night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

3月の日々(仁和寺展再訪、ビュールレ・コレクション展、『寛永の雅』展)

 3月7日(水曜)、仕事のあとに上野へ。『仁和寺展』には2月に一度行ったが、秘仏の御開帳が増えた後期からはかなりの集客になっているらしく、平日でも夜間開館している。機会をとらえて足を運んだ。

東京国立博物館特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ―天平と真言密教の名宝―」

 ミニチュアのような精巧な薬師如来坐像に驚く。彫刻が細かすぎてなんだかわからないくらいだが、木肌が象牙細工のように輝いていた。そして目玉展示と言えるのが、葛井寺千手観音菩薩坐像である。これは…すごいものが来てしまった、と。異形のもの、としか…。しかしその異形のかたちで現れると当時の人が考えていたものは、いったいなんだったのだろう、と考え込んでしまった。

東京国立博物館 1089ブログ>天平の秘仏、葛井寺の国宝「千手観音菩薩坐像」がついに公開!

 龍華寺の菩薩坐像も、何度見てもいい。これ、神奈川県立金沢文庫の所管で、普段は公開されていないものだと思うが、次に見られる機会はいつになるのかな。

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 3月9日(金曜)は、またまた仕事のあとに、都バスに乗って、国立新美術館へ。こんなにアフター5に活動するのはぼくにしては珍しい。労働環境の改善が影響している(?)。

 国立新美術館では、ビュールレ・コレクション展を開催中。

至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

 マネの『ベルビュの庭』、モネのひなげし畑など、よい作品が多い。ゴッホの『日没を背に種まく人』は、これはもともとの色合いよりもくすんでしまったのだろうか、もっと鮮やかだったのではないか…と感じた。地味に好きだったのは、マネの『燕』という、牧草地に黒衣と白衣の顔の見えない女性が座っている絵。風が感じるような画面である。

 目玉は、ルノワールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)』。これはたしかに、すごい…。なるほど、と思ったのは、背景の緑やウェーヴのかかった髪、そしてドレスなどは印象派っぽいソフトタッチ(?)なのだが、顔の表情だけはくっきりと描かれていて、それのせいで視線が否応なく集中する。被写界深度をいじった映像のようだ、と思った。


 そして最後に、モネの睡蓮の大画面が。この部屋は撮影可能とのこと。


 空中浮遊しているような、よい睡蓮だ。

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 3月11日(日曜)は、サントリー美術館へ。


サントリー美術館寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽

 日本の陶磁はあまり良さがわからないのだけれどね…と思いながら行ったが、野々村仁清の白い釉薬のかかった器、これはおしゃれなのでは…と思ってしまった。また、狩野探幽の瀟湘八景図がよかったなあ。


 東京ミッドタウンにはつくりものの春が来ていた。