この日は蔵王温泉のホテルを予約していた。山形駅前から18時55分のバスに乗る。
山形駅前の1番乗り場は、仙台行きの高速バスが頻繁に発車し、ビジネスマンが行列していた。山形ー仙台間にはJRの仙山線もあるが、バスの独擅場らしい。
蔵王温泉行きは、普通の路線バスを想像していたが、4列座席の大型バスであった。観光地行きの路線なのかと思いきや、わりとこまめに乗降客がいる。平地を外れて蔵王への登りにかかると、山形の盆地の灯火が眼下に広がった。──40分ほどで蔵王温泉バスターミナルに着いた。硫黄のにおいが鼻をつく。ここは温泉というよりスキー場で有名な土地で、残雪もあってさすがに冷える。だが、ここまで上がってきても路面には雪が全くない。今年はやはり雪は少ないのではないかな。
温泉ホテルにチェックインして、大浴場と、離れの浴場をはしごした。べつに離れまで行かなくてもいいかなと思ったが、風呂というものは行くまでは面倒でも行けばたいがい後悔しないもので、白っぽいお湯の露天風呂を堪能した。幸いなことにほかの客もほとんどいない。空いている温泉というのはじつによいものである。
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翌朝の部屋の窓からの眺め。ブリューゲルの絵のよう(?)
ホテルをチェックアウトして、ロープウェイ乗り場へ。スキーはやらないが、スキー客に混じってロープウェイに乗って、上の方まで行ってみた。
登るにつれて、…おお、様子が変わってきた
山頂駅に着いた。
これが樹氷…の残骸みたいなものかな?
ちょっと異様な光景ではある。
え、これ、雪のない季節はどうなってるの?
スキーはやれないしやらないけれど、ロープウェイから見ていると、山頂の方から林の間を縫ってコースが延々と続いていて、これはたしかに滑れたら気持ちよさそうだなあ、と思った。