night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

坂本真綾「IDS! presents Acoustic Live & Talk 2020」@ Zepp Tokyo 11/28

 この時代に開催されるライヴ、というものに対して、どのような態度を自分がとるべきなのか、いまいち測りかねるものがありましたが、Zepp Tokyoに行ってきました。──公演時間は約70分を予定、と事前にアナウンスされていましたが、椅子席の1席空けで観客数も絞ってスケールダウンして、でも1日に3回まわしということで、それはそれで演じる側が大変なのではないかなあ。

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お久しぶりの、DivercityじゃないほうのZepp Tokyo

 厚生労働省の『COCOA』のアプリを入れてくるように、という周知はありましたが(そもそもチケットがスマートフォンの電子チケットだけという運用になっていました)、それって、当日の来場者に陽性者が出た場合に観客が気づけるようにという意図だと思っていたら、入場時に「陽性者との接触を確認」の画面を見せろと言われたので驚いてしまいました。14日以内に接触があった場合の表示が出ていたら入場できなかったようです。だけど、その場でCOCOAをインストールする人だっているわけで。COCOAを排除のためのツールに使うとは思っていなかったので、うーん、と、若干もやもやしたのは否定できません。が、こういうのもしばらくするとデファクトスタンダードになっていく可能性もありますね。

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 そんなわけで、ライヴを無心で楽しむには社会的な状況がうるさすぎるんだけど、坂本さんのまぶしさにあっけにとられた70分でした。『幸せ5』のハイテンションが、とってもよかったのです…ああ、もうずっと、こういう感じがなかった、と思ったのです。もうなんかずっと下向いて歩いてたもんなあ。──坂本さんは、マリメッコ的な赤や黄色の派手なプリント柄がパッチワークになったドレス。

 最後の『いつか旅に出る日』の前のMCは、坂本さんが2年前にクロアチアにひとり旅をしたときの話から…、そこはひどい内戦でぼろぼろになった歴史がある街で、でもそこにはそんな歴史をまったく知らない若い人がいたりする。坂本さん自身も、城壁から見た朝陽をただ「美しい」と思って見ていた。今の状況も、これまでのような自由に旅行できた時代を知らない世代が出てくるかもしれないけれど、またいつかどこにでも行ける日が来ると思う…というような話でした。──ちょっとわかりづらいメッセージで、坂本さんの中でも整理できていないような印象を受けましたが、今の時代に対する表現者としての衝動のようなものがあったのだろうと思いますし、それが今のタイミングで必ずしもすっぱりとした言葉にならなかったとしても、それはそうだ、と言うか…。──背景には、坂本さんが旅先でiPhoneで撮ったというそのクロアチアの城壁の朝陽や、何年か前の台湾で撮った写真などが、次々と投影されていきました。

・宇宙の記憶
Million Clouds
幸せについて私が知っている5つの方法
・私へ
・逆光
・躍動
・“免疫アップメドレー”(スピカ→ユッカ→CLEAR→Gift→tune the rainbow→光あれ→Get No Satisfaction!→プラチナ)
・クローバー
・いつか旅に出る日