night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

坂本真綾 LIVE TOUR 2023「記憶の図書館」振替公演 @東京ガーデンシアター 1/3

 坂本真綾さんのコンサート。昨年、新譜を出してすぐのライヴツアー中、昨年6月24日・25日の公演が、坂本さんの喉の不調で延期になり、振り替えられたものです。──正月の3日という危険な(?)日付への振替の知らせを受けたときは、チケットを払い戻すかどうか大いに迷ったのだけれど、ええいままよ(?)、なるようになれ、と思って手放さずにホールドし続け、結果的に来場することができてよかったです。

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 会場の東京ガーデンシアターというのは、臨海部の有明ガーデンというショッピングモールのような施設の中にある。新橋から国際展示場駅行きのBRTに乗って「有明テニスの森」で下りた。タワーマンションがずどんずどんと林立している。建物の間に緑地のような空間はあってもそれはそこにいてはいけないファッション緑地であり、決して人にやさしい土地ではないな、と感じながら歩いて行った。

 ぼくの座席は「3F 第1バルコニー」というところ、これ普通の会場なら“2階席”と表現しそうなところの、奥の方だった。すり鉢状の構造で、ステージに向かって自然な角度がついているし、前の列との互い違いに座席が配置されている(これ、意外と大事なことで、古いホールなどを中心に、そうなってない会場ってわりとあるのだ)ので、見やすい会場だった。──おそらくだけど、振替公演の日程がなんと正月の2日・3日になってしまったということで、集客の面ではこれまでにない苦労があったものと察する。プレイガイド(ローチケ)の、「7次プレオーダー先行」なんて文字、初めて見たもんなあ。当日も、空席は若干見られた。

 白い縄のれんのような紗幕の向こう側で、バンドマスターの北川勝利さんのお手振り(それ、要るのかな、とちょっと思った)によるインストからスタート。──ああ、ドラムスが髭白さんじゃないか。茅原実里現場でお世話になりました(?)。

・ないものねだり
・言葉にできない
・こんな日がくるなんて
・discord
・タイムトラベラー
・bitter sweet
・ニコラ
・空中庭園
・体温
・一度きりでいい
・鏡の中で
・宇宙の記憶 (instrumental)
・Anything you wanna be
・Latest Train(堂島孝平への歌詞提供曲)
・トロイメライ
・Private Sky
・マジックナンバー
・菫
・Get No Satisfaction!
・ポケットを空にして


-encore-
・シンガーソングライター

・「6月25日に来るはずだったのにこんな正月から私に呼び出しをくらってしまったみなさん…」というような言及があって、ちょっと笑い。「アルバムの話…は、もういいね? 何の話する? 有馬記念の話?」→笑
・坂本さん、前半は黒のボトムスにシースルーの何かがかかった凝った衣装、後半は白黒ストライプのドレスに、たしか両肩の袖口がピンクかラベンダー色っぽい何かでした(さっぱり表現できない)。どちらも形が凝っていて、なんと言っていいのかさっぱりわからないぞ。
・衣装替え後、会場か「かわいいー!」の声が飛んだのに対して、真顔で「ア? そういうの要らないから私。」と真顔で言ってておかしかったです。うん、さかもっさんらしい(笑)
・Fateの大晦日特番でフランスに行った話をしてて、えー、さかもっさん、あれ出てたの。見ればよかった(Fateのこと一ミリも知らないけど)
・堂島孝平氏への歌詞提供曲のセルフカヴァーを歌うとき、「堂島孝平さんは意外に中二っぽいのが好きなはず」みたいなことを言ってておかしかったですね。
・「中二」で思い出したんだけど、新譜に『タイムトラベラー』という曲がある。コード進行と、シューゲイザーっぽさのあるサウンドが、いかにもというか、このアルバムで一番北川勝利氏っぽさ、中二みを感じる曲だ。でも、その中二みが北川勝利氏のそれだけというわけではなくて、これ、作詞は坂本さんなので(「ぼくとぼくだったものをつなぎとめるひとすじの糸」っていうところに、うわあこの理屈っぽさ、さかもっさんの歌詞だ、って思ったんだよね)、その中二は、さかもっさんの中二でもあるわけで。──この日、この曲の入りで腰に手を当てて立ってるさかもっさんがこれまたソレっぽくて、客席でほくそえんでいた。(?)
・終盤にアップテンポ曲を並べるという構成はありがちではあるけれど、でもやっぱりそういうのはほしいわけで。立ち上がって手拍子。『トロイメライ』『Private Sky』『マジックナンバー』の並びは気持ちいいですね。──『Private Sky』で跳んでる人とか久しぶりに見たな!
・そして、以前はコンサートの最後の恒例だった『ポケットを空にして』の客席との合唱も、コロナの時代を乗り越えて久しぶりに復活しました。
・「ここまでが6月25日に予定していた曲でした」と、アンコールで出てきてくれたさかもっさんは、『シンガーソングライター』で締めくくってくれました。──ぼく、この曲好きです。「雨にも風にもときどき負けて、力をつける音楽」。コード進行が狂っていくようなところもね。