night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

12/3(土)大山の南東側を日向薬師へ

 朝、友人と伊勢原駅で集合した。寝坊して遅れてしまい、申し訳なし…。大山ケーブル行きの路線バスは登山者で大混雑。20分に1本程度の本数だが、まったくさばききれないほどで、大山ケーブル直行の臨時便が出たりしている。

 “明神前”バス停で下車。あたりは新東名高速の建設工事現場であった。


 県道沿いに「安産守護 比比多神社」という石柱を立てた神社がある。安産守護の「子易明神」と呼ばれているらしく、そういえばこのあたりの地名は「子易」である。


 鮮やかなものが堂内に飾られているな、と思ったら、横の方に説明看板が。「板絵着色歌川国経筆美人図絵馬」、神奈川県指定重要文化財とのこと。歌川国経とは文化年間に亡くなった絵師だそうだ。


 あたりは、陽当たりの良い斜面に、みかん畑など。──宗源寺という曹洞宗の寺院がある。その横から、少し山中へ。


 熊や猪が出る、と地元の人に脅かされながら、林道を歩いて行った。よい天気で、途中、江ノ島あたりの相模湾の海岸線がよく見えるところもあった。


 猪捕獲の罠。

 結局、3時間以上も林道を歩き続けた。鹿の糞が転がる日陰の斜面で、座って休憩もできず、疲弊したりしたが、最終的には日向薬師にたどり着いた。


 立派だが妙に綺麗すぎる。日向薬師とはその開山が行基にまでさかのぼるという、このあたりでは歴史のある霊場で、名前こそ知っていたものの、もっと古びているところだと思っていたのだが…、どうやら、350年ぶりの大修理が、つい先月に落成したばかりだということだった。宝物殿には立派な薬師如来日光菩薩月光菩薩、四天王に十二神将が安置されている。鎌倉時代の仏像の大作たちが、こんな坂東の鄙の地に残っているのだ。これはすごい。


 ぼくたちは裏の車道を歩いて登って来たのだが、正面の参道を入って来ると、木立の向こうに本堂の大屋根が見えてくる、という景観だったのだね。

 そして、路線バスで伊勢原駅に帰投した。この日は友人と一緒に、目的地不明の感がありつつ、あまり面白くもない林道を、てくてくと歩いたのだが、最後にたどり着いた日向薬師が思いのほか立派な寺院であったので、なんとなく満足であった。