night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

ピエール・ボナール展@国立新美術館 10/14

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 ピエール・ボナールとは、後期印象派とかナビ派とか言われてもあまりぴんと来ないが、とにかく19世紀末から20世紀初頭くらいの画家だ。茫洋とした色彩の絵が多く、なんとなく、うーん、という感じで、感想を抱きにくい。顔のはっきりしない女性像(そんなところを描いちゃうかねえ、というような場面も。モデルにしていた奥さんを裸にして撮った写真などもあって、さらに「うーん」と思わされる)や、縦に伸びた奇妙な猫などを、見て回った。

 『テーブルの上の林檎の皿』という静物画が印象に残った。テーブルの上の面に当たる、乾いたような強い光と、側面に落ちる影の対比。──南仏の、崖のような海岸の遠景があいまいな線と強烈な色彩で描かれた絵(『アンティーブ(ヴァリアント)』)も、光に満ちた理想郷を思わせて、大変好みだった。

国立新美術館>ピエール・ボナール展
ピエール・ボナール展(日本経済新聞社)

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 この人の裸婦像、どうも窃視的なのばっかりなのが気になるんだけど、肌を描くときの微妙な色合いに、感心したりも。

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 最後に出てきたこの作品が、なんとも、白眉だった。『花咲くアーモンドの木』。ボナールの最晩年の作品だということだが、鮮やかで、まったく枯れていない。──この展覧会に、“終わりなき夏”(L'éternel été)というサブタイトルがつけられていたことに、このときようやく気付いた。