night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

10/13(月)宮古→久慈

 10月の三連休、12日(日曜日)に、盛岡からJR山田線で宮古にたどり着き、投宿した。

 翌日は、三陸鉄道で久慈まで北上してから一気に東京に帰ろうとは思っているものの、あまり細かいことは決めていないままである。──岩手県の沿岸部に来るのは初めてだ。宮古まで来たからには浄土ヶ浜を見物しよう、と思い立ち、駅前からタクシーに乗った。港湾部は大規模な区画整理が進行中だった。


ビジターセンターの横から、海岸沿いの遊歩道に下りることができる。歩いて行くと、、、


ありゃっ。高波のため通行止めになった。


高台の展望台に上ると、…あの浜辺が有名なところか。あそこまで行ってみよう。しかし海岸沿いに行けないため、山肌を巻いて行く車道を進む。アップダウンがあるのでかなり疲れる。


やはり奇観だなあ。

*

 園内シャトルバスでビジターセンターに戻り、電話でタクシーを呼んだ。宮古駅まで、路線バスも無くはないのだが、本数が少なすぎて、残念ながら使い物にならない。


 宮古駅近くの商店街では復興まつりを開催中だった。見ると、さんまを無料で配っていて、大勢の人が七輪で焼いて食べている。これはすごい。

観光客のおばさんが、「これ持ち帰っちゃダメなの? 時間がないの。」
商店街のおばさん「ここで食べていただかないと。賑わいを創出していますので。」
…なるほどね。



 ──ぼくも時間がないのだった。11時03分発の三陸鉄道北リアス線に乗り、北へ向かう。

*


 田老。車内の観光客がそわそわと立ち上がって、写真を撮る。運転士が静かにアナウンスする。「こちらは宮古市の田老地区です。東日本大震災では津波の被害がとくに大きかったところです。高さ10メートルのスーパー防潮堤、万里の長城とも呼ばれる、X字型の防潮堤が有名でございますが、その高さをはるかに超えて津波が押し寄せ、160名の貴い命が犠牲となりました。」
 観光客はみな黙ってしまう。


 小本駅付近。大規模な地盤かさ上げ工事が行われている。




 島越駅の付近。北リアス線の運転再開まで、最後まで残った区間。ほとんど新線建設のような工事になったようだ。



 堀内駅。『あまちゃん』の「袖が浜駅」で、観光客が写真を撮るために数分間停車してくれる。


 この鉄橋でも少し停車。「夏ばっぱが大漁旗を振ってアキを見送ったところです」なんてことまで、アナウンスしてくれるのね。


 陸中玉川付近。海岸沿いはやはり工事中。



 12時42分、久慈駅に到着した。



 駅前には北三陸観光協会が(^^;

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 久慈まで来たものの、『あまちゃん』の小袖海岸まで行きたいけれどどうやって行こうかしら、タクシーかな、と思いながら駅前をうろうろしていたら、駅前広場の端から、路線バスが出るのを見つけた。土・日曜日の日中帯に30分おきに出ている、臨時路線バスだそうだ。とは言え他に観光客はおらず、ぼく1人だけで発車した。

 30分弱かかるようだ。久慈の街なかを出て、海岸沿いの県道を進むが、途中、舟渡というところで、「観光車両通行止め」として、駐車場を設けて観光客をバスに乗換えさせているようで、何人か乗ってきた。地図を見ると小袖海岸まではまだだいぶ手前だけれど、どうしてかな、と思っていたが、バスが進むと謎が解けた。断崖に貼りついたような狭隘道路で、こりゃこんなところに観光客の車を入れたら大変なことになる。そのために30分おきに路線バスを出しているのか。


 荒々しい海岸だ

 小袖海岸に到着。



いつでも夢を〜♪(^^


監視小屋。




防波堤の突端にある、灯台。「海死ね」という落書きは残っていませんでした。(^^;


ここで実際に海女さんの素潜り実演をしているそうですが、いまはシーズンじゃないので。。。


それにしてもこのしめ縄、すごいよね…

 まめぶ汁を食べて、帰りの路線バスに乗った。──それにしても、こうやってぼくみたいな観光客が来ちゃうから、大変なんだろうなあ。ここの人たち、一日中「んちゃ、んちゃ」っていうあの曲を聞いているのだ。そして、路線バスが出るとき、観光協会の人たちが、ミニサイズの大漁旗を振ってお見送りしてくれた。びっくりしました。

*


 さて、久慈駅に戻ってきた。ここから鉄道で東京に帰るには、八戸線で八戸まで出て新幹線に乗るのが順当だけれど、次の八戸線は17時00分、八戸まで約2時間かかる。一方、16時40分発のJRバス“スワロー号”で二戸までショートカットするという方法もある。こうすると、八戸に出るよりも早い新幹線に乗ることができて、東京に着くのが早くなる(^^;。とは言え、三連休の最終日、かつ、自由席のない『はやて』『はやぶさ』なので、指定席が取れるかどうかという問題もある。──結局、“スワロー号”に乗ることにして、“えきねっと”で予約していた八戸から上野までの特急券を、二戸からに変更した。山峡の県道を走るうちに夕闇に覆われ、バスの中では眠ってしまった。

 台風が近づいており、関東から西はだいぶ天気が悪いようだ。早く帰ってしまった方がよいが、指定が取れている新幹線まで一時間あまり、二戸駅で時間をつぶすことになってしまった。夜の二戸駅前は、開いている店のひとつとして無く、深閑としている。新幹線が通っても地方の駅はこうなのだなあ、と思いながら、少し離れた国道沿いのローソンまで無意味に往復したりした。なにも二戸で時間を余らせなくてもよかったなあ、などと思う。──二戸19時08分発の『はやぶさ80号』で上野まで帰った。関東が台風の影響を受ける前に帰れてよかった。