night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

4/29(日)深大寺、神代植物公園、府中市美術館

 ゴールデンウィーク、今年はカレンダどおりに休める。とても天気がよいので、午前中から自転車で遠出することにした。

 調布の深大寺を目指す。──町田市内から、まずは鶴川街道を北上して…と言っても、鶴川から若葉台への峠越えはいまだに危険な道路なので、住宅街の裏道を縫って県境を越えて黒川に出る。その後、稲城市内の道路状況もあまりよくないので、三沢川という多摩川の支流に沿って進んでいたところ、川崎市内に入ったな…と思ったら(稲城市川崎市では、開発の年代が全く違うためか、街のつくりや雰囲気が明らかに異なり、興味深い)、調布に渡る多摩川原橋は稲城市内の矢野口にあるが、京王線に沿って稲田堤(川崎市多摩区)まで来てしまったのだった。

 スマートフォンで現在地を確認して(便利な時代だ)、多摩川原橋まで戻る。途中、えっ、というようなところに小田急バスの終点がある。


 バスは土・日曜の朝の2本だけらしい。免許維持路線か? 昔、稲田堤駅の周りにバスを折り返せる場所がなかった、というような事情があるのだろうか。

 調布市内に渡り、電気通信大学の前で甲州街道を横切って、しばらく行くと、深大寺の門前に行き着いた。


 ものすごい人混みにあっけにとられる。いくら深大寺がこのあたり随一の古刹で名所だからといって、こんなに人が来るものか? なにか、がらくた市のような催しをしていたようではあるけれど、それにしても。ちょっとお団子を買い食いしたけど、昼時に来たためか、名物の蕎麦など、どのお店も大行列になっている。


本堂。


深沙大王堂。背後はがらくた市の喧騒だが、ここだけは深い緑に包まれたような独特の雰囲気がある。


 深大寺での目あては、昨年、新たに国宝に指定されたという、白鳳の釈迦如来像。状態のかなりよい、よいお顔の仏様だった。お賽銭箱に300円を投入するのが「拝観料」という扱いであるが、かと言って参拝者の良心に任せるつもりでもないらしく、横に僧侶が立って見張っている。それにしても、こんな坂東の鄙の地に、なぜこのようなものが伝わっているのだろう。


 この瓦壁、よいなあ

深大寺ホームページ【厄除元三大師 深大寺】東京都調布市

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 深大寺の裏にある、都立神代植物公園に行ってみる。ここ、来たことがなかったのだよね


 バラがきれい

 大温室では、霧で加湿され、熱帯の植物が繁茂している。


 ヒスイカズラという熱帯の植物の花だそうだ。


 熱帯スイレンがひそやかに咲いている。

 サボテンも。この部屋は乾燥させているのかな?


 毛虫のよう。動くサボテンだそうだ


 植物というか岩のような…


 入園料は500円かかるが、適度に手入れされていて、気持ちが良い公園だった。こぢんまりしてるけど売店もあって、軽食とか、ビールなんかも飲めちゃう(自転車なので飲まないけど)。

東京都公園協会>神代植物公園

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 深大寺の門前に戻ってまた自転車に乗った。途中、調布飛行場の横を通る。調布飛行場も初めて見た。コミュータージェットなどの小型機が使用する空港だが、意外に頻々と飛行機が降りてくるので驚いた。飛行場に隣接する直下付近の民家など、結構怖いのではないか…。

 スマートフォンにナビさせて(便利な時代だ)、調布から府中に向かった。自転車の走行中は、当然、スマートフォンはポケットに入れっぱなしで、音声だけ聞いているので、地図的な位置関係があまりよくわからないのだが、指定された道が自転車ではあまり安全ではないので適当に逸れながら進むと、航空自衛隊の官舎を通りすぎて、ああ近づいたな、と。府中市美術館に着いた。


 『リアル 最大の奇抜』を開催中。リアルな江戸絵画の展覧会…ということだが、けっこうコンセプトが難しくて…。リアルに描こうとしてヘタウマになっているとしか思えない人物像とか、構図的にはどこか崩れたように感じられる絵が多く、うーん、と思いながら一巡したが、結局、最後に出てくる円山応挙が別格で、抜群にすばらしいのだった。ポスターにもなっている『鯉魚図』もそうだけど、ぼくが感心したのは『芭蕉鶏図襖』という襖絵。左側に芭蕉の葉、真ん中あたりには鶏。どちらもどことなく孤独で、余白の広い画面なのだが、なんというかこれはもうアヴァンギャルド、こんな襖絵を描かれてしまった注文主はどう思ったことやら(?)。また、『竜門図』という、滝登りの鯉を描いた三幅の連作は、天に昇って行く画面の描写に驚いてしまった。

府中市美術館>春の江戸絵画まつり リアル 最大の奇抜

 府中市美術館は何度も自転車で来ているので帰り道に迷うことはない。崖線を下りて競馬場の脇を通り、是政橋から多摩川サイクリングロードで関戸橋まで行ってから、鎌倉街道で町田市内に戻る、というルートだ。──全行程で50km足らずだったが、それでも最後はけっこう疲れた。たったこれだけでこんなに疲れるのか、もう若くないなあ…などと思ってしまったけれど、よい一日だった。