■東京都美術館>レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才
シーレだけではなく、当時のウィーンのアーティストを含めた展示で、クリムトのくすんだ色合いを眺めながら進んでいった。
『装飾的な背景の前に置かれた様式化された花』。エヴァかな…
『吹き荒れる風の中の秋の木』。このねじ曲がり、強烈だ
『モルダウ河畔のクルマウ』。クルマウとは、今ではチェスキー・クルムロフと呼ばれているチェコ領の街の、ドイツ語名
やっぱり色の使い方が独特なんだよね。なんでそこで緑色なの、って思う
この、目を見開いた子が、強い印象を残す
エゴン・シーレって、残された絵は個性が強いものだけれど、わりと裕福な家に生まれて、才能を伸ばして美術教育も受けて、戦争が始まって軍隊に招集されても画家なんですって言ったら理解のある上官に後方勤務に回してもらったり、育ちのよい奥さんと結婚したり、比較的、幸運かつ天然に生きた人だったように思うのだが、、、彼は、1918年10月31日にスペイン風邪で亡くなったのだそうだ。28歳で。その3日前に、妊娠中の奥さんが亡くなって。あと何日かで戦争は終わるのに*1。祖国が滅びるのを目の当たりにしながら、全てを失くして死んだのだね。
*1:崩壊していた大戦末期のオーストリア・ハンガリー帝国で、臨時政府が立ったのが10月30日、イタリアに降伏してオーストリアにとっての休戦になったのが11月3日。さらにカール皇帝の退位が11月11日(ドイツと連合国の休戦もこの日)。