富山駅に戻って市内電車(富山地鉄の市内線)に乗り、富山市ガラス美術館へ。さっき城址公園にいたときに、こっちに寄っておけばよかった。
富山がガラス工芸の町だというイメージもそもそもなかったわけだけれど、さまざまな現代ガラス作品が展開されていて、見ていてなかなか面白い。最上階の“グラス・アート・ガーデン”から…
その他、コレクションや“ガラス大賞展”は撮影不可であったのが残念。小曽川瑠那氏という作家の金属のような葉っぱや、後藤洋平氏のスクラッチで絵が描かれたガラスに見入った。
ここは、ルーバーが取り巻いているような奇抜な外観が目を引くビルで、隈研吾氏が設計したものだそうだ。市立図書館と一体になっていて、木材が多用された豪華な図書館に目を見張った。
市内電車も、最新型の低床式連節トラムがしずしずと走り、車内にはWi-Fiが飛ぶ。運賃は均一200円。富山市の中心市街地への投資ぶりには驚くものがある。
JR富山駅の改札口を出ると、目の前にシームレスに市内電車の乗り場があるような作りになっている。これも驚いた。たしか昔はこうではなく、駅の前の通りまで出ないと停留所がなかったと思う。
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富山駅の北側にまわって、富山ライトレール(ポートラム)に乗ってみた。
富山ライトレールは、富山駅に接した“富山駅北”から、海岸に近い岩瀬浜まで走る路線で、これも2両連節の路面電車が、15分に1本走っている。JRのローカル線を引き取って設備を全部取り替えてライトレール化したというのはすごいな、と前から思っていたが、乗ってみると乗客は多く、休日の昼間でもさらりと座席が埋まって、立ち客もいるくらいだった。──路面電車だが、もともとが国鉄の路線なので、ほとんどが専用軌道なので、乗っているとそれなりにスピードは出る。だが駅が多いので、岩瀬浜までの7.6kmに24分かかる。
富山ライトレールの“富山駅北”停留場。富山駅は、新幹線が高架につくられ、在来線も順次高架化される工事中であり、それが完成したら、南側に走る市内電車と北側の富山ライトレールをつなげて走らせる計画だそうだ。
終点の岩瀬浜から少し歩いてみた。岩瀬は北前船の時代からの港町で、古い街並みが保存されている。
森家という廻船問屋のお宅が国指定重要文化財として保存されている。奥行きが深く天井が高い町家であった。
雨が強くなってきた。東岩瀬の駅は国鉄時代の駅舎が一部保存されていた。ここからまたライトレールで富山駅に戻る。
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おみやげにますのすしを買って、17時06分発の北陸新幹線『かがやき512号』東京行きに乗った。休日の夕方の、そこそこよい時間の上り、しかも速い『かがやき』なので、混んでいるのでは、と思っていたが、まったくそんなことはなかった。富山を出ると次は長野、その次はもう大宮、という速達便で、上野まで2時間08分で着いてしまった。本当に、北陸も近くなったものだ。──今回は台風のために断念したけれど、また改めて、金沢にも行きたいものだ。