night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

12/17(日)静嘉堂文庫美術館

 三菱財閥のコレクションを保有している静嘉堂文庫は、世田谷の砧にあった美術館が、1年前に丸の内の明治生命館に移転した。すごいところを美術館に使うんだな、と思ったものだが、移転してから初めて訪れた。

静嘉堂文庫美術館

 『二つの頂 宋磁と清朝官窯』という展示をやっていて、陶磁器のよいのがたくさん出ていた。


 よい青磁!


 古代の青銅器を陶磁で表現している感じかしら


 絶妙な錆色だ…



 こういう、まるでガラスみたいな清朝陶磁、本当にきれいなんだよなあ




 ひとまわりして出てきたのだけど、…あれ? 静嘉堂文庫が誇る国宝の、曜変天目を、見なかったぞ? 出ていたらしいのだけど。──そういえば、一部屋、見ないまま出てきてしまった気がする。。。なんということを。。。

NHK交響楽団定期公演(第1997回/Aプログラム)@ NHKホール 11/26

 N響定期に来るのも、NHKホールに来るのも、2018年の11月以来、5年ぶり。NHKホールが改修工事していたのは2021年度のことだったっけ。。。


 あまりよく知らないけど、放送センター自体も建て替え工事をしているんだよね。どこかに移転させられるとか取り沙汰されていた時期もあったけど、結局この土地で建て替えることになったようだ。ここはわりと潤沢な敷地があってよかったよね

 さて、今日のN響定期は、ロシアの御大、ウラディーミル・フェドセーエフが来日してプログラムが組まれていたので、チケットを買っていたのだった。しかし、10日ほど前にN響から来たメールを見ると、“体調不良のため来日見合わせ”とのこと。

NHK交響楽団>【指揮者変更】ウラディーミル・フェドセーエフ指揮 11月公演について

 フェドセーエフ、もう91歳だし、もはや貴重な機会と思って、期待していたのだけど…。代演はN響指揮研究員の二人、「出演者変更による払い戻しは行いません」ということで、これは非難を浴びるやつだろうな…、とは思ったけれど、ついったーをやらなくなっているので、そういうのをわざわざ検索して見に行ったりしなくなっているのは、良いことなのかもしれない。自分が聴きに行こうと思うなら行けばいいし、やめようと思うなら行かなければいい、それだけのことだ。──おそらく、来なかった人はそれなりにいたと思われ、ぼくの席の隣も数席空いていた。

・スヴィリドフ:小三部作〇
・プロコフィエフ:歌劇「戦争と平和」-「ワルツ」(第2場)〇
・A. ルビンシテイン:歌劇「悪魔」のバレエ音楽-「少女たちの踊り」〇
・グリンカ:歌劇「イワン・スサーニン」-「クラコーヴィアク」〇
・リムスキー・コルサコフ:歌劇「雪娘」組曲〇
・チャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」●
指揮:平石章人〇/湯川紘惠●

 前半は、神秘的な森の中にいるようなスヴィリドフの曲など、面白い曲が並んだんだけど、なぜかしら演奏はわりと落ち着きのない感じだったかな、と。後半はもう少しかちっとはまる感じが出てた。たぶん湯川さんのほうが経験豊富なのではないかな。2階席からは表情はうかがえなかったけど力が抜けているように思った。

 N響定期、カーテンコールに限り撮影可なんですって。そういうことを始めたのね。撮ってみたけど、


 こういう、N響アワーみたいな写真が撮れるんだけど、ベストなタイミングっていうのは難しいよね

 あと、N響定期のNHKホールで、ホワイエでのドリンク販売がなくなっていて、ビールとかワインとか出なくなっているというのは、ちょっと驚いた。自動販売機のソフトドリンクしかない。この国はだんだん余裕が失われていくね…。

「大巻伸嗣 真空のゆらぎ」@国立新美術館 11/24

 イヴ・サンローラン展を見てから帰ろうとしたところ、大規模な現代アートの個展をやっているのを知って、入ってみた。しかも無料だという大盤振る舞い。

国立新美術館>大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ


 風によって薄いヴェールが揺れ動く、大掛かりなインスタレーション。


 夜の海に立っているような恐ろしさを感じる

イヴ・サンローラン展 @国立新美術館 11/24

 キュビスム展はよかったんだけど、人が多すぎてちょっと辟易した。なんとなく物足りなかったので帰りの地下鉄を乃木坂で下りて、国立新美術館に立ち寄った。

国立新美術館イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル


 広い展示室にたくさんのマネキンが並ぶ光景はなかなか圧巻だったのだけど、どれも、モデルの体型が独特すぎるのではないか、と思えてならなかった。ものすごく、細くて薄い。いまのような多様性の時代には合わないスタイルなのではないかな、と思った。

キュビスム展 @国立西洋美術館 11/24

国立西洋美術館パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ

 とても混んでいたし、若い人が多かったのが意外だった。


 ピカソでもこういう抑制的なのがぼくは好きかも。『女性の肖像』


 ドローネーという名前を聞いたのはもしかしたら初めてだったかも。ロベール・ドローネーの『パリ市』。三美神っていう伝統的な画題を骨抜きにしてみました、みたいな感じ?


 これはその奥さんのソニア・ドローネーという人の作品。こういう、やたらポップな色づかいの作品がいくつか並んでいる


 フランティシェク・クプカ『色彩の構成』


 シャガールの作品が5点出ていた。わりとハードコアなシャガールだね


 ピカソ『輪を持つ少女』


 人物像であることはなんとなくわかるのだけど、(階段のような刻み目のせいだろうけど)建築の模型かと思ってしまった

「京都・南山城の仏像」@東京国立博物館 11/12

 南山城(みなみやましろ)、京都と奈良の間あたりだけど、ぼくは以前にあのあたりの山の中を歩いて、平安時代の浄土庭園が今に残る“浄瑠璃寺”というお寺を訪れて、たいそう感動したことがある。そのお寺の阿弥陀堂には、そこには大きな阿弥陀像が9体並んでいるのだけど、あくまで仏様のための建屋であって人が日常的にお参りするようなところではないそうで、建物の造りも独特なのだった。「九体阿弥陀」といい、平安時代にはそういう信仰の形があったのだそうだが、今に残っているのはそこが唯一だということだ。


東京国立博物館>浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」

 会期の最終日に足を運べてよかった。その「九体阿弥陀」の修理完成記念の展示で、1体が展示されている。


 また、海住山寺(かいじゅうせんじ)の十一面観音も、とてもよいお顔の仏さまであった。

「永遠の都ローマ展」@東京都美術館 11/12


東京都美術館永遠の都ローマ展

 展示の最初にばーんと出てくるのが、ロムルスとレムスが乳を飲んでいる狼の像(『カピトリーノの牝狼』)で、おお、すごいものが来たのね!と思ったけど、さすがに20世紀の複製だそうだ。それに、あれってロムルスとレムスの兄弟は後世の補作なんですって。へえ。──いきなり大足が現れる部屋はちょっと面白かった。『コンスタンティヌス大帝の巨像』というのが、頭部だけでも1.8mもあるのだそうで、頭部のレプリカ、左手のレプリカ、左足のレプリカが来ている。まるで大仏のようだが、しかしこういうものは大きくなればなるほどありがたみ(?)は薄れるのではないかと思うのだけど、どうだろうか。



 ローマのトラヤヌスの記念柱の周囲のレリーフの複製。複製と言えど1861~1862年に取られた石膏複製だそうで、もしかしたら博物館に収蔵されているこれのほうが劣化しないし昔の姿を残していくことになるのかもしれない。ダキア戦争の場面を写したものだそうだ


 ジョヴァンニ・フランチェスコ・ロマネッリの、『聖女カエキリア』の、衣の青色に目を奪われた


 『カピトリーノのヴィーナス』。2世紀の大理石像がほぼ完全な姿で残っているのね…

「インド細密画」@府中市美術館 11/5

 この展示、気になっていたのだけどずっと忙しくて紛れていたら、あっという間に会期の終わり近くになってしまった。混んでるのではないかな、と思いながら府中まで足を延ばしたら、特に混んでいるわけでもなく、小さな画面もじっくり見ることができた。


府中市美術館インド細密画

 展示の中心は、18世紀から19世紀の「ラージプト絵画」や「ムガル絵画」ということで、それぞれどういう特徴があるのかとかはあまりよくわからなかったのだけど。肖像に描かれるのはやはり貴族など高位の人たちで、インドの貴族っていうと、要するに日本でいう大名とか、欧州の諸侯みたいな立場の人たちだと思うのだが、男性の肖像は、片手に花を持つのが定番の構図で、美を愛することの象徴なのだそうだ。武張った感じじゃないんだね。──インドの神話の知識もないので、『ラーマーヤナ』の解説パネルを読んで面白いなと思ったけど、えっ、ハッピーエンドじゃないの? シヴィアだな、なんて。驚いたのは、インド神話ではブッダも“ヴィシュヌの9番目の化身”とされているのだそうで、“ヒンドゥー教では、ブッダは仏教という誤った教えを魔神に広め、正しい教えから悪を遠ざけるために生まれたとされる”という説明に、そっ、それは…と。

「myTimeline」の仕様(8/28時点)

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 「俺のついったー」の話の続きで、夏にやっていた開発の話。

 今年の5月に作った、Googleフォームとスプレッドシート、そしてGoogle Apps Script(GAS)で構成された、俺の短文ブログ自動投稿システム(「myTimeline」)は、さらに進化して、入力と参照の機能をスマホアプリ化した。7月にGoogle AppSheetでpovoのプロモコード管理アプリを作った流れで、こちらもアプリ化したいという野望が出てきて、8月中旬からぷちぷちと作っていて、8月28日に完成した。

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 Google AppSheetで作ったアプリ。PCのブラウザからも使用できる。投稿は一応、過去2か月分をここに表示するようにしている。ただし、Google AppSheetではHTMLタグが使用できないので、iframeなどでの他サイトの埋め込みは機能しない。


 投稿フォーム。本文と添付画像(任意)を投稿できる。


 投稿1件の詳細ビュー。

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 AppSheetでこのアプリを作るにあたって一番悩んだのは、意外にも「投稿にタイムスタンプをつけること」だった。──やりたいことは、

  • 投稿時に、テーブルの[タイムスタンプ]カラムに、投稿時刻を登録したい
  • アプリ側の投稿フォームでは、時刻を、表示したくもないし入力させたくもない

 そんなに難しいこととは思わなかったのだが、これがなかなかできなかった。「投稿した時刻」ではなく「投稿フォームを開いた時刻」が登録されてしまうなど、苦労した挙句、一度は、アプリ側から時刻を渡すのではなく、サーバ側(GAS)で、シートの変更トリガで最終行に現在時刻を追加するというムリヤリな方法で実現してみたが、どうしてもラグが出てしまうし、シートの変更時というトリガは不用意にテーブルを触れなくなる危険があってよろしくない。

 最終的には以下の方法で実現できた。

  • Data画面で、[タイムスタンプ]カラムの、
    • データの型を、"DateTime" ではなく "ChangeTimeStamp" にする
    • "Reset on edit?" のチェックつける
    • "INITIAL VALUE" は "=NOW()" にする
  • フォームのViews画面で、"Column order" を、自動設定のままじゃなくて必要なカラムを並べたうえで、[タイムスタンプ]カラムを削除する

 また、投稿時に添付した画像は従来と同じくGoogleドライブに格納される。画像ははてなフォトライフに連携したいので、それにはGoogleドライブ上のファイルIDが必要になる。Googleフォームからの投稿の場合はテーブルにはURLが登録されたのでファイルIDが簡単に取得できたが、AppSheetからの場合は「[フォルダ名]/[ファイル名]」という形で登録されるという違いがあった。このため、GASで、Googleドライブの特定のフォルダからファイル一覧を取得してファイル名からファイルIDを取得し、さらにはてなフォトライフに連携するまでの処理が、投稿時に自動で動くようにした。

 こういった細かい開発を経て、使い勝手のよい「俺のついったー」ができあがった。──ただ、使ってみて感じた制約として、「アプリ上で投稿の削除ができない」という点がある。したくなる頻度は少ないし、テーブル自体を編集してしまえばなんとでもなるのだが、AppSheetでできると思うんだけどなぜかうまくいかないんだよな。もう一度テーブル構成も考え直して、作り直しをしたい気もするけど、いったんこの開発はこれで一段落にしたい。

「やまと絵」@東京国立博物館 10/19


東京国立博物館特別展「やまと絵」 受け継がれる王朝の美

 日本の伝統的絵画って、知識のほとんどない分野なのだけど、…行ってみたら驚いた。国宝だらけの展示なのだ。そのわりにそれほど話題になっていないような? ──伴大納言絵詞と鳥獣戯画甲巻が並んで展示されてたのにはもう、すごいなこれは、と思ってしまった。ぼくは鳥獣戯画の本物を見たのは実は初めてだったと思う。高山寺で見たのもレプリカだし、これまでの鳥獣戯画展はどれも、まともに見られなかったりチケットを買えなかったりしたし。

 伴大納言絵詞、これは、ぼくはなにかの展示で一度見たことあると思うけど、迫力あるよね。で、応天門が燃えたあとに出てくる後ろ姿の謎の男、あの人の存在は有名らしく、周りでも「これが誰なんだろうって人ね~」のような会話が聞こえた。そのほかにも、信貴山縁起や源氏物語絵巻などの大物が出ていた。これ、知識があればもっと楽しめるんだろうなあ。