night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

ミュージカル『レディ・ベス』@帝国劇場5/4

 平野綾さんがダブルキャストで主役を張っている、東宝ミュージカル『レディ・ベス』を見てきました。初見だったけど、とても面白いミュージカルでした。これぞエンタテインメント。ぞくぞくするアンサンブルあり、各キャラクタに見せ場あり、息を呑む感情の演技あり、そして、華美な衣装あり!

 連休中に、2階最前列というかなりよい座席を買えたのは幸運でした。休日マチネの帝国劇場、開演が12時なんだよね…ちょっと早いのですが。客席は若い女性がほとんど。うーん、なんか俺、場違い感があるぞ(^^; ──新作ミュージカルだけに、どんな舞台が繰り広げられるのか前知識がまったくないので、興味津々です。まず驚いたのは、舞台いっぱいに広がる時計の文字盤をあしらった回転盤。これ、回るだけじゃなくて角度がついて持ち上がることで、たくみな場面転換を実現しているし、斜めになった地面で芝居が進行する、不安定さみたいなものも表現しているのかな、と。背景にも黄道十二宮を描いた大きな円環が。

 メアリ女王治下のイングランドで、女王の異母妹であるベスが、女王に抹殺されそうになりながらも、エリザベス1世として即位するまでのお話。1幕であれだけふてぶてしかったメアリ女王と、最後にいきなり和解しちゃうのは、ちょっと超展開すぎる気もしましたが、それは、1幕ではまだ生まれが高貴なだけでまだ考え方の幼い女の子にすぎなかったベスが、女王の孤独と失意に触れて、自らも別れを経験して、王位を継ぐ自覚に目覚めていく、その過程でもあったのでしょうね。

 とにかくキャラ立ちの濃い作品で(笑)、メアリ女王・ガーディナー司教・スペイン大使の邪悪三人組が揃うとコミカルっぽくもあり。また、フェリペ王子その他の若い男性アイドル俳優さんたちも、ぼくの目からするとちょっとキモチワルイくらいの演技なんですが、そのへんはこの興行への女性客の動員に直結しているのでしょうから、まあしょうがないね、と(ぼくだって平野綾さん目当てで来ているので、お互いさま、という感じです)。──平野さん、今さらながら改めて思いましたが、歌うまくなったよね。不安を感じるところがまったくありませんでした。1幕に『我が父は王』っていう見せ場のナンバーがありますが、堂々とした歌唱でちょっと感動しました。そして、終盤、ロビンとの地位が隔絶する、別れの場面には、息を呑みました。いいお芝居だったと思います。