night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

5/20(金)バスタ新宿から出発

 久しぶりに京都に行こうと思う。金曜日、仕事を終えてから夜行バスに乗る、という、我ながら挑戦的な(?)旅程を組んだ。出先で仕事を終えて脱出したのが21時頃、山手線で新宿に向かうが、その前に代々木で下車し、千駄ヶ谷あたりの商店街にある、ここへ。


 立派な破風の、『鶴の湯』という銭湯。番台におじさんが座っている昔ながらの銭湯で、460円という公衆浴場の公定価格だ。その代わり、ドライヤーは硬貨投入式だし、タオルの貸し出しなどなく、“手ぶらセット”120円(タオル1枚+シャンプー)で買うことになるなど、スーパー銭湯のようなサーヴィスは無い。飲食するようなスペースもない。でも、580円で手ぶらで風呂に入りに来られるのは安い。入っている客の数に比べてロッカーがろくに空いていないのは、常連に割り当てちゃっているものと推測する。湯は熱く、長く入っていたら湯あたりすること必至で、こちらは夜行バスに乗る前にさっぱりしたいだけなので、そこそこに上がった。

 代々木の日本共産党中央委員会ビルの前の路地のお店で夕食をとってから、夜の明治通りをぶらぶら歩いた。やって来たのは、“バスタ新宿”である。

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 “バスタ新宿”、この4月に開業した、新宿駅南口の新しい高速バスターミナルだ。新宿駅周辺の各地に分散していた長距離バスの乗り場を一か所に集約した、という、逆にそんなことして大丈夫なのか、大混乱になるんじゃないのか、と思わざるを得ない施設だが…。ぼくが乗るのは23時40分発のJRバス“プレミアムドリーム329号”京都駅経由大阪駅USJ行きだ。


 甲州街道側から上がると、待合室はやはり狭い。待合室からはみ出て、通路際とかに座り込んで待つしかなさそう。JR系の夜行高速バスはDエリアからの出発が割り当てられているようで、表示にしたがって進む。乗り場を確認した上で、通路に座ってビールを飲んでいた。…これ、今だからいいけど、冬は寒いだろうな。あと、満足な売店コンビニエンスストアも無いので、バスタ新宿を使うときはバスタに入る前に買い物を済ませておく必要がある。


 頻々と入るヒステリックなアナウンス──甲州街道の渋滞のため発車便が遅れております、云々──を聞きながら、時刻が近づいたのでDエリアに移動して待ったが、目当てのバスはやって来ない。発車時刻の23時40分を過ぎ、ディジタルサイネージから便名の表示が消える。「おいどういうことだよ!」と焦っている人がいる。こちらは、後ろの方で順番待ちしているプレミアムドリーム号の車両を見つけ、あれだな、と思ったものの、これは不安に思うのも無理はないし、中国人の若い女の子たちなどもたくさん並んでいてJAMJAMライナーなどの新免事業者のバスを待っているが、この混乱状態でよく使いこなせてるな、と感心する。ぼくの乗る“プレミアムドリーム329号”が発車したのは23時50分過ぎだった。

 今回の旅行は、朝早くから行動したかったので、夜行バスを選んだ。JRバスの“プレミアムドリーム号”の、一番グレードの高いプレミアムシートこそ取れなかったものの、まずまずゆったりしたスーパーシート(インターネット購入の割引で9,020円)という座席を押さえていた。2階建てバスの2階で、まっすぐ立てないくらい天井が低いのには少し驚いたが、1A席という最前列の席だったこともあって空間が広く取れて、脚も伸ばせる。上着を掛けるところがなかったのは想定外で、足元に置いた荷物の上にくしゃっと置いておかざるを得なかったが、今にして思えば畳んで荷物棚に置けばよかった。後ろの人に声をかけて座席をいっぱいに倒し、個別カーテンを閉め、早々と寝る態勢に。車がぐるぐる回る感触から、大橋ジャンクションから首都高3号線に入ったのかな…と思う間もなく、眠ってしまった。東名足柄サーヴィスエリアで開放休憩があったが、面倒なので立たなかった。その後、東名のどこか(あとからスマートフォンの位置情報を見てみたところ日本坂パーキングエリアだったようだ)で停車していたのと、三ヶ日で運転士交代(JRバスは三ヶ日に拠点を構えていてここで運転士が交代する。そのかわりに走行中は1名乗務である)していたのは感触で覚えているが、基本的にはずっと眠っていた。

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 新名神高速道路の土山サーヴィスエリアに着いたのが5時25分だった。よく寝た。順調に関西へ進んでいるようだ。5時50分までの開放休憩だとのこと。車外に出るとすっかり明るく、バスが朝日を浴びている。土山は大きめのサーヴィスエリアで、こういうところでバスの駐車位置がわからなくなってしまうと大変なので、注意深くナンバープレートを記憶する。売店セブンイレブンが入っていてホットコーヒーを飲んで目を覚ました。

 京都駅烏丸口のバスターミナルに着いたのが6時50分頃だった。予定では7時09分となっていたはずで、早く着いたようだ。一服してから、京都タワーの地下にある公衆浴場が7時にオープンするのに合わせて、入浴しに行った。──“プレミアムドリーム号”の一晩、なかなか悪くなかった。しかし、一万五千円くらい出してもいいから寝台で横になって移動したい、という思いはある。昔みたいに寝台急行『銀河』があればなあ…と思うのは、時代錯誤なのかな。