night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」@東京都美術館 2/19

東京都美術館ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展

 これは早めに行かなければ、と意気込んで、週末の土曜日の日時指定予約を、その前の日曜日のうちから取った。なんと言っても、フェルメールの『窓辺で手紙を読む女』が来日! なのだけれど、…この絵、つい最近に修復が成って、女性の背景の壁に大きな額絵のキューピッドが現れた、ということ。

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 これ、どうなんだろう…。劇場的に切り取られた画面の中の、薄暗く何もない壁に、語られないけれど濃厚な何かが、たしかにそこにあって、それがこの絵の魅力だったのではないか、言ってみれば「余白の美」があったのではないか、と思うのだけれど。正直、がちゃがちゃとうるさい絵になってしまったと思う。

 修復の過程で、そのキューピッドが塗りつぶされたのがフェルメールの死後だいぶたってからだということがわかってしまったのだそうだ。わかんなくていいのに…(苦笑)。「画家が描いた当初の姿を復原する」という、修復の考え方は、理解できるのだけれど、そもそもこの絵がザクセン選帝侯に収蔵されたときには(レンブラント作品として扱われていたそうだが)、すでにキューピッドはいなかったという。その頃から二百年以上も、あの何もない壁のこの絵を、世界が見てきたはずなのだけれどね…。

 そんなわけで、ちょっとがっかりしたのだった。修復も良し悪しである。