night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

“Kalafina with Strings”Spring Premium LIVE 2016 @ NHKホール 4/29

 新宿から原宿へ。大混雑の原宿駅を出て、NHKホールへ向かいました。Kalafinaのコンサートです。“Kalafina with Strings”というコンサート、普段のバンド形式のライヴとは違って、弦4部とピアノとともに行われるものらしく、これまではクリスマスの時期に東・阪で開かれていましたが、時期が時期だけにぼくは行ったことがありませんでした。今年は春に札幌・仙台・東京という変則ツアーな感じのようです。──ぼくの座席は、見事に3階最後列。こんなところN響定期でもよう座らんぞ、と思いながら、しかし、NHKホールくらいの規模だと、Kalafinaのコンサートは、入れるだけ僥倖、という状態に、今では、なってしまっています。

 ステージセットは、奥行きの広いNHKホールの舞台のほとんど前半分しか使っていないような感じで、白い幕をドレープのように掛け、ピアノを中心に左右に弦4部が囲んで、中央には1シーターと2シーターのソファが用意されていました。これは、1シーターにHikaru、2シーターにKeikoとWakanaだな…とか思いながら(?)、開演。

・Eden
・屋根の向こうに
・木苺の茂みに
・春は黄金の夢の中
・neverending
・むすんでひらく
・胸の行方
君の銀の庭
ひかりふる
Lacrimosa
・君が光に変えて行く
・傷跡
・sprinter
・believe
・五月の魔法
・未来
・夢の大地
I have a dream
ring your bell

-encore-
・storia
・far on the water

-double encore-
アレルヤ

 普段のライヴとはだいぶ違う印象を受けました。彼女たち自身、MCで語っていましたが、ドラムスもいなければベースもいない、リズムを取る楽器がいない状態で、グルーヴを作っていくのは基本的に彼女たちの声。『believe』→『五月の魔法』の転換は鳥肌が立ちました(あそこはバンドも含めて見せ場だっていう意識があったのですよね、きっと。あえて立ち上がるっていう見せ方をしていましたね)。『春は黄金の夢の中』、『ひかりふる』 もすばらしかったですね。──舞台セットや照明はわりとシンプルでしたが、背景に投影される空やナチュラルな色、そして『Lacrimosa』での赤い背景や隠し味的に使われた回転灯など、シンプルな中にも美しく、やるな、と思いました。

 …のですが、Kalafinaというアートがいかに危ういバランスの上に成立しているか、ということを痛感させられたのもたしかです。だれか一人が調子よくないだけで──それは声だけでなくデュレーションだったりアーティキュレーションだったり──、できあがるものが全然別物になってしまう。この編成だからこそ余計に感じることだったかも知れません。

 MCで、デビュー以来8年間で変わったことは?なんていうトークをしていましたが、Wakanaが、男兄弟ばかりだったので女の子同士のスキンシップが苦手だったけど大丈夫になりました!みたいな意味の話をして、そこに迫っていくKeiko、の場面が、これなんて百合?みたいな空気を醸し出していたのですが、それはまあそうとして、それをひとしきりやったあとの『believe』のWakanaの声が、全然違ったんですよね。人の声というのは、不思議なもので、かつ、難しいものなのだと思います。

 アンコールのMCでHikaruがグッズの紹介をするのも恒例なんですが、この日は、センターでピンスポットを浴びてしゃべっているHikaruの後ろで、2シーターのソファに座ったKeikoとWakanaがめっちゃイチャイチャしていて(本編最後に舞った桜の花びら的なチャフを拾って、Wakanaの頭に飾ろうとするKeikoとか!^^)、ちょっと萌えました(笑) ──最後、挨拶したあとに、「もうちょっとここにいたい…」みたいな流れで、ピアニストの櫻田さんを呼び込み、『アレルヤ』を歌ってくれました。ちょっと泣いちゃった。──ぼくは初めての“Kalafina with Strings”でしたが、これ、ライヴ音源出してくれないかなあ。これまでにも何年か積み重ねているこの形式のコンサート、たぶん蓄積してる音源があるんじゃないですかね? ベストセレクション的な形でリリースしてもらえないものでしょうか。