night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

旅行の始まり(町田バスセンターからパディントン駅まで)

 3月19日(水曜日)、前夜から一睡もしないまま、朝6時50分のバスで町田バスセンターから出発した。──かなり無理がある状況で休みを作ったので、準備も何もなく、荷物と言えばとりあえず着替えを詰め込んだ程度だし、航空券を買ったのもわずか3日前だった。3日前に欧州行きの直行便が取れたってのもすごいよな、とも思うけど、どうにも現実味のないまま、成田空港へ。

 海外旅行は2年ぶりになる。今回は、3連休とからめて合計6日間の休みが作れたので、なかなか行けないところに行こう、本物のヨーロッパに行こう…ということで、英国・ロンドンを目的地に決めた。欧州で、行ってみたい都市はたくさんあるけれど、やはりロンドンこそが“世界の首都”だよなあ、と。シャーロック・ホームズだとか、エルキュール・ポワロだとか、子供のころから一番親しみのある西洋文化って、やっぱり英国のそれだものね。。。そして、ウェスト・エンドで『レ・ミゼラブル』を見たい、という念願もあった。

*

 ということで成田空港第2ターミナルから、11時45分のBA4601便で出発。ブリティッシュ・エアウェイズの便名で航空券を買ったが、JAL401便とのコードシェアで、日本航空の機材だった。──ヒースロー空港まで12時間。なにせぼくは、これまでに飛行機で行ったことのある最も遠い場所が香港である。いつの間にやら機内が暗くなって強制睡眠時間みたいになるのも新鮮な体験だったけれど、眠ろうにもエコノミーの座席はとにかく狭くて寝苦しく、しかも3列座席の真ん中。セーターを着ていたら暑くて汗をかき始め、途中で脱いだりもしていた。


JAL機内食。おいしい。

 ルートマップがバルト海上空を示しているあたりで2回目の軽い機内食が出て、12時間をしのいで、いよいよ到着。川沿いの田園地帯と、整然とした英国の街並みが窓の外に見えてきたときは、ちょっと感動した。──隣席の若い西洋人男性(米国の旅券を持っていた)が、「テムズだよ。」と声をかけてくれて、「おお…、ロンドン?」と間の抜けた声をあげてしまった。(笑)

 腕時計を英国時間に切り替えて、ヒースロー空港に着陸したのは3月19日の15時半頃だった。イミグレーションは“UK/EU Passport”と“それ以外”に分かれており、“それ以外”のほうは覚悟はしていたものの長蛇の列だった。30分くらい並んでやっと入国。

 ATMにクレジットカードを入れて英国ポンドの現金を手に入れてから、地下のプラットホームからヒースロー・エクスプレスという急行列車に乗る。17時02分発、片道21ポンド、たった15分でパディントン(Paddington)駅に到着した。


ヒースロー・エクスプレス(Heathrow Express)。Terminal 1,2&3駅からLondon Paddington駅まで、Expressならたった15分。15分おきに出ている。Heathrow Connectという各駅停車なら27分だそうだ。



パディントン駅。

 前日の夜遅くまでガタガタと仕事していて、ここまではずっと、意識の上で半信半疑の状態だったけれど、列車を下りてとりあえず歩行者のゲートに出て、石造りの建物に挟まれた通路の向こうに、人々が歩き、タクシーや赤い二階建てバスが行き交う通りが見えたとき、…うわあ、本当に来てしまった、と不思議な感慨を覚えた。

 客待ちしていたタクシーの運転士に声をかけて、ホテルの名前と住所を告げた。さあ、ロンドンの休日が始まります。