土曜日の夕方、三浦友理枝さんのピアノコンサートに行ってきました。すばらしい演奏でした。
ラヴェルのピアノ作品を、2回に分けて全曲演奏するそうで、その1日目というコンサートです。ラヴェル好きなのと、会場がすぐ近くなので、これは!と思ってチケットを買ってありました。──会場は、田園都市線の青葉台駅の隣の東急スクエアの5階にあるフィリアホールというところ。町田からだと、乗換えはあれど、ほんの15分足らずで着いてしまいます。
深い青のドレスの三浦さんが登場。まず『メヌエット』、ごく短いながらラヴェルっぽい和音の響きが満載の曲で、導入として見事。そしてそこからアタッカで『高雅で感傷的なワルツ』が始まります。曲ごとの雰囲気の転換がとても巧み。
『高雅で〜』と『マ・メール・ロワ』を続けざまに弾いたらすでに疲労困憊なのではないかと思いますが、後半は『水の戯れ』、『夜のガスパール』、そして『ラ・ヴァルス』。とくに、“スカルボ”を鮮やかに弾き倒してから『ラ・ヴァルス』に入っていく、畳み掛けるような構成に、舌を巻きます。──握りこぶしで低音鍵をぶっ叩くような大胆さと、典雅な和音の対比がすばらしい。狂っていくラ・ヴァルスの終結近くで、6音だけレガートのフレーズが割り込むところがありますが、あそこを明らかに音色を変えて柔らかく弾いていたのに、はっとしました。
アンコールは、『フォーレの名による子守唄』でした。あれ、これってピアノ曲じゃなかったんだっけ、本プログラムに入ってもいい曲なのでは? と思ってしまいましたが、調べてみたらピアノとヴァイオリンの作品だったのですね。
・メヌエット 嬰ハ短調
・高雅で感傷的なワルツ
・組曲『マ・メール・ロワ』(Jacques Charlotによるピアノソロ版)
・ソナチネ
-intermission-
・水の戯れ
・夜のガスパール
・ラ・ヴァルス
・《アンコール》フォーレの名による子守歌
終演後、三浦さんのサイン会がありました。CDを買って、サインしてもらっちゃいました。三浦さん、あまりアーティストオーラのない、どことなく同僚のおねいさん的な感じ(?)のかたですね。(^^ ──とにかく単純に過酷なプログラムだと思う(しかも全曲暗譜)ので、本当におつかれさまですし、最後まで緊張感を途切らさなかったフィリアホールの観客もたいしたものでした。
- アーティスト: 三浦友理枝,ラヴェル,シェ(ケン),オーケストラ・アンサンブル金沢
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フィリアホール、いいホールですね。存在は前から知っていたけど、意外に、これまで来たことがありませんでした。青葉台駅直結で便利だし、清潔感があります(さすが東急グループ)。室内楽向きのようで、ホール自体は小さめですが、客席の傾斜が絶妙で後ろの方でも見やすいです。休憩時間にはホワイエでワイン飲んじゃいましたが、カウンタに並んでいるパンが美味しそうだったから、パンとコーヒーでもよかったなあ。