night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

1/29(日)京都(大原)

 寒い季節だが、一日休みを取ったので、京都に行こうと思う。とは言え、特に急いで出かけて行くわけでもなく、日曜日の昼前からゆっくり出て、新横浜12時19分の『のぞみ227号』に乗った。好天で、傘雲をかぶった富士山がくっきりとよく見える。だが関ヶ原越えのあたりから残雪が見え始め、湖北地方は真っ白な雪景色だった。──新横浜から1時間58分で京都に着いた。2時間を切ったので驚く。東海道新幹線も少しずつ時間が短縮されているんだな。京都の駅前に出ると、小雨が降っていた。

 さて、午後2時過ぎ。この日はどうしようかな、と思っていたが、雪の大原に行ってみよう、と思い、烏丸口のバス乗り場から大原行きの京都バスに乗った。だが、休日の京都市内の渋滞は激しく、30分経ってもまだ四条烏丸だったので、バスを下りて、阪急電車四条河原町へ、鴨川の橋を渡って京阪電車出町柳まで出た。出町柳でもバスには乗れるが、結局は京都駅や四条河原町から来るバスを待つことになるはずなので、面倒になったのでタクシーに乗ってしまった。──市内の渋滞を避けて大原に行くには、地下鉄で国際会館駅に行って京都バスに乗るのがよいのではないかと思うが、これもバスの本数は多くないし、なかなか難しいところだ。


 さて、三千院。思えばぼくは2003年の2月にも大原に来ていて、そのときは雪が降りしきっていた。今日も、名勝の庭園には雪が積もっていて、ぼくは相変わらず、このお寺の、苔に覆われたお庭を見ていないことになる。


 庭園もすっかり雪に埋もれている


 だがこういう感じは好もしい

 三千院で立派な阿弥陀如来にお詣りしてから、小雨を衝いて、さらに歩き、寂光院へ。建礼門院徳子が住んだという場所で、寺域の隣には宮内庁が管理する陵墓がある。


 16時30分に閉門するということで、着いたときはすでにあと20分もなかったが、入らせてもらった。時間がないから先に宝物殿を見なさい、とアドヴァイスもしてくれた。


 池の錦鯉も、ぴくりとも動かない。

 本堂では障子を開けて入り、鮮やかな地蔵菩薩にお詣りする。説明をしてくれた中年女性によると、平成12年の放火事件で寂光院は全焼し、新たに作ったものだそうだ。その放火事件は、灯油を撒いて火をつけたというものであったにも関わらず、犯人は捕まらないまま、時効を迎えたとのこと。そんなことがあり得るのか…と絶句する。

 寺の女性が梵鐘を打つ。“諸行無常の鐘”である。閉門する寂光院を辞して、歩いて戻った。──冬の日の雨で、歩いていると身体の中から冷えてしまったが、よいたたずまいの、山あいの集落である。沿道には“朧の清水”なんて立札のある湧水がある。平家物語、いつかちゃんと読みたいのだけどね。

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 大原のバス乗り場の裏には蕎麦屋があったはずで、やってたら食べようかと思ったが、完全にオフシーズンの夕方で、真っ暗であった。17時10分のバスに乗って戻った。途中でバスを下りて、叡電に乗り換えた。


叡山電車八瀬比叡山口駅。キラキラしていて幻のようだが、無人駅である。改札口にはICカードの簡易リーダが設置されていて、叡電Suicaで乗ることができた。


出町柳に着いた。おや…? 青葉社員、なにやってんすか

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 出町柳からさらに乗換えて、四条京阪へ。先斗町をぶらぶら歩いて、こちらのお店で上品な京料理のコースをいただいて、お酒も飲んで…

 雨の先斗町をそぞろ歩く。

 この日の宿は大宮五条のビジネスホテルである。四条河原町の交差点を渡って、高島屋(昔の阪急百貨店)の前で、西に行くバスは…と見たら、ちょうど11番の山越行きが来たので、乗ってしまった。これに乗っても五条通りには行けないが、四条大宮からぶらぶら歩いてもたいした距離ではない。──寒かったし、京都に着いた時間が少し遅かったので駆け足になってしまったが、よい休日だった。明日は天気がよくなるといいのだけれど。