night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

坂本真綾さん朗読&ミニライヴ @イーハトーブ・フェスティバル2018 8/26

 8月26日(日曜)、朝9時過ぎに上野駅に現れました。


 特急列車がほとんど出入りしなくなった、上野駅の地平ホーム。常磐線の『ひたち』まで品川に行っちゃうようになったからね。


 東北新幹線に乗るときは、東京駅ではなく上野駅から乗るのが好き。喫茶店で一休みしてから乗り換え改札を入って、お弁当とビールとおみやげを買って、地下に下りる。

 というわけで上野発9時46分、『やまびこ45号』盛岡行きに乗車。ほとんどの場合いつでも好きなタイミングで乗れる東海道新幹線と違い、東北新幹線は、特に仙台以北に行くのに乗りたい列車に乗るには、どうしても1時間に1本程度にならざるを得ません。ですがこの日は、上野に来る途中に新宿駅指定席券売機で適当に指定席を取れました。──通路側C席でしたが、隣には二人組がいて、ちょっと窮屈だったものの、彼らは郡山で下りるらしいことが見て取れたので、1時間ばかりやり過ごし、郡山から少し身体を伸ばして、駅弁とビールを開けることにしました。上野で買った駅弁は、“石狩鮭めし”。


 この日は残念ながら、北に行くほど天気が悪く…。ときおり窓に流れる雨を眺めながら、12時41分に新花巻に着きました。迎えに来てくれた家族と合流。天気はやはり、雨が降ったり止んだりという感じのようです。

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 花巻に来たのは、坂本真綾さんが朗読&ミニライヴをするというイヴェントのため。会場は、新幹線の新花巻駅に近い、「宮沢賢治童話村」です。

花巻市>イーハトーブフェスティバル2018


 このイヴェント、ミュージシャンのパフォーマンスと、アニメ―ション関連の文化人(?)のトークと、映画の上映、というスタイルのよう。坂本さんは2014年にも出演していて、そのときにもぼくは花巻に遠征しましたが、あのときは10月の三連休で、すでに夕方などは肌寒かった覚えがあります。今年は川井郁子さんが出演しているなど、無料のイヴェントなのにゲスト陣がどうにも豪華。今年は、客席の最前エリアは朝から整理券を配布したりしていたようですが、そこに朝いちから並ぶほどの気概は、さすがにぼくにはありません。──雨が降ったり止んだりで、制作会社のSAPのスタッフがビニールの雨合羽を配布したりしていましたが、ビニールを着込むと、蒸し暑いのです。スタートしても雨が降ってくるようなら後方のテントエリアに逃げなくちゃいけないかなあ、と思いつつ、ですが、わりと直前まで雨が降っていたのに、坂本さんの出番が始まったら、雨が止んで、陽まで射してきたのには驚きました。

 16時からスタート。まず、馴れ馴れしい口調の男性司会者が登場し、どこから来たんですか、坂本さん目当てですか、などと観客をイジってから、茶色っぽいチェックのワンピースドレスの坂本さんが登場。今回はキーボードの河野伸さんがサポートです。──『星めぐりのうた』『おかえりなさい』に続けて、前回のイーハトーブ・フェスティバルですれ違い(?)、今年亡くなった高畑勲監督に触れて、高畑さんがアニメ化したいという構想があったそうです、宮沢賢治の『鹿踊りのはじまり』という珍しい作品を朗読しました。

 この作品、鹿が岩手弁でしゃべりまくるというもので、その岩手弁を東京育ちの坂本さんがうまく演じていたのですが、正直なところぼくは、その岩手弁の会話の意味があまりつかめず、話の筋がよくわからなかったのですね。でもところどころ、鹿たちがぴょーんぴょーんと跳びまわっているような(?)場面があって、…ああなるほど、高畑さんがアニメ化したかったと。『ぽんぽこ』的な感じを想像したりしていました。

 ──坂本さんの朗読の岩手弁について、あとで、岩手ネイティヴの家族に訊いたところ、「よかったのでは。…まあ宮沢賢治の作品の岩手弁って、必ずしも岩手の言葉そのままじゃないし。」というような反応でした。(なんとなくニュアンスを十分にはつかみにくい反応ですが、本当の話し言葉をそのまま文字にすることなんて賢治でも不可能なのでしょうし、文字になった時点でもうそれは“賢治の世界の言葉”だ、ということなのかもしれませんね。)

 『僕たちが恋をする理由』のあと、2本目の朗読は『よだかの星』でした。これは、緊張感ありましたね…。聴いていてちょっと息が詰まるようで、終わってちょっとどっと疲れました。よい朗読でしたね。冒頭、坂本さんが、中学生のときに読んでビリビリ来たんです、といったことを話していましたが、なんとなく、坂本さんらしいエピソードだな、と思ったりしました。──最後は『ユニバース』でしたが、『よだかの星』に続けて『ユニバース』を聴くと、妙に歌詞がリンクして、胸に迫るものがありました。

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 この日は、お酒を飲んでごはんを食べて、北上まで送ってもらって、安定のビジネスホテルに宿泊。


 鬼剣舞を見たよ。