今年は伝教大師最澄の「1200年大遠忌」なんですって。そういえば延暦寺の根本中堂は十年スパンの大修理中なんだよね。
■東京国立博物館>伝教大師1200年大遠忌記念 特別展 最澄と天台宗のすべて
教科書で見る最澄の肖像画の本物が来ている(これは「聖徳太子及び天台高僧像」という10幅シリーズのうちのひとつなのだそうだ)。「真如堂縁起」絵巻の鮮やかさにも感心する。──まあ、ちょっととっつきにくい展示だったのだけど、終盤では全国各地の天台寺院の仏像が集められていたが、調布の深大寺の秘仏だという元三大師像(慈恵大師(良源)坐像)に、全部の印象が持って行かれてしまった。座像なのに2mもの異様な大きさで、彫の深い顔で、カッと睨みつけられているようだ。深大寺の元三大師堂の秘仏だそうで、あのお堂にはこんな方がいたのか…さすがは鬼になった人…と、たじたじとなるような迫力だった。深大寺からはちゃんと国宝の白鳳仏も来ていたのだけれど。
不滅の法灯のレプリカ。フォトスポットとしては…地味かな…
*
本館もひとまわりした。
密教の法具。
俵屋宗雪の「秋草図屏風」。すすきはわかるんだけど、盛んに咲いている花は何だろう?と思ったら、芙蓉だそうだ。秋の花として、今ではそれほど一般的ではない気もするけど、時代的なものなのか、どうなんだろうか。
国宝室は、小野道風の「秋萩帖」が出ていた。
「法然上人絵伝」。お迎えが…
すっかり秋の光の、東京国立博物館。このユリノキの巨木、見事だよなあ
*
そういえばこの日、博物館の前にふと思い立って、「上野大仏」を見ていた。そうか、上野公園や博物館のあたりは、昔は、まさに天台宗の「東叡山寛永寺」の広大な境内だったんだな。