night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

5/21(土)京都(東寺、ルノワール展)

 京都タワーの地下で風呂を浴びてすっきりしてから、ポルタ地下街のロッテリアで軽食を取って──このロッテリア、内装こそ変わっているが、ぼくが学生の頃からずっとここにあるような気がする──、まず八条口側に出た。京都駅は八条口アヴァンティ側が観光バスの集結するポイントになっていて、日帰りバスツアーのおばさんたちや外国人観光客や中学生団体などでごった返していた。

 しばらく歩き、ここにイオンモールができたのかー、などと思いながら、東寺へ。境内に入ると、やたらと露店が出ていて雑踏している。この日はどうやら、月に一度の、弘法さんのがらくた市の日なのだった。


 東寺に来たのは、国宝の五重塔の内部を特別公開しているという話を目にしたため。8時半から開いているという情報だったが、がらくた市をひやかしながら南側の門の近くでしばらく待っても、なかなか拝観入口の柵が開かない。しかし柵の向こうには入っている人もいて、別の入口はもう開いているらしい。面倒になって座って待っていたら、9時少し前に人がやって来て、開いた。──五重塔の内部は、初層(1階)のみの公開。心柱を取り巻いて、4人の如来が安置されている。天井や壁は、色褪せてはいるが鮮やかな彩りの幾何学模様が施されていた。これは大したものだ、と目を見張る。講堂では“立体曼荼羅”などと言われる、大日如来を中心にした仏像群に圧倒される。金堂では薬師三尊。食堂には十一面観音が祀られているが、これは昭和期のもの。だが宝物館には、火災に遭って修復したという巨大な十一面観音が保存されていた。


 小子房という館。


 護摩祈祷をしている僧侶。

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 だいぶ陽射しが強くなってきた。汗をかきながら歩いて京都駅に戻り、市バスの110番に乗って、岡崎公園へ。京都市美術館では『光紡ぐ肌のルノワール展』を開催中。

MBS:光紡ぐ肌のルノワール展

 これ、いま東京でやっているのとは別のルノワール展であって、東京には巡回しないようだ。京都の歴史的文物や自然はいつ行ってもそこにあるはず(天変地異や戦乱動乱が起きない限り)だが、今回は、これがあるからいま京都に来ようと思った、というのもある。

 それほど混雑しておらず、ゆったり見られた──これを、東京の、たとえばBunkamuraミュージアムなどで開催したら、ごった返すだろうな、と思った──。女性を描いた絵が中心の展示。『かぎ針編みをする少女』の、眉がきりっとした金髪の女の子、『猫を抱く女』とも同じ子だと思うけれど、なにかしら印象に残る子だ。有名な『うちわを持つ女』も来ている(たしか数年前にも来日していた記憶がある)。

 見て歩いているうちに、だんだん、旅行先で美しい絵を見ているのが、不思議な気分になってきた。──『草原の女 リーズ・トレオ』という小さめの絵が気になった。少し荒っぽくもある、うねった筆づかいで、暗い空の背景と一体になったように描かれた女性。

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 神宮道の大鳥居を見上げながらコンビニでビールを買って飲んでしまい、市バスで四条京阪に出たものの、鴨川べりでまたビールを飲む。


 今日は夏の陽射し。外で飲むビ―ルのうまいこと(笑)