night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

9月の日々(かこさとし展、イサム・ノグチ展)

 9月8日(土曜)、南武線武蔵中原駅から歩き始めた。──途中、奇妙な寺が…

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 「まんが寺」だそうだ。内部の見学は予約が必要とのこと。

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 神社と一体になった境内、静かでよいところであった。

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▼「かこさとしのひみつ展」@川崎市民ミュージアム

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 等々力緑地川崎市民ミュージアムでは、「かこさとしのひみつ展」を開催中。絵本作家のかこさとしさんは、今年亡くなったそうだ。──かこさんは、理工系の学生だった戦後の川崎で、「セツルメント」と呼ばれる社会扶助のヴォランティア運動に参加して、子供たちに向けて紙芝居などを作り始めたそうだ。初めて聞く言葉だが、近くの老婦人が「セツルメントですって、覚えてる? わたし、看護学生の頃にね…」と会話しているのが聞こえてきた。

 かこさんの絵本でぼくが記憶に残っているのは、『かわ』。山間に発した小さな流れは、山間の村や町の暮らしを見ながら、大きな川となっていき、大都市に出て、工場や飛行場が現れる。この絵本の原画を見られて、昭和三十年代の美しい山村、森林軌道と林業の人たち、牧場で遊ぶ子供たち、水田で腰を折って田植えをする人たち、湖で小舟から網を投げる漁師、未舗装の道にボンネットバスが走る小さな町、YS-11が飛ぶ飛行場、…そのどれもが、今はもう貴重な記録なのかもしれない、と思えてならなかった。最後のページは一面に青い海。懐かしかった。ぼくの地理好き・旅行好きの、原点にある絵本だろうと思う。──絵本を買って帰ろうかと思ったが、グッズ売り場の絵本の物販は大盛況で、会期の終わり頃だったせいか、ほとんど在庫がなくなっていた。

川崎市民ミュージアム>かこさとしのひみつ展 ─だるまちゃんとさがしにいこう─

 別のコーナーでは、ロシアのプロパガンダ・アートの、こんな展示も。
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▼「イサム・ノグチ」@東京オペラシティ アートギャラリー

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 武蔵中原から登戸まで戻り、小田急で参宮橋まで行って、初台へ。オペラシティギャラリーでイサム・ノグチの展示を見た。イサム・ノグチという人の実態をあまり知らないのだが、戦前から米国で工業デザイナーとして活動していたということを知る(当時すでにプラスティックで成形された家電があったりして米国という国はすごいなと思わざるを得ない)。『北京ドローイング』という、水墨画のような人物像は20代のときのものだそうだ。高松にあるイサム・ノグチ庭園美術館の映像などが流れていて、行ってみたいと思うが、ここは完全予約制でふらりと行くことができないんだよね。──三田の「萬來舎」は今はもうないのだと思うが、学生の時も近寄ったことがないのは、惜しいことをした、と思う。

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東京オペラシティアートギャラリー>イサム・ノグチ ─彫刻から身体・庭へ─