night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

LFJ2023 “Beethoven”

 4年ぶりのラ・フォル・ジュルネ東京です。東京国際フォーラムで、5/4、5、6の三日間開催。5月5日(金曜)に日比谷へ出かけました。


ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023「Beethoven ─ベートーヴェン」

 聴いたのはこれ。

公演No.223 5/5(金) ホールC“エレオノーレ”15:30-16:15
・ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 op.97「大公」
 萩原麻未(pf.)/神尾真由子(vn.)/横坂源(vc.)

 かなり贅沢な顔ぶれのプログラム。──そして、座席が、まさかの、1列目でした。前日に発券したチケットをよく見てなくて、会場ドアを入ってから目をむきました。ステージに演者が現れたとき、白いドレスの神尾真由子さんの姿に客席から溜息が一斉に上がっていました。おきれいな方ですよね。萩原麻未さんも、この方がもう三十代半ばの中堅世代であることにちょっと意外の感を受けてしまいましたが、そりゃそうだ、もう2023年なんですから(すごく若い新人ピアニスト、みたいなイメージをいまだに持っていた)。

 国フォのホールCでピアノトリオという、普通に考えたらちょっと無理のある会場設定でも、最前列で聴けたらそれはすばらしいことです(すこし見上げるような体勢になってしまうことを除けば)。ヴァイオリンとチェロの交わし合いみたいなところの妙味を感じられたのは、これだけ近ければこそかも。ピッツィカートは、これこの会場でどう聞こえてるのかな、とは思ってしまいましたが。しかしそんなささやくようなところから、重音をぐいぐいと弾きまくるフォルテまで、レンジの広い演奏を最前列で浴びて、楽しめました。萩原麻未さん、なんだか、全身を体重移動しながら弾いているかのように見える、すごい弾き方をするかたなんですね。とても息のあったアンサンブルでしたし、熱演でした。アンコールはなし、カーテンコールでは3回くらい出てきて、最後は萩原麻未さんがにこにこしながらお手振りして、おしまいでした。

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 4年ぶりのLFJ東京。有料公演の会場はホールA・C・D7の3つだけ、プログラム数はほとんど半減、海外アーティストの招聘も減りました。地下の展示ホールは開放されず、物販や放送ブースなどはガラス棟の地階で狭苦しくやっていました。そんな、昔と比べたら淋しい状況ですが、KAJIMOTOが擁する日本人演奏家のプログラムが増えてるようなのは良いことだと思います(この日はこの前に前橋汀子さんが出演していたそうです)。

 でも、規模は小さくても、それでも、ちょっと感慨がありました。よく復活させてくれたものです。年に1回の仕事を3回も飛ばしたら、もう一度作り上げるのは、組織にとって大変なことではなかったかと思うのですが。──中庭ステージから聞こえてくるヴァイオリンの演奏を聴きながら、ぼくもビール飲んで、屋台飯とか食べちゃって、LFJ東京というフェスの空気を吸ってから帰りました。