまった。翌日にはすべてのトリガが実行に失敗していた。おう…。夜間バッチが異常終了するのでその場でプログラムを書き直してリラン、というブラック職場みたいな状況になった。なんだそれ。笑えない。べつに動かなくても自分以外は誰も困らないプログラムだけどね。

 というわけで、週末の土曜日に、これまでの改修の要件を総ざらいして、プログラムを書き直した。今あるバージョンに対して吸収すべき機能を書き出したうえで、優先順位をつけて、1件ずつ対応していく(休日に、何をやっているのか…)。この1年以上、わりとこまごました改修を何度も入れていたので、その機能を全部取り戻さなければならなかったのだ。──3時間くらいかかった。細かいコーディングの内容までは当然覚えていないので、やりたいことをひとつずつ、もう一度調べなおすという、不毛な作業だったけれど、それでも対応できたのはよかった。こういうのは一気呵成にやらなければならないので、お金を払ってシェアオフィスにこもった*2。何も生まない、自分用のプログラムにすぎないけれど、休日に成果が出ると気分がよい。

 コードの原本管理が課題だなあ。デプロイすればいいんだろうけど、Webアプリを作らないし(2023年5月当時、Webアプリ化をもくろんで試していたから、そのときにデプロイしたプロジェクトがあったのだ)、スクリプトだけ個人で使う分にはデプロイしなくてもいい、というのがあだになった。…なんだけど、GASのデプロイっていまいちよくわかってないんだよな…。いったん、コードを別のところに持っておくことにした。

*1:getActiveCell()で取得する。ところで、このgetActiveCell()というの、過去に別のスクリプト(povoプロモコード管理)でも使ったけれど、この、シートの変更トリガとgetActiveCell()の組み合わせは、連続して動かすと、期待した動作をしない場合があるように思えてならず、考慮しつくせてないケースはあるかも。

*2:最近、ちょっと気に入っているシェアオフィスが近所にあって、ときどき、こもりに行っている。

読書&査収音源リスト(2024年7月~9月)

▽ある行旅死亡人の物語/武田惇志、伊藤亜衣
ある行旅死亡人の物語
 共同通信社の記者だった方々によるノンフィクション。すべての謎が明らかになったわけではないけれど、それは必ずしも問題ではない気がする(そもそもすべてを書いていないと思われるし、詳細を書くことを避けているように感じるプロットもあった)。それより、身元が確認できなければ…というよりも身元を確認できる人に「つながる」ことができなければ「行旅死亡人」扱いになる、という事実が重いと感じた。──本に対する評価としては変かもしれないけど、カバーイラストがとてもすばらしい。後ろ姿の女性が、ぬいぐるみを持って、日常と深淵のはざまに立っている…読み終わってからこのイラストを見返したとき、涙が出てきた。
 もとになったインターネット記事は2022年2月に共同通信社が配信したもので、いまでも見られるようだ。
 → 現金3400万円を残して孤独死した身元不明の女性、一体誰なのか(前編) 「行旅死亡人」のミステリーを追う | 47NEWS
 → 現金3400万円を残して孤独死した身元不明の女性、一体誰なのか(後編) 身元判明、そして分かったこと | 47NEWS

▽海を覗く/伊良刹那
海を覗く
 新潮新人賞最年少(17歳)受賞作だそうだ。なんだこれは、すごいものを読んでしまった…。作者は三島ファンの高校生とのことだが、だからと言ってこんな美文はおいそれと書けるものではない。世界が狭い気はするけど、それは旧華族社会とかを書き続けた三島由紀夫だってそういうところはあるわけで。美とか愛とか、それを焼かねばならなかったりするのは、それってきっと普遍的なテーマで、だからこそ、稚拙な部分があったとしてもそれを真正面から書こうとしてるのはすごいことだと思う。

▼響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のみんなの話(宝島社文庫)/武田綾乃
響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のみんなの話 (宝島社文庫)

▽夏至南風/長野まゆみ
夏至南風
 あまりに暑いので思い出して、久しぶりに読んでしまった。学生時代以来かな。相変わらずわからない。

▽中世日本の予言書 〈未来記〉を読む(岩波新書)/小峯和明
中世日本の予言書: 〈未来記〉を読む (岩波新書 新赤版 1061)
 「聖徳太子未来記」とか「野馬台詩」とかいうとオカルトっぽいが、こういったものは歴史上何度も現れてくるらしく。しかしちょっとこの本はわかりにくかったかな。いろんなものに焦点を当てようとして散漫になってる印象。わかりやすく書けない分野なのかもしれないが。

▼張学良の昭和史最後の証言(角川文庫)/NHK取材班、臼井勝美
張学良の昭和史最後の証言 (角川文庫 ん 3-2)
 張学良は1937年の西安事件のあと歴史から消えたが、国民政府に幽閉されたまま台湾で存命だった(2001年に死去)。1990年にNHKのインタビューを受けて、『張学良がいま語る 日中戦争への道』というNHKスペシャルになったことはいまだに覚えている(この番組、貴重な歴史の証言だと思うので、ぜひまた見たいのだけど)が、この本はその番組の取材によって編まれたもの。西安事件は、蒋介石、周恩来、宋美齢、といった登場人物たちに彩られる、歴史を変えた出来事だが、しかし密室の中でどんなやりとりが交わされたのかは、張学良は最後まで語るのを避けたようだ。だが、彼が、父を殺した日本を、厳然として許さなかったことは、歴史に残り続けるのだろう。

▽可燃物/米澤穂信
可燃物 (文春e-book)

▽ここはすべての夜明けまえ/間宮改衣
ここはすべての夜明けまえ

間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』読んだ。いろんな言葉が自分のなかでぐるぐるしている。搾取ということについて考えている。自分は搾取されたのか、搾取したのか。それは愛だったのか、それとも、?
■2024/09/09 20:47:30
描かれている関係は重くおぞましいし、一方で乾いた心象風景は自分にとってあり得る未来のようにぼくには感じられるし、、、恐ろしいものを読んでしまった
■2024/09/09 20:51:58
別件で思ったことなんだけど、もしも何かに搾取されてる/たと思ったとき、それに復讐する方法って、たぶん、ないんだよな
■2024/09/09 21:19:06

▼ふしぎの国のバード (10) (11)/佐々大河
ふしぎの国のバード 10巻 (ハルタコミックス) ふしぎの国のバード 11巻 (ハルタコミックス)
 10巻を読んでいて、八甲田山系に生えてるモミの木、っていうところでピンときた。オオシラビソ(アオモリトドマツともいうらしい)のことじゃないか。見たことあるけど、松ぼっくりが青というか紫色みたいな、ちょっと奇妙な木ね。学名が"Abies mariesii"(マリーズのモミ)というそうで、…英国のプラントハンターのチャールズ・マリーズが1879年に欧州に紹介したのだという。こいつだったのか…

▽なぜ働いていると本が読めなくなるのか(集英社新書)/三宅香帆
なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)

中盤、90年代や00年代の世相を語っている部分に入ってくると、まさにぼくが生きてきた時代なので…べつに筆者にそのつもりがあるかどうかはちょっとわからないけど痛烈な皮肉だなと思えるところとか。筆者はぼくとは全く世代を異にしてるけど、よくそこまで言っちゃえるなあ、と痛快ですらある
■2024-09-29 19:26:50
00年代の「雇用の流動化」とか「好きなことして生きていく」「13歳のハローワーク」みたいな風潮、その背景にものすごい就職氷河期があったことをぼくらは身をもって経験してるし絶対に忘れないし、2016年に明るみに出た(その前年の)高橋まつりさん事件が社会をものすごく大きく変えたことも(かなしいことだけど)、忘れちゃいけない出来事だよね
■2024-09-29 19:48:30
 どうでもいいけど、筆者の、谷崎潤一郎『痴人の愛』論がおもしろくて、そういえばちゃんと読んでないなあと思って今読んでる。

*

 番外編。

 2024年7月にPCが故障して、新しいPCを買った。前のPCはBlu-rayドライブつきの15.6インチノートだったが、もはやいまのノートPCは光学ドライブがつかないのが主流だし、自宅の環境ではモニタもキーボードも別に用意して使っているので、持ち運びしやすく少し小さめの、14インチノートにした。前と同じくNECのカスタマイズPCで、「LAVIE N14」にCore i5、メモリを16GBと、512GB SSDを積んだ。CPUの種類でけっこう値段が変わるんだね。もはやいろんなデータはクラウドに任せる時代になっているしクラウドに置きたくないデータは外付けHDDに保存しているので、SSDは256GBでも十分だったかもしれないけれど、CPUとメモリ16GBの威力か、かなり快適になった。Windows 11の挙動には、最初は細かいところで違和感あったけど、日常使う分にはそこまで大きな問題ではなく。
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「印象派 モネからアメリカへ」@東京富士美術館 9/27

 午後、八王子の東京富士美術館に足をのばした。


 「ウスター美術館展」を開催中。これ、東京都美術館でやっていたときに機会を逃したのだけど、なんと巡回していて、来られてよかった。

東京富士美術館
印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵


 ジュリアン・デュプレ『干し草作り』。これ、実物を見たときの「完璧だな…」という感動は、カードではなかなか得られないなあ。飛んでる干し草が、実物だと、絵の具が盛り上がっているのだ。


 驚くほど小さな絵だけどとても印象に残った、ヨゼフ・イスラエルス『砂丘にて』。


 あれっ、セザンヌ、絵、うまいじゃん(?) 習作なのにこの完成度…。


 モネ『税関吏の小屋、荒れた海』。このカードは実物よりもちょっと色味が濃くなってしまってるかな。これも、独特の、わびしさというか力強さというか、いい絵だなあ、と思った



 チャイルド・ハッサムや、ジョゼフ・H・グリーンウッドといった、米国の同時代の画家の作品も。──チャイルド・ハッサムの作品では、『朝食室、冬の朝、ニューヨーク』という、紗のかかったような室内の絵が、とてもよかった。


 モネの睡蓮の池。写真には決して写らない色合い…。


 ルノワール『アラブの女』。あ、なんか、これまでに見たルノワールの絵の中でも、これ、かなり好きかも。一見して、えっこれルノワールらしくないな?と感じてしまうのは、青い影のせいだろうか。でも透明感はさすがだ。

*

 所蔵品展のほうも見ごたえがあった。ここの所蔵品展は、わりとロココ絵画とか、ナポレオンとか(?)が多めなんだけど…、今回、一つだけ選ぶとしたら、これかな。


 アンリ・ルバスク『ヴァイオリンのあるマルト・ルバスクの肖像、サントロペにて』。よく見るとヴァイオリンが落っこちそうだけど…。ポスト印象派っていう時代の人、になるのかな。かなり大きな絵なんだけど、やわらかい光と影と、やわらかく微笑む人物。やわらかーい(笑)。淡い色合いの、オレンジ色と緑色のグラデーション。やさしい絵なのに、なんとなく哀愁がある。なんだか、ぐっときてしまった。疲れてるのかもしれない。

*


 ここは八王子の駅前からでもバスで20分ばかりかかる遠さがネックなのだけど、遠いからこそ適度に空いているのだろうとも思うし、S大学があるためかバスの本数自体は多い。良い施設ではあるんだよな…。またバスで駅前に戻った。

金沢散歩 (5)


 兼六園側の石川門からお城に入ってみた。


 「玉泉院丸庭園」、結構なお庭に見えるが、地震の影響で入れなくなっていた。


 本丸跡はまるで森林になっている。明治維新からの150年でここまでの森になってしまったのか?と思ったが、藩政時代の途中からすでに本丸には建物がなくなっていたという話もある


 金沢城はこの20年ばかりでもけっこう再建が進んでいるけれど、こういう古城の趣が残っていて、よい。


 奇妙な印の入った石。