night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

NANA MIZUKI LIVE ZIPANGU 2017 @さいたまスーパーアリーナ 3/12


 水樹奈々さんのライヴツアー、千秋楽に行ってきました。ぼくはこのツアーは代々木体育館1日目とSSAの2日目、計2回の参戦でしたが、沖縄の野外ライヴの回に行かなかったのはちょっと悔いが残ります(笑)。──大混雑のさいたま新都心駅に降り立ったのは15時半頃でした。さすがに水樹奈々さんのツアー千秋楽、SSAがスタジアムモードで500レベルまで完全に埋まっていましたね。16時スタート予定でしたが、巨大会場だけに開演は押すのでしょう、と思っていたところ、意外に、5分押し程度で始まりました。

animelo mix presents NANA MIZUKI LIVE ZIPANGU 2017 supported by JOYSOUND Calbee なか卯

 「和」テイストを打ち出していたこのツアー、ステージ背景は金碧に松が描かれた能舞台のようなもの。頭上の照明にも破風屋根風の飾り付けがされていて、手が込んでいます。ステージ上方に据え付けられた、巨大な、閉じた花…蓮か椿か、しかし異様なほどの巨大さなのでなんとも言えない花の、花弁がゆっくりと開くと、中から振り袖風の衣装の奈々さんが現れる、という幕開けでした。

WILD EYES
・はつ恋
純潔パラドックス
・BRACELET
・Stay Gold
ETERNAL BLAZE
チェリーボーイズコーナー)
・STAND UP!
・Dear Dream
・Pray (企画コーナー with坂本竜太)
・ALONE ARROWS
・エデン
(チームヨーダコーナー)
・Please Download
・ドラマティックラブ
・POWER GATE
・TWIST&TIGER
(映像コーナー)
・ヒメムラサキ
・悦楽カメリア
・ミュステリオン
・Don't be long
・UNLIMITED BEAT
・めぐり逢うすべてに

-encore-
・RODEO COWGIRL
・Young Alive!
・絶対的幸福論
・花は咲く(with山寺宏一
STARTING NOW!

-double encore-
SUPER GENERATION

*

●『WILD EYES』なんて実はあまりライヴではやられない選曲で、このツアーではやじろべえ風に前後に身体を揺らすやつをぼくは初めて見て、おおう、奇習、なんて思ったり。(笑)
チェリーボーイズコーナーのあとは金モールつきの軍隊調コートで、白い水兵さん風のジャケットコスチュームのチームヨーダをしたがえて踊る奈々さん。ぼくはアリーナA5ブロックにいましたが、『STAND UP!』でセンターステージに来てくれたときは、奈々さんよりむしろチームヨーダといっしょに、手振りをちょっとコピったりして遊んでいました(笑)
●企画コーナーは、このツアーでは、バンド「チェリーボーイズ」から一人ずつを選んで、演奏1人vs奈々さんの歌、という「タイマン勝負」をするというもの。1/28の代々木体育館では、パーカッションの福長さんが、グロッケンシュピールや身体につけた鈴やキックなどを駆使したスーパープレイを見せてくれて、プロミュージシャンの実力を見せつけてくれました─あれは本当に、語り草レベルの実演でしたね。この日のSSAでは、ベースの坂本竜太さんとの『Pray』でした。これもすごかった…。ビシバシとチョッパーを効かせるけど、勢いだけじゃないんだよなあ。息を詰めて聴く、面白い企画でした。
●チームヨーダコーナーのVTRでは、公式が“奈々クラ”とか言い出してましたねw
●そのあとのダンス曲パートでは、青地に、パウル・クレー風にモザイクでいろいろな色が散ったミニワンピで、踊りまくる奈々さん。『Please Download』という曲は、ヴォーカルがボコーダでかなり加工されているテクノポップ調の曲で、新譜のなかでも、というか奈々さんの曲のなかでもかなり特異な曲なのですが、ライヴの音響では加工はおさえ気味で、背景映像に飛び交う歌詞のフレーズもあいまって、なるほどこういう曲だったか、とライヴで印象が変わった曲のひとつでした。
●背景映像と言えば、『はつ恋』で歌詞がさまざまな効果で飛び交ったり、『エデン』での降りしきるイメージ、また、なんの曲だったかな…藤城清治風の色鮮やかな切り絵が動いた曲など、今回、背景映像にはかなり凝っていたと思います。
●途中の映像コーナーのストーリーは…、衣冠束帯のやんごとなきお方に助けられた美しい鳥が、人の姿となって都に上り、舞姫として評判を取って、重い病の帝に舞を所望される…。彼女の舞を一目見た帝は「思い残すことはない」とこと切れそうになるが、駆けつけた舞姫は帝の笏に付いている鳥の羽の飾りを見て、あのとき自分の命を助けてくれたのがこの帝であったことを悟り、帝の病を癒して天にのぼっていく、というストーリーでした。映像的には、時代考証が若干不明な感じもありましたが(^^;、、、そこからの『ヒメムラサキ』が、圧巻だったんですよね。舞台上に巨大な羽根が開き、その中心で歌う奈々さん、…まあ、往年の小林幸子もかくやと言わんばかりの巨大衣装(?舞台装置?)で、奈々さん自身も「声優界のラスボス」と言及していました。この羽根、電飾が仕込まれていて、途中から、禍々しく燃え落ちていくかのように見えるのです。代々木で最初に見たときは、あっけにとられて、口をぽかんとあけて見ていました。
●そこからは奈々さんのライヴ終盤の名物、アップテンポ曲の波状攻撃でした。『悦楽カメリア』で、緑色の衣装で障子風の大道具を動かしながら踊るチームヨーダ、一瞬でシルエットになったり姿を現したりする、すばらしい見せ場でした。
●そういえば、『UNLIMITED BEAT』のBメロとサビの、ヴォーカルのあとをマークするコーラスは、オーディエンスとしては叫びたいと思ってたんだけど、それをやってる人は、代々木もSSAも、ほとんどいませんでしたね。…それもそのはず、あのコーラスは、男が歌うには音域的に難しいんだよね…。この曲のオーラスでは火薬がボカンと炸裂。前のほうにいたのでかなりびっくりしました(笑)
●最後は『めぐり逢うすべてに』。新譜が出てから、この曲の歌詞についてはなんとなくずっと考えてるなあ。。。

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 アンコールでは、フロートでアリーナを回る奈々さんに向かってタオルを振り回してから(このときも、ぼくは逆に奈々さんの姿があまり見えなくなり、チームヨーダばっかり見てました。KAZUMINかわいい(笑))、『絶対的幸福論』をじっと聴いていました。直球の、佳曲ですよね…。このくらい直球だともうなにもコメントできないよね…。

 そのあと、なんとゲストに山寺宏一さんが登場して、『花は咲く』のデュエットというサプライズがありました。突然の超大物の登場に湧くオーディエンス。昨日があの地震からちょうど6年の日でした。──最後は『STARTING NOW!』で締めでした。なんか舞台の後ろで、花火が上がってましたね!室内で!!(笑)

 ダブルアンコールは本当になにも用意していなかったようで、『SUPER GENERATION』をワンフレーズ、オーディエンスと合唱して、おしまいでした。

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 完全終演したのがだいたい20時少し前だったのかな。さいたま新都心駅がパンクするので少し待って時間調整してから宇都宮線に乗り、地元へ帰りました。

 ぼくが奈々さんのライヴに初めて行ったのは2009年でしたが、やっぱりだんだん客層は変わってきたよな、と思った、今年のツアーでした。1月の代々木体育館のあとに友人と飲んだときにも話題にあがって、今度のSSAでも本当に強く感じたのですが、…みんな、エタブレが“作業”になってないか、と(笑)。『ETERNAL BLAZE』のイントロが入ったときに、歓声が起きない。みんな黙ってキンブレの色を変えるだけ。はいはい、いつものやつ、という空気を感じます。警報もPPPHもジャンプも「えたーなっぶれーい!」も、定型作業だからやっている、という感じ。まあ、特にSSAはツアー千秋楽でしたから、特にそうだったのかな、とも思いますが、「奈々さんのライヴはこんなんじゃなかった」という思いが残った、ツアーでした。(だから遠征したかったんだよなー。首都圏でやるこの種のライヴは、いまは、客が慣れすぎていて感動が弱い傾向があるように感じます。) ──ただ、それでもエタブレを定番曲としてほぼ毎回やってくれる奈々さんは、まったくブレてないし、いつまでも“自由のトビラ”を開いてくれているのですけどね。

 あともうひとつ言いたい(?)のは…。奈々さん、年齢に言及するときに照れが入るように、もう一度、なったような気がしますが…、いいじゃないですか、さんじゅう何歳でも!(^^ ぼくからすると、奈々さんは、同世代のヒーローなので、そこで照れも隠しもいらないと思うんだけどな!!(^^;

 …そういえば、新譜の曲の中でも、このツアーではやってない曲が結構あって…、特に『君よ叫べ』とか『Rock Ride Riot』をやってないじゃないですか!! くっ、出雲大社に行きたかった…。(笑)