大和八木駅に戻って、近鉄でさらに桜井駅に向かった。桜井は近鉄とJR桜井線が交差する駅で、ちょうど昼前なので何か食べようかと思ったものの、不思議なもので、すっと入れるようなお店が駅前に見当たらない。関西の街に来るとしばしばこういうことになるんだよなあ…。まあいいか、と思って、タクシーに乗ってしまった。行きたいのは、談山神社だ。桜井駅から路線バスもあるのだけれど、本数が少なすぎて時間が合わなかった。
タクシーは山間部に分け入って行く。吉野に通じる街道だそうだ。どちらから、と運転士に問われて、なんとなく会話していた。談山神社は、JR東海のCMに使われてから有名になりましたなあ、と言う。なるほど、ぼくもそれで知ったようなものだ。──さらに、「そこに、『観音寺、こっち』って書いてあるでしょう、そこは最近、BSで、尼さんが三人暮らしてる番組で有名になったんです。関東から何度も来る方もいますよ」…ああ、それ見たことありますよ。ここだったのか。だが、山道を歩いて50分ばかりかかるそうだ。
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談山神社とは、藤原鎌足を祭神とする歴史の長い神社で、紅葉の名所らしい。桜井駅からタクシーで3,030円かかった。
紅葉はさすがに見事だ。
端整な檜皮葺の十三重塔。いまのものは戦国時代に再建されたものだそうだ。
神社の裏の山は御破裂山と言って、藤原鎌足の墓があるそうだ。登ってみる。
藤原鎌足の墓
“相談所”っていう表現がちょっと可笑しい。
中大兄皇子と中臣鎌足が大化改新の相談をしたという、由緒ある“相談所”である。ほんとかしらね
後醍醐天皇が奉納した石灯篭だそうだ。
帰りは路線バスに乗った。観光バスもぼちぼち上がってくるのだけど、路線バスの客はぼく一人だった。うーん、観光地のはずなんだけど、それでも、最寄り駅からの路線バスが一時間も二時間もなくて、乗客が一人だけとかなんだなあ。
