night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

シャルル=フランソワ・ドービニー展 @損保ジャパン日本興亜美術館 6/16

 新宿の損保ジャパン美術館へ。高層ビルの42階にあるこの美術館は近々閉館予定で、隣接した敷地に新しい美術館を建設中だ。

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 この新宿のパノラマも、見られなくなるのかなあ

東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館>シャルル=フランソワ・ドービニー展 バルビゾン派から印象派への架け橋

 シャルル=フランソワ・ドービニーとは、聞いたことがあるような、ないような…という名前だったが、バルビゾン派と言われる画家である。展示の冒頭にはコローなどの他の画家の作品がいくつか並んでいた。コローは好きな画家なんだけど、この人の絵の空気感はやはり後年の方が出ているなあ、と思う。──ドービニーは、水辺の風景画で有名な人らしく、正直言って似たような絵がいくつも並び、あまり面白みがない…のだが、『オワーズ河畔、夜明け』『オワーズ川のほとりの村』や、濃い色の絵具が筆触分割のように置かれた『森の中の小川』などが印象に残った。

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 女性が3人、釣りをして遊んでるのかな? 深い森を、抜けるような空間で描いている、『ヴァルモンドワの森の中』。これは撮影可のパネル。

 興味深かったのは、ドービニーがボタン号という小舟を買って、スケッチしながら川をめぐって旅をしていたというエピソード。そのスケッチ旅行の様子を版画集にしたものが展示されていたが、魚がたくさん水面から跳び跳ねていたりして、面白おかしく描いている。舟で食事をしたり、眠ったり…、連想したのは『水曜どうでしょう』とか(?)。──そして、その旅日記には同行者の“見習水夫”が出てくるのだが、それが実はドービニーの息子であったことが、展示の最後に明かされる。その息子も長じて画家になり、木によりかかって座る姉を遠景で描いた、美しい絵があった。