night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

3/20(水)~21(木)山形

 春休み(?)である。まるまる一週間の休みを取った。休暇に入ると同時に風邪をひいて熱を出して寝込んだりしていたものの、二、三日程度では出かけようと思い、蔵王温泉のホテルの一泊だけ予約して、水曜日の昼下がり、上野駅から新幹線に乗った。13時06分発の『つばさ139号』山形行き。

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 福島を出ると在来線の山越えになる。

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 残雪が。──スノーシェードに覆われた小さな駅や、スイッチバック式の配線の駅なども現れる。この峠越え区間だけ新線を掘るという案もあるそうだ。

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 米沢を過ぎて盆地になると、雪の連峰を見はるかすのどかな風景になる。…というか、ここまで来ても平地には雪がまったくないのが、少し意外であった。

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 15時50分、終点の山形駅に着いた。山形は、昔、乗り換えたことがあるだけで、一度も歩いたことのない街だ。

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 駅の西口に出て少し歩くと、城跡の公園に入れる。霞城公園というそうだ。城内は今では県立体育館などが建っているが…

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 尖塔のある建物。「済生館本館」といい、明治11年に建てられた、擬洋風建築である。当初は病院だったという。

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 後ろに回ると、円形の回廊がある。円形の一点に尖塔がついたような形になっている、まことに奇妙な建物だ。

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 構造も妙に凝っている。

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 2階のホール。登れるのはここまでで、塔の上には登れない。この、一本で支えられた螺旋階段は、さすがに危なっかしく見える。

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 和大工が見よう見まねでがんばっちゃった感がある

 山形は明治維新後、三島通庸(みしまみちつね)という薩摩藩士が県令に着任して、擬洋風の公共建築を建てまくり、“土木県令”などと言われたという。この済生館のほかにも多くの擬洋風建築が残されているそうだ。

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 山形県立博物館に立ち寄ってみた。国宝の“縄文の女神”がここにあるとは、来るまで知らなかった。

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 バックショットも撮り放題。つやつやしている。

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 “ヤマガタダイカイギュウ”という海棲の大型哺乳類の化石だそうだ。

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 あまり上手じゃない(?)縄文土器たち。

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 へんな形の縄文土器ですね…

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 地域の博物館らしく、民芸の波状攻撃のような展示もある。ちょっと怖い。

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 最上義光の騎馬像。

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 東大手門から出ると、お堀に沿った奥羽本線の線路を跨ぐ。

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 山形美術館。──“山形県写真展”を開催していたが、目当ては吉野石膏コレクションなので、2階の展示室へ直行した。

 山形に来た理由の一つがここであった。印象派の絵画が集積しているので有名な美術館である。ときどきいろいろな場所へ貸し出されるので、意外に見たことのある作品もあったりするし、テレビで紹介されたりすることもよくあるコレクションだが、この日、何と言っても、すごい、と思ったのは、モネの森の絵だった(『サンジェルマンの森の中で』)。吸い込まれるようだし、その先に何かがいるようでもあるし、虚無のようでもある。しばらく飽かず眺めていた。──飽かず眺めていられるくらいに美術館が空いているのも、すばらしい。

 そのほか、目を奪われた作品は、シャガールの『パイプを持つ男』…これ、持ってるのはほんとにパイプなの? ピストルを突き付けてるようにしか見えないのだけど…、つるりとした肌が印象的なキスリングの裸婦画、ひたすら遠近感がおかしいアンリ・ルソーの絵、強いコントラストのヴラマンクの絵、などなど…。──図録を買って帰った。図録を買うとポスターをプレゼント、ということで、もらいかけたが、いざもらったところ荷物に入らないので、すみませんが…と言って返してきた。旅行中だとこういうことがあるから残念(?)。

 なおここのロビーには服部敬雄氏の胸像があるが、その胸像が佐藤忠良の作だというので驚いた。