都合で、3月の下旬に5日間、那覇に行った。初日は、午前中の日本航空便で羽田を発って、午後に那覇空港に着いた。
天気はあまりよくなく、風がとても強いのだが、気温は20℃くらい。空港を出たとたんに、この日、7℃かそこらで冷たい雨だった東京とは、まったく違う気候だ。東京から着てきたコートを脱いで、おお南国だ、と、それだけで楽しくなってくる。また、杉花粉が飛んでいないようで、とても楽だった(前日まで、東京では、外を出歩くと目はかゆいし喉は痛くなるし、という苦しみを味わっていた。認めたくはないものだが、花粉症であるとは…)。湿度が高いというのもあるのだろうな。
さっそく、駆け足で観光だ。──まず首里城に登城。初めてではないのだけど、あまり記憶になかった。
復元したものだからしかたないのだけど、ちょっとぴかぴかすぎる気もする。
また、スロープつきで近代的に復元された正殿の内部と、基本的に何も残っていない“遺跡公園”としての風情が、アンバランスではある。──“Garden”と書かれた英語の説明文を見て、何もない小さな空間に、西洋人の女性観光客が不思議そうに、これがGardenなのか? とぼくに尋ねた。うーん、perhaps、と言いながらぼくも説明を読み、これはruined、と答えるのが精いっぱいであった。
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玉陵(たまうどぅん)。琉球王家の陵墓。訪れる人も少なく、荘厳な遺跡という風情であった。
これは厨子甕というもので、つまりお骨を入れる容器だということ。なるほど
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守礼門の前からタクシーを拾って、識名園へ。このあたりはとても地形が複雑で、地図上ではそれほど離れていないように見えても、丘陵を一段ずつジグザグに下りて行くような道のりで、意外に時間がかかる。途中には水源のダムまで現れるので驚いた。
ランタナが咲いてる!
つい先日、北京の紫禁城という、天朝のラスボスの住処とも言うべき場所に行ったので、ついそれと比べてしまったけれど、大陸風でもない、かと言って日本風でもない、独特の文化を感じられて、興味深かった。──しかし、これらすべてが、いったんは荒廃して、再建したり、復元したり、整備しなおしたりしたものである。戦争とは…。
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帰りは路線バスに乗って開南で下り、牧志公設市場などをぶらぶら。
まずは沖縄そばから。。。
国際通りでお土産物屋さんをひやかして(どのお店でもだいたい同じものを売っているな、ということを知る)、そして、県庁の近くの、裏通りあたりへ。おいしいものを食べましょう…
うまい。こう写真に撮るとあまりうまそうに見えないのだが、うまいのだ。お酒は久米仙。──先日の北京ではあまり食に恵まれなかったので、今回は満喫してやろう、などと思いながら。
写真に撮っても全然わからないが、これは、白魚の踊り食い。酢醤油の中に、まだ生きて泳いでおり、口の中でぷちぷち動く。ええ…! と思ってしまう。
くぶしみ。内地で言う“こぶしめ”という甲イカですね。まったりしていて、ふつうのイカともちょっと違う感じ。
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よい気分になって、あたたかい春の夜気のなかを、歩いてホテルへ戻る。