night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「町田市立博物館最終展」 4/20 (1)

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宋代の青磁に花が活けてある!

 町田市立博物館が再来月に閉館するということで、「最終展」が始まった。ガラスや陶磁器などの工芸品のコレクションに定評があり、子供のころに見た中国ガラスの展示は記憶に残っている。だが、施設も狭く古く、そのコレクションを活用できていたとは言い難いのが実態だった。“国際工芸美術館”が2024年度に開館予定だということだが、どうなることか、…と思っている。

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青野武市、岩田久利のガラス作品

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16世紀末~17世紀初期のヴェネツィアングラス

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金箔が挟み込まれた、18世紀のボヘミアングラス

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19世紀ドイツのゴブレット

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明治期のデカンタとグラス

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乾隆年間のガラス器

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中国ガラスは磁器のように不透明なものが多い。

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清朝のガラスの鼻煙壺たち。鼻煙壺(びえんこ)とはかぎ煙草入れのこと。

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清朝の被せ(きせ)ガラス。不透明なガラスを重ねてあるもので、これは本当にすばらしい。

「近代ガラスデザインの先駆者 淡島雅吉」@町田市立博物館4/7

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 淡島雅吉氏(1913~1979)とは、昭和の日本を代表するガラス作家の1人で、保谷クリスタル硝子製造所(今の光学機器のHOYAですね)などで活動した、ガラスデザイナーの草分け的な存在だそうです。

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 “しづくガラス”という、凸凹を見せるガラス。

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 可憐です。ステムがねじり巻かれたグラスは、バレリーナの脚がモチーフになっている、という解説が。

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 鉄と組み合わされた、ちょっと異様な作品も。

IDS! EVENT 15th Anniversary SPECIAL “The End Of The Winter”@河口湖ステラシアター3/31

 坂本真綾さんのファンクラブイヴェントです。河口湖ステラシアターで、3/30と3/31の土・日に開催されました。ぼくは友人を誘って、3/31(日)、坂本さんのお誕生日公演に参加。

 八王子で友人と落ち合い、各駅停車でゆるゆると大月へ、そして混雑した富士急行線に立つころ1時間、河口湖に到着。──富士急行線の車内からも富士山がよく見えました。富士急行の各駅は、すでに雪こそないもののまだホームに除雪機が置いてあり、桜もまだ、いまひとつな感じだったかな。下吉田では、外国人観光客がホームを埋めていてびっくり。車内のアナウンスでも「下吉田、忠霊塔パゴダ・ステーション」と案内します。外国人に人気だと話には聞いていましたが、こんなに多いとは知りませんでした。

*

 河口湖駅からは公演用シャトルバスが出ていて、観光客の行列と相まって河口湖駅前は混雑していましたが、ぼくにとっては、河口湖ステラシアターは、夏の某ライヴで10年通っている会場なので、駅からは全然「歩く距離」として認識しており、今回もなんの躊躇もなく(笑)歩き始めました。途中でラーメンを食べたりしながら、ステラシアターへ。

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 よい天気で、富士山がくっきり。夏に来ると富士山は意外と見えない、という印象があるので、ちょっとうれしくなります。この船津のファミリーマート、夏にも毎年立ち寄っています。

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 河口湖ステラシアター。出店であったかいうどんがあると聞いていたが、すでに売り切れていた。

 ぼくの座席は2Eブロック。東京は桜も咲いていましたが、しかし、ここは河口湖です。気温は低め。この点、坂本さんサイドはかなり気にしていたようで、入場者に「特製ブランケット」を配布するという告知がありましたし、坂本さんのファンクラブメールでも繰り返し注意喚起されていました。ぼくも真冬のオーヴァーコートを着込んできていました。前日も寒かったという感想をTwitterでだいぶ目にしていたのですが、その前日よりも今日の方が体感は冷たい、とのこと。客席も、見た感じちゃんと着込んだ人が多かったですね。配られたブランケットは、公演ロゴデザインの、かなりしっかりした厚みのあるもので、その品質に感心。さらに、配られた袋には、ホッカイロが2個(貼るタイプとふつうのタイプ)も同封されている、という至れり尽くせりの構えです。──開演前に、ブランケットを顔の下までぐるぐる巻いて、低い声で「勢力を拡大する秘密結社ブランケット…」と、…すいません言いたいだけでした(笑)。

*

 ギターのつまびきからスタート。エメラルドグリーンのロングコート?の坂本さんが登場しました。石成さんのギター、『Sayonara Santa』でのカッティングがかっこいいです。──この日は坂本さんのお誕生日。最初のMCで、この寒いのに河口湖まで呼ばれたら祝いに来るみなさん…とか煽られましたが(笑)、…「あれやっときますか、せーの、」と自ら主導して早口の「ハッピーバースデー」を歌ってしまうところ、同じようなことは以前にもありましたが、サプライズバースデーみたいな演出を嫌う坂本さんらしいなと。バースデーライヴとかやってるけど本人は恥ずかしいのだ、とのことです。(^^

 今回のイヴェントに向けて、大丈夫でしょう~という雰囲気の東京のスタッフに対して、ビクターの山中湖スタジオの体験がある坂本さんは、寒さをなめるな?!と突っ込んでいたそうです(山中湖スタジオのレコーディングブースにカマドウマがいて…という思い出も語っていましたね)。「できるだけ大きなブランケットにしてもらった。もうお母さん心配で。」、「準備してきてって言ったでしょ、これで寒いって言うなら自己責任だから。」と言う坂本さんに笑ってしまいましたが、結局、公演中も身に凍みる寒さに悩まされたのは事実でした。とは言え、以前に経験した雨の日比谷野音よりは、全然マシでしたが…。

 可動屋根がある河口湖ステラシアターですが、結局、終盤まで屋根が開くことはありませんでした。閉めた方が陽が射さなくて寒いのか、開けた方が風が通って寒いのか、どちらがよかったのかはよくわかりませんね。基本、座って聴くスタイルになりましたが(そのせいで余計に寒かったのですが)、終盤(『なりたい』以降)には坂本さんは観客を立たせてしまいました。立って手拍子してたほうが寒さが紛れましたね。

*

・Driving in the silence
・Sayonara Santa
・(MC)
・冬ですか
・木登りと赤いスカート
・真昼が雪
・(MC)
・みずうみ
・孤独
・03
・カザミドリ
・(MC)
・紅茶
・レコード
・a happy ending
・(MC)
・なりたい
・ボクらの歴史
・CLEAR
・(MC)
・誓い
・シンガーソングライター

 アルバム曲ばかりが並ぶ、通向け(?)のセットリストでしたね。『孤独』に涙し、『03』のイントロが入ったところは鳥肌ものでしたね。ただ、坂本さん、相変わらず、若干、歌詞があいまいな…。『誓い』の核心的なところでそれは…なんて思ったり。(^^;

・パーカッションは、べつの現場で「チョーさん」としてお見かけする福長雅夫さん。「ふくながさんですが、みんなふくちょーさんと呼びます」と坂本さんの紹介でした。華麗なスティックまわしを披露。

・坂本さん、近々次のシングルを出すという告知もありました。30枚目のシングルになるとのこと。25年やって来て30枚というのは多いのか少ないのかわからない、とのことでしたが。

*

 最後には可動屋根と舞台後ろが開き、きれいな西陽富士が見えて、後ろの庭から花火が上がりました。とは言え、二階席からは花火は見えづらかったのですが、これもまあ、想定の範囲内…。ただ、花火がどのくらい続くのかよくわからず歓声も拍手も下火になりかけてしまう(なにより、寒いし…)観客に対して、ステージから見上げている坂本さんが、「さっきのは一回目のサビです」「二回目のサビ来ました」「大サビです」とか解説しているのが面白かったですね。前日は雨で、屋根の開放も花火もなかったとのことです。

 終演したのは18時ほぼぴったりでした。事前に、公演時間は約2時間、と告知されていましたし、暗くなるより前に終わらせることも寒さ対策の一つだったのでしょう。こちらとしても、このくらいに終わってくれると帰りの交通機関が安心なので、気が楽です。大行列のシャトルバスには乗らずに、歩いて河口湖駅へ。19時05分の富士急行線に座れましたが、終演後第一陣くらいのシャトルバス勢も結局この列車になったらしく、大混雑になっていました。

 大月乗換えで八王子まで戻り、寿司屋で友人と打ち上げして、解散。地元まで帰ってくると寒さも和らいで、まさに冬の終わり(?)。

3/22(金)浜通り、常磐線代行バス

 翌朝、早起きして仙台駅に向かった。風が強く吹く中、通勤客に混じって駅に入る。8時13分発の常磐線普通列車原ノ町行きに乗った。利府から走ってきた列車は6両編成で、たくさんの通勤客を吐き出して、車内はだいぶ空き、ボックスシートに座れたが、急いで出てきたため、仙台土産を何一つ買っていないことに気づいて、車内で後悔することになった。

*

 常磐線は、東京から、仙台の手前の岩沼までを、海岸沿いに通る路線で、いわきより北はローカル線のようになっているとは言え、かつては上野から仙台まで直通する特急『スーパーひたち』も走っていた。2011年以来、津波で被災した区間は、新線に付け替えたところを含めてすでに開通しているものの、原発事故のために今でも開通できない区間が存在する。“帰還困難区域”に含まれる不通区間は、いま(2019年3月現在)では、浪江より南、富岡より北、が該当する。──だが、この“帰還困難区域”は、立入りは禁止だが、国道6号線の通過交通は認められており、浪江と富岡の間にはJRの代行バスがあって、1日に5本走っている。

東日本旅客鉄道水戸支社>東日本大震災による列車影響と運転見込みについて
JR常磐線(富岡駅~浪江駅「一部原ノ町駅」間)・列車代行バス時刻表(平成30年4月1日~)【PDF】

 岩沼で東北本線から分かれて、単線の細い線路に進む。亘理でしばらく停車していたので、対向列車が来るのかと思ったら、来ないまま発車した。仙台方面のホームにはたくさんの客が待っている。どうやら、下り列車が遅れているらしい。その先の浜吉田で遅れている対向列車と交換したが、こちらの列車もその先で、強風のため徐行運転を始めた。

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 山下付近は、津波で被災して、内陸に線路を移設して再開したところだ。

 強風で、造成中の海岸沿いは、もうもうと砂塵が舞っている。この列車は定刻では9時36分に原ノ町に着き、9時52分発の浪江行きに接続する。列車が大幅に遅延した場合、原ノ町では接続すると思われるが、浪江で乗ろうとしている10時30分の代行バスは、列車との接続はしないと明言されていることから、乗継ぎに失敗した場合、浪江で6時間待ちになってしまう。もちろん、浪江より北の常磐線と、富岡への代行バス以外の交通機関が、この地域にあるはずもない。──最悪、浪江から仙台に戻ることになる可能性もあるな、と考えながら、原ノ町に着いたのは15分遅れだった。

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 原ノ町はこのあたりの中心地で、自治体でいうと福島県南相馬市だが、昔は原町市という名前だった。間髪入れずに浪江行きの区間列車に乗り込むと、すぐに発車した。仙台から乗ってきた列車は新しめのE721系だったが、こちらは一昔前の719系だった。型落ちしたような感じで、末端区間なんだなあ、と思ってしまうが、それでも4両編成だ。ローカル線で4両は多い。

 10時11分、ほぼ定刻で浪江に着いた。

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 8年間、ここより南には列車が走っていない。

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 ここの避難指示が解除されて常磐線が再開したのは2017年4月のことである。だが、ここまでの車窓にも、駅前にも、人が多く住んでいるような雰囲気は感じられない。乗ってきた乗客は、ほとんどが、手持ちぶさたそうに代行バスを待つ。

 駅前にはレンタカー業者が看板やノボリを立てている。見ると、富岡までの片道利用可、等と書いてある。学生くらいの若い人のグループがレンタカーから降りて、手続きを済ませて駅に入っていくのも見えた。帰還困難区域の通過交通の手段のひとつとして使われているらしい。小さいながらもそういう需要があり、そういう営業が成立する、ということに、なるほど、と思う。このあとも、仙台に遊びに行った帰りなのか、学生のカップルが、楽しそうに仙台のことをおしゃべりしながら代行バスに乗っていた。

*

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 10時30分の代行バスがやってきた。“浜通り交通株式会社”と書いてある。委託運行なのだろう。JRの乗車券を見せて乗り込んだ。ぼくの切符は、何年かぶりに使う、青春18きっぷである。*1 ──海側の座席に座った。浪江駅の、おそらく助役が、運転士と添乗の女性に挨拶して会話を交わし、代行バスの発車を、直立して見送っていた。

 添乗の女性から、高線量地域を通過するため窓を開けてはならない、と指示がある。浪江の町内は、無人になった店舗と、新しく建った住宅が、まばらに入り混じっている。国道6号線に出ると、交通量は意外に多い。浪江寄りではロードサイドのパチンコ店や葬儀場などに、“前田建設工業”だったり、安藤ハザマ・なんとかJV、などの、建設会社の看板が取り付けられているのが目についた。そういった、大きめの鉄骨の建物で、残っていて使えるものが、建設業者の事務所や詰所として使用されているらしい。これもある意味で“非常時”の様態のひとつなのかも知れない、などと思う。

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 大熊や双葉は、脇道や、国道沿いの建物などは、すべて鉄柵で封鎖されている。荒れ果てたファミリーマートや、草むした駐車場の向こうの廃墟などを見ながら、代行バスは進む。──国道6号線は、福島第一原子力発電所からは少なくとも1km以上離れており、原発が直接見えるわけではない。だが、一か所、遠くの方に、巨大なクレーンが林立している場所があり、息を呑んだ。おそらくそこだったのだと思う。

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 このとき撮った写真は、帰ってからよく見たら、特徴的な3本の排気筒がしっかり写っていた。

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 30分で富岡に着いた。駅舎も、駅前のロータリーも真新しい。

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 ここも、不通区間に向かう線路は、工事中。だが、除染と復旧の工事が、実はすでに8割がた進んでおり、2020年3月末には開通する予定だということだ。本当だろうか、と思うのだけれど…。

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 線路の反対側は、造成中の更地の向こうに、青い水平線が見えた。相変わらず風が強い。

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 ここからは11時28分発のいわき行きの普通列車がある。だが、ここから南も、強風のため列車が止まったりしているらしく、遅れてきた列車が遅れて発車した。

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 富岡発いわき行きの普通列車が、これ。地震のあとまで『スーパーひたち』として走っていた特急用列車が、普通列車として使われているのだ。こんなところでこれに出会うとは思わなかったので驚いた。──木戸からJRの建設部門のような人たちが乗り込んできた。遅れていたので間に合いました、いまJヴィレッジ通過しました、なんて電話で連絡している。そういえばJヴィレッジ駅がもうすぐできるらしい。

*

 いわきに着いたのは20分ほど遅れた、12時半頃だった。ここまで来ると大きなデパートなどもあって、だいぶ都会のようだ。──青春18きっぷなので、ここから普通列車を乗り継いで帰京してもよいのだが、なんとなく、疲れたので、特急列車で帰ることにした。駅ビルのドトールコーヒーで休憩したあと、乗車券と特急券を買って、13時23分の『ひたち16号』品川行きに乗った。

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 全車指定席になった常磐線の新しい特急列車に乗るのは初めてだ。座席の上のランプが緑色になっている。指定席が売れている座席は緑、赤のランプは空席を示し、“座席未指定券”の客はそこに座れ、という制度になっている。黄色いランプは、“もうすぐ指定券を持った客が乗ってくる”という意味だそうだが、この“もうすぐ”というのがどの程度の“もうすぐ”なのか、よくわからない。見ていると、いわき発車時点からずっと黄色だった席に、客が乗ってきたのが日立だった、というケースもあった。

 帰還困難区域を通り抜けてきた、とは言っても、公共交通機関に運ばれていただけなのだが、それなりに濃い体験だった。そのせいか、高萩にも気付かず、勝田から寝てしまい、ずっとうとうとしながら東京に帰ってきた。東京駅や品川まで行ってもしかたがないので上野で降りた。──上野に着いたのは15時35分。

*1:以前から、この常磐線の不通区間を通りたいと思っていたが、この区間を含む普通乗車券を窓口で買うのには、要らぬ説明ややり取りを要するのではないかと思い、青春18きっぷのシーズンにしよう、と思っていたのだった。

3/21(木)多賀城、遠の朝廷

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 山形から13時55分の仙山線の快速仙台行きに乗る。山形と仙台を結ぶ都市間路線のはずだが、寥々として空いている。そもそも列車も1時間に1本程度しかない。もっとテコ入れできそうなのに…と思ったが、乗ってみるとわかった。すごい山岳路線なのである。維持するだけで大変なのだろう。岩の上に立石寺を見晴るかし、面白山高原という変な名前の駅を過ぎて、仙台の郊外に下りていく路線だった。

 仙台では間髪入れずに石巻行きの快速に乗り換える。これは仙石東北ラインという、震災後に建設された東北本線仙石線をつなぐ線路を通る列車だが、仙台を出てすぐの国府多賀城駅で降りた。

 国府多賀城駅というのは新しい駅で、仙石線多賀城駅ではなく東北本線の駅である。プレハブのような簡素なプラットフォームに跨線橋の駅舎があるが、それに接して、黒っぽい大きな建物がある。

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東北歴史博物館

 宮城県立の博物館だ。ここを一回りした。

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 古代の豪族の墓の模型だそうだ。人ひとりの身長に比して不自然なほどの長い横穴を掘り、多くの副葬品。“人にはどれだけの土地がいるか”への、ひとつの答えだろうか…

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 しかし、藤原秀衡北畠顕家も、伊達政宗さえも出てこない、東北の歴史、というのは、ちっとも面白くない。だが、公立の博物館の役割はそこではない、というのはわかる。

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 民俗展示のほうが面白かった。

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 村境に立てる藁の守り神。それを修繕する人々の映像も。日本とは不思議な国だ、と思わざるを得ない。

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 東北歴史博物館の背後の山の上に、“多賀城廃寺跡”がある。陸奥国府だった多賀城は、九州の大宰府がそうであったように、奈良や京都の朝廷の前線基地であり、官寺の伽藍がここに広がっていたのだという。遺跡公園の門の説明看板を眺めていると、後ろの住宅街から女性がすたすたと歩み入って行った。史跡めぐりでもしているのだろうか、と思いかけたが、どうやら、単に地元の人の近道として使われているらしい。

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 伽藍が広がっていたらしい。南側は、林になった斜面になっている。

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 海を振り返りながら石段を上り、門をくぐると…

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 左に金堂、右に塔、そして正面に講堂が…、あった時代のことを、想像できるだろうか。

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 今度は国府多賀城駅の北側に向かった。道標に導かれて歩き、小高い丘に登ると、その反対側に下りる途中に、“多賀城碑”の覆堂があった。

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 多賀城碑とは、奈良時代に立てられた石碑で、『おくのほそ道』で松尾芭蕉がこれを見てたいそう感激している。“多賀城は京を去ること千五百里…藤原恵美朝臣が修造した也”、といったことが書いてある。意外に読める。ついさっき東北歴史博物館でレプリカを見たせいで読めるのかな、とも思うけれど、8世紀の石碑が摩耗もせずに残っておりその字が読めるというのは、たしかに、たいしたことだ。

 そして、碑から北にある小高い丘の上の、多賀城政庁跡、つまり古代の陸奥国府に向かう、南大路…を、今、建設している(笑)。

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 史跡公園を整備したいのはわかるけれど、結局、観光で見られるような史跡というものは本当に昔のままで残っているものなどほとんどないのだ。だから、観光旅行には想像力が必要…。

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 あおによし、遠の朝廷(みかど)が、ここにあったというのです

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 奈良時代や平安朝の当時は、もっと海岸線が近かったはずなので、青い海が見えたのではないか。

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 後村上天皇の行在所、という石碑なので、足を止めたが、これは明治以後に南朝を顕彰する人たちが神社とともに建立したものだそうだ。北畠顕家親王を奉じて、鎮守府将軍として多賀城に駐留したのは史実であるが、そのときの陸奥国府はどういう姿だったのだろう。

*

 この日はこのあと、川沿いの田園地帯を、三陸自動車道の高架や新幹線の車両基地などを眺めながら、小一時間ほどかけて利府駅まで歩いた。日常なら歩くような距離ではないが、あてもない旅行である。──駅前にあった飲み屋でよくお酒を飲んだあと、21時前の利府線に乗って、仙台に戻った。利府線とは、東北本線から2駅だけ飛び出した、路線図上で見ると不思議な枝線である。ほとんど乗客のいない夜の上りの利府線の電車に、女性の車掌が、岩切からの小牛田方面や仙台の新幹線乗換えなどの連絡時刻を、几帳面にアナウンスする声が響き、律儀なことだ、と感心した。仙台では駅の東口のホテルに投宿した。

3/20(水)~21(木)蔵王温泉

 この日は蔵王温泉のホテルを予約していた。山形駅前から18時55分のバスに乗る。

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 山形駅前の1番乗り場は、仙台行きの高速バスが頻繁に発車し、ビジネスマンが行列していた。山形ー仙台間にはJRの仙山線もあるが、バスの独擅場らしい。
 
 蔵王温泉行きは、普通の路線バスを想像していたが、4列座席の大型バスであった。観光地行きの路線なのかと思いきや、わりとこまめに乗降客がいる。平地を外れて蔵王への登りにかかると、山形の盆地の灯火が眼下に広がった。──40分ほどで蔵王温泉バスターミナルに着いた。硫黄のにおいが鼻をつく。ここは温泉というよりスキー場で有名な土地で、残雪もあってさすがに冷える。だが、ここまで上がってきても路面には雪が全くない。今年はやはり雪は少ないのではないかな。

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 温泉ホテルにチェックインして、大浴場と、離れの浴場をはしごした。べつに離れまで行かなくてもいいかなと思ったが、風呂というものは行くまでは面倒でも行けばたいがい後悔しないもので、白っぽいお湯の露天風呂を堪能した。幸いなことにほかの客もほとんどいない。空いている温泉というのはじつによいものである。

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 翌朝の部屋の窓からの眺め。ブリューゲルの絵のよう(?)

 ホテルをチェックアウトして、ロープウェイ乗り場へ。スキーはやらないが、スキー客に混じってロープウェイに乗って、上の方まで行ってみた。

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 登るにつれて、…おお、様子が変わってきた

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 山頂駅に着いた。

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 これが樹氷…の残骸みたいなものかな?

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 ちょっと異様な光景ではある。

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 え、これ、雪のない季節はどうなってるの?

 スキーはやれないしやらないけれど、ロープウェイから見ていると、山頂の方から林の間を縫ってコースが延々と続いていて、これはたしかに滑れたら気持ちよさそうだなあ、と思った。

3/20(水)~21(木)山形

 春休み(?)である。まるまる一週間の休みを取った。休暇に入ると同時に風邪をひいて熱を出して寝込んだりしていたものの、二、三日程度では出かけようと思い、蔵王温泉のホテルの一泊だけ予約して、水曜日の昼下がり、上野駅から新幹線に乗った。13時06分発の『つばさ139号』山形行き。

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 福島を出ると在来線の山越えになる。

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 残雪が。──スノーシェードに覆われた小さな駅や、スイッチバック式の配線の駅なども現れる。この峠越え区間だけ新線を掘るという案もあるそうだ。

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 米沢を過ぎて盆地になると、雪の連峰を見はるかすのどかな風景になる。…というか、ここまで来ても平地には雪がまったくないのが、少し意外であった。

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 15時50分、終点の山形駅に着いた。山形は、昔、乗り換えたことがあるだけで、一度も歩いたことのない街だ。

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 駅の西口に出て少し歩くと、城跡の公園に入れる。霞城公園というそうだ。城内は今では県立体育館などが建っているが…

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 尖塔のある建物。「済生館本館」といい、明治11年に建てられた、擬洋風建築である。当初は病院だったという。

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 後ろに回ると、円形の回廊がある。円形の一点に尖塔がついたような形になっている、まことに奇妙な建物だ。

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 構造も妙に凝っている。

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 2階のホール。登れるのはここまでで、塔の上には登れない。この、一本で支えられた螺旋階段は、さすがに危なっかしく見える。

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 和大工が見よう見まねでがんばっちゃった感がある

 山形は明治維新後、三島通庸(みしまみちつね)という薩摩藩士が県令に着任して、擬洋風の公共建築を建てまくり、“土木県令”などと言われたという。この済生館のほかにも多くの擬洋風建築が残されているそうだ。

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 山形県立博物館に立ち寄ってみた。国宝の“縄文の女神”がここにあるとは、来るまで知らなかった。

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 バックショットも撮り放題。つやつやしている。

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 “ヤマガタダイカイギュウ”という海棲の大型哺乳類の化石だそうだ。

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 あまり上手じゃない(?)縄文土器たち。

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 へんな形の縄文土器ですね…

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 地域の博物館らしく、民芸の波状攻撃のような展示もある。ちょっと怖い。

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 最上義光の騎馬像。

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 東大手門から出ると、お堀に沿った奥羽本線の線路を跨ぐ。

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 山形美術館。──“山形県写真展”を開催していたが、目当ては吉野石膏コレクションなので、2階の展示室へ直行した。

 山形に来た理由の一つがここであった。印象派の絵画が集積しているので有名な美術館である。ときどきいろいろな場所へ貸し出されるので、意外に見たことのある作品もあったりするし、テレビで紹介されたりすることもよくあるコレクションだが、この日、何と言っても、すごい、と思ったのは、モネの森の絵だった(『サンジェルマンの森の中で』)。吸い込まれるようだし、その先に何かがいるようでもあるし、虚無のようでもある。しばらく飽かず眺めていた。──飽かず眺めていられるくらいに美術館が空いているのも、すばらしい。

 そのほか、目を奪われた作品は、シャガールの『パイプを持つ男』…これ、持ってるのはほんとにパイプなの? ピストルを突き付けてるようにしか見えないのだけど…、つるりとした肌が印象的なキスリングの裸婦画、ひたすら遠近感がおかしいアンリ・ルソーの絵、強いコントラストのヴラマンクの絵、などなど…。──図録を買って帰った。図録を買うとポスターをプレゼント、ということで、もらいかけたが、いざもらったところ荷物に入らないので、すみませんが…と言って返してきた。旅行中だとこういうことがあるから残念(?)。

 なおここのロビーには服部敬雄氏の胸像があるが、その胸像が佐藤忠良の作だというので驚いた。

読書&査収音源リスト(2018年9月~2019年2月)

▼コンビニ人間(文春文庫)/村田沙耶香
コンビニ人間 (文春文庫)

▼やがて君になる(1~6)(電撃コミックスNEXT)/仲谷鳰
やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT) やがて君になる (2) (電撃コミックスNEXT) やがて君になる(3) (電撃コミックスNEXT) やがて君になる(4) (電撃コミックスNEXT) やがて君になる(5) (電撃コミックスNEXT) やがて君になる(6) (電撃コミックスNEXT)

▼やがて君になる 佐伯沙弥香について(電撃文庫)/入間人間
やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

▼ふしぎの国のバード(5)(ハルタコミックス)/佐々大河
ふしぎの国のバード 5巻 (ハルタコミックス)

▼黄砂の進撃(講談社文庫)/松岡圭祐
黄砂の進撃 (講談社文庫)

▼秘蔵カラー写真で味わう 60年前の東京・日本(光文社新書)/J.ウォーリー・ヒギンズ
秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

▼カラー版 廃線紀行 ―もうひとつの鉄道旅(中公新書)/梯久美子
カラー版 廃線紀行―もうひとつの鉄道旅 (中公新書)

▼壬申の乱 天皇誕生の神話と史実(中公新書)/遠山美都男
壬申の乱―天皇誕生の神話と史実 (中公新書)

▼十字軍物語(1) 神がそれを望んでおられる
▼十字軍物語(2) イスラムの反撃
▼十字軍物語(3) 獅子心王リチャード
▼十字軍物語(4) 十字軍の黄昏
 (新潮文庫)/塩野七生
十字軍物語 第一巻: 神がそれを望んでおられる (新潮文庫) 十字軍物語 第二巻: イスラムの反撃 (新潮文庫) 十字軍物語 第三巻: 獅子心王リチャード (新潮文庫) 十字軍物語 第四巻: 十字軍の黄昏 (新潮文庫)

▼君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部(新潮文庫nex)/武田綾乃
君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫)

▽南谷真鈴冒険の書/南谷真鈴
南谷真鈴 冒険の書 LIVING WITH ADVENTURE 英訳付

▽オラクル・ナイト/ポール・オースター、柴田元幸訳
オラクル・ナイト

▽コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき/金水敏
コレモ日本語アルカ?――異人のことばが生まれるとき (そうだったんだ!日本語)

▽世界の終わり、素晴らしき日々より(1~3)(電撃文庫)/一二三スイ
世界の終わり、素晴らしき日々より (電撃文庫) 世界の終わり、素晴らしき日々より2 (電撃文庫) 世界の終わり、素晴らしき日々より (3) (電撃文庫)

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▼SPIRAL(初回限定盤)/茅原実里
SPIRAL (初回限定盤) (特典なし)

▼WONDER QUEST EP/水樹奈々
WONDER QUEST EP

▼NEVER SURRENDER/水樹奈々
NEVER SURRENDER(※劇場版アニメ「魔法少女リリカルなのは Detonation」主題歌)

▼ナイトフォール/アリス・紗良・オット
ナイトフォール(初回限定盤)(DVD付)

▼TVアニメ「やがて君になる」オリジナルサウンドトラック
TVアニメ「やがて君になる」オリジナルサウンドトラック

▼TAILWIND(初回生産限定盤)/TrySail
TAILWIND(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

▼Sail Canvas(初回生産限定盤)/TrySail
Sail Canvas(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

Minori Chihara Live Tour 2019 ~SPIRAL~ @中野サンプラザ 3/9

 茅原実里さんの東名阪ツアー、ぼくは初日と愛知一宮に参戦しましたが、1か月あけて千秋楽です。中野サンプラザにやって来ました。

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 千秋楽ソールドアウト、おめでとうございます。──中野サンプラザ、いろいろ取りざたされていましたが、今のところは現地で建て替えるという方向になっているのですよね。若干、ビル自体の設備の古さはもちろんですし、客席の座席が互い違いになっておらず単純にステージが見づらい、など、昔のホールだな、という印象は否めません。ですがぼくは今回も1階客席ほぼ中央、みのりんがまっすぐに見える良席でした。

・∞
・ENERGY MAKER
・夢幻SPIRAL
・赤い棘のギルティ
・(MC)
・Little Wing
境界の彼方
・(MC)
優しい忘却
・みちしるべ
・(MC)
・奇跡
・(instrumental)
・金魚
・(MC/旗振りレッスン)
・アイアイ愛してるよ♡
SELF PRODUCER
・(MC)
・Remained dream
・勇気の鼓動
・(MC)
・Hopeful "SOUL"
・CRADLE OVER
・声もなく始まる世界
Paradise Lost
・(MC)
・言の葉

-encore-
・シャラララ
・(MC)
・Voyager train
Freedom Dreamer

*

 それにしても、キレのいいパフォーマンスが見られたツアーでしたね。序盤、オープニングSE的な『∞』から、ダンサー(CMD)お二人がフードをかぶって登場し、一気に“動”の空間を作り上げます。──この千秋楽では、それほど広くもないコンサートホールのステージに、『赤い棘のギルティ』ではボックスコンロみたいなセットで炎を上げる見せ場もありました。

 この日、一番驚いたのは、インスト明けの『金魚』で、みのりんが振り付けをつけてダンスしていたこと。先月の一宮まではなかったもので、5本程度のツアー中にさらに付加価値を上げてくるとは、すごいな、と。それ以外にも、旗曲もそうだし、なんだかんだと振り付け曲が増えているような気がしますね。

 このツアーを通して、圧倒的に歌いこみ量が違うんだろうな、と思ったのは、『Hopeful "SOUL"』です。茅原さん、この曲だけ、明らかに、歌がうまいのです(正直言って他の曲は、ちょっとあまり…と思う瞬間もありました)。この日の歌声も格別でした。──アンコール中の日替わり曲は、この日は『Voyager train』でしたが、途中、みのりんの歌が飛んだところでオーディエンスが素早く合唱してカヴァーする場面もありました。

 この日のライヴは、映像収録が入っていることは知らされていましたが、CS放送で放映予定だとのこと。パッケージで出してほしいのですが…。CSで放映してからパッケージが発売された例もあるので、ひとまず期待して待ちますが、最近、こういう例が多い気がします。ライヴの開催・グッズの物販と映像パッケージの制作・販売だけでは、ビジネスモデルが成り立たなくなってきているのかもしれません。

 茅原さん、CDデビュー15周年プロジェクトが始動するそうです。記念曲をまた作りますとか、ファンクラブトラベル企画など、ほのめかしていました…まさかの海外かな?! ──最後、ダブルアンコールを求める声に応えて、もう一度出てきてくれました。パフォーマンスこそありませんでしたが、また会おうね、約束だよー!という呼びかけに、みのりんのパレードがまだ続いていること、それについて行けていることを実感…。約束しましたからね、守らなくちゃいけないですね。今夏の『SUMMER CHAMPION』もチケットは取ってあります。そして、オーディエンスの三本締めが終わるのをしっかり待ってから終演の影アナウンスが入るところなど、もはや様式美の世界で、みのりんの現場はある意味で洗練されてるな…と改めて思ったのでした(?)。

「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」@国立新美術館 2/25

 タイトル以外の一切のキャプションがない展示。抽象的な立体作品が並び、難解ではある。

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 撮影可になっていた『うさぎ観音』、数少ない具象の作品だけど、…やっぱりわからない。このたたずまい、これ、ぼくはどこかで見たことがあるような気がしたが、どこだっただろうか…

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 終盤の、大画面の山水画たち、どことなく安らぎを感じた。

国立新美術館>イケムラレイコ 土と星 Our Planet