night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

モネ展@東京都美術館、そして東洋館と野外シネマ@東京国立博物館 10/2

 10月2日(金曜日)、振休を取っていたこの日は、午後から都内へ。貴重な平日の休み、金曜日はいろいろな美術館が延長開館しています。──千代田線の根津で降りてファミレスでのんびりしてから、上野公園の東京都美術館へ向かいました。

マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで

 モネ展を開催中。適度な混み具合でまずまず快適に鑑賞できました。目玉は『印象、日の出』ですが、この作品は間近に見られる立ち止まり禁止レーンと、その後ろから見られるゾーンに分けられていました(『真珠の耳飾りの少女』が来たときと同じフォーメーションですね)が、この日は、間近レーンに人が途切れるタイミングがあるくらいの混み具合。この作品の展示、照明の妙というか、あたかもアクリル板に後ろから光を当てているかのように見えるほど、瑞々しく浮き上がって見えるような展示になっていて、驚きました。こんなに明るい絵だったのか、なんて思ってしまうくらい。

 水面に浮かぶ睡蓮が空中に浮き上がっているような立体感を感じる透明度の高い絵には、すごい、と感心しましたが、この日、もっとも衝撃的だったのは、モネが晩年に描いた、赤の強い絵の具が塗りたくられた作品群が並んだ、展示の最後の部屋。ある種、強迫的に睡蓮の池を描き続けたモネという特異な画家、老いて、目が悪くなり、それでも見ていたものが、これなのだろうか…、と思いながら会場を出ました。──『印象、日の出』が10/18までの展示、そのあとはサン・ラザール駅の絵が来るそうで、もう一度来たいですね。前売券を再度手配したり。。。

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 国立博物館に廻ります。常設展観覧券を買って入場して、まずは東洋館をぶらり。


東洋館は“博物館でアジアの旅”という企画の開催中。


何度見てもすばらしい、曲面ガラスの展示ケースの、古代中国の青銅器たち


李白ペンギン(^^


“玉豚”とは?


唐三彩トリオ。


古代ペルシャのお皿、謎の鳥の人が描かれている

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 ほどよい時間になり、前庭にだいぶ人が集まっていました。この日は、“博物館で野外シネマ”という特別イヴェントの日です。昨年から始まったこの催し、前回は細田守版『時をかける少女』というこの場所にぴったりな上映で、行けなかったのが残念だったのですが、今年は杉井ギサブロー版『銀河鉄道の夜』という、これまたセンスのよいチョイスです。


 正面のパイプ椅子席にはもう座れないので、芝生に適当に腰を下ろしてもよさそうでしたが、露店で買ったシンハービールを持って、東洋館側の円テーブルに座りました。日が落ちて少し肌寒くなってきましたが、いい気候です。19時から、イヴェント企画会社の人の若干の前説に続いて、さあ映画の始まり。

 独特の神秘的な音楽が流れる、杉井ギサブロー版『銀河鉄道の夜』。話を知らない人にはたぶん難解な映画でしょう。万人にウケるようなスカッとする作品ではないのはたしかで、ぼくの斜め前あたりにいた西洋人の男女が途中で席を立ってしまったのは残念でしたが、、、ぼくは久しぶりにこの作品を見て、「鳥捕りって何なんだろう」と考えたり、ジョバンニたちがプリオシン海岸から帰ってきたときに朽ちて廃墟になっている街の描写に震えたり、…そして、最後はやっぱりちょっと泣きました。長年、不思議に思っているのですが、どうして、カムパネルラは、サウザンクロスで降りず、石炭袋をのぞき込んで「あそこにぼくのお母さんがいる」と言ってから、いなくなるのでしょう?

 たぶん観客それぞれいろいろ考えてしまうからなのでしょう、映画が終わったときの拍手がまばらだった気がします。うーん、と考え込みながら、上野東京ライン横浜経由で帰宅。