night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

Kalafina LIVE TOUR 2015〜2016“far on the water”@東京国際フォーラム ホールA 10/11

 三連休の2日目、まずは新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(長い)へ。


東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館>もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20's Paris カリエール、アマン=ジャン、ル・シダネル…

 展示の序盤は、暗い色調で陰影のはっきりしない作品が続いて、「ふーん」という感じですが、アンリ・マルタンの作品群によいものが多くて。『野原を行く少女』という、全身に花をまとった左向きの少女のファンタジーみたいな画面、かと思えば、乖離感の強い教会の遠景の絵、小さく黒っぽく描かれた人影は『ミサからの帰り』というタイトルを見なければ見落としてしまいそう。アンリ・デュエムの『羊飼いと羊の帰還』という赤の強い絵も、いい絵だったなあ。エミール・クラウスも何枚か来ていて、木立の向こうの夕陽から放射線状に光線が描かれている絵なんかは、少しあざといけど、きれいでした。

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 新宿から中央線に乗って、東京駅丸の内南口へ。東京国際フォーラムのホールAで、Kalafinaのライヴです。Kalafina、全国ツアーの最初が国フォAの2daysで、今回はCD先行でチケットが取れましたが、なんとなくわかってはいたものの、2階席のだいぶ奥でした。

 紗幕に投影されるモノクロの雲の流れの向こうにKalafinaの三人が登場。序盤の黒基調の衣装、Hikaruがめずらしくパンツスタイルで、マニッシュなかっこよさに悶絶する私でした(^^。衣装替え後の登場は、白いもっさりした生地のドレスで、三人がステージ上に伏せると照明も相まって布地の花のように。

 前回の武道館公演から一部の曲に振り付けが入り始めて、おや、と思っていたのですが、今回は、『identify』とかだったかな?いくつかの曲で不思議な踊りが。『闇の唄』なんかは意外なセットリストだなあ、と思いながら、続けて『signal』、そしてキラーチューン『音楽』と畳み掛けていく終盤でした。

 MCは、今年の夏は猛暑日が多かったらしいけどほぼ地下のスタジオで収録の毎日だった…的な話から、引きこもりキャラが定着していて「家と仕事と本屋を往復している」というHikaruが『ちはやふる』が面白い、と熱弁していたり、Wakanaが「毎日ひとつずつ夏らしいことをするという本を読んだ」という話で、“稲川淳二さん風の怪談の話し方”の話をしすぎて、Keikoから「あとで反省会」と言われたり、といった感じで、爆笑につぐ爆笑でした。──アンコールでは恒例の、Hikaruによるグッズ紹介もあり。今回は三人それぞれのプロデュースグッズということで、Wakanaプロデュースによる「サメの柄がべべべべーとついているきんちゃく」などが出ているようですが、売れるのかそれ(笑)

#グッズでは、新譜『far on the water』のヴォーカルスコア、というマニアックなものが出ていて、Kalafinaの曲がどういう調性でどういう和声で書かれているのか、譜面にとっても興味があったのですけれど、3,200円と(実用を度外視して趣味的に買うには)そこそこいいお値段なのと、意外に大きく分厚かったので、この日はバッグを持たず小さなショルダーポシェットひとつで出てきていたぼくは、まあ買う機会はまたあるだろう、と思って、見送ったのでした。

 この日は、三人それぞれの調子も安定していて安心して聴けたし、会場のPAも絶妙で、不満な点が見つからないすばらしいコンサートでした。全国ツアーの最初の東京2daysの二日目、ということで、「昨日は初日でしたが、今日は、『出発の日』」と、うまいことを言うKeikoさん。来年1月の千秋楽、追加公演の東京国際フォーラムも、チケットが取れていますので、また日比谷でKalafinaの三人の歌を聴ける日を待ちましょう。

 セットリストはこちら。

・こいびとの昔語りの夕暮れの
・monochrome
・五月の魔法
・空色の椅子
・lapis
・輝く空の静寂には
・むすんでひらく
・misterioso
・nightmare ballet (instrumental)
・into the water
・in every nothing
・闇の唄
・believe
・灯影
・うすむらさき
・identify
・signal
・音楽
One Light
・far on the water

-encore-
・in the silence 〜 ring your bell
・storia
heavenly blue

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 有楽町の高架下のビアパブで一杯飲んでから、再び東京駅丸の内南口に戻り、中央線新宿駅経由で帰宅。