night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「円山応挙から近代京都画壇へ」@東京藝術大学大学美術館 9/20

 この日はいくつかはしごするつもりで、金曜日の午後に上野に現れた。まずは芸大美術館へ。

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東京藝術大学大学美術館円山応挙から近代京都画壇へ

 障壁画や屏風の大作が並ぶ、出色の展示だった。まず応挙の『松に孔雀図』。かっちりとした構成と鋭い線が魅力的だし、金地に墨の黒のみで描かれているのに不思議と松の葉が青く見える。ふわふわもやもやとした線で山の稜線をあらわした呉春の『群山露頂図』にも感心する。これらは兵庫県の香住にある大乗寺という寺に残されているものだそうだ。そんなところによくこんなにきれいに残っているな、と驚くし、まだまだ知らないことがあるなあ。

 応挙の『保津川図』は、適度に様式化されたような水流と、写実的な岩や松が、画面の中で絡み合う。これはまぎれもなく大作だ…と見入った。──足立美術館の所蔵という竹内栖鳳の『雨霽』は、やわらかな金地の背景に、激しい葉末の筆づかい、木の幹のたらしこみなど、まさに総動員という感じ。他の美術館などでこれがただ置いてあっても自分はあまりピンとこなかっただろうと思うのだが、この日は不思議と、すっかり感心してしまった。

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 東京藝大の陳列館の方では、『スーパークローン文化財ってなに?』という企画展をやっていたので、そちらも瞥見。文化財の保護や、失われた文化財を復元するための東京藝大の取り組みが紹介されていて、こちらも興味深く見る。EPSONの巨大なプリンタ、すごいよね、あれ(笑)