小田原に泊まった翌朝、東海道線の下り列車に乗って、根府川で下車。
根府川駅。海の見える無人駅だ
早く着きすぎたので根府川の集落を歩く。しかし歩道のない狭い県道に、意外に大きなダンプトラックが行き交うので、危なくて歩けない。
東海道本線の根府川橋梁を見上げる
白糸川の釈迦堂。薄暗い穴ぐらに下りると岩肌に掘り込まれたお釈迦様がいる。なんでこんなところに、と思ったら、このあたりは関東大震災で甚大な被害を受けていて、この釈迦堂も埋没してしまって今のような穴の中にあるのだそうだ。
バイパスを横断すると海岸に降りられた。──ピントが合わなくて、怪しい写真が撮れてしまった。杉本博司の『海景』みたいじゃないか
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「小田原文化財団 江之浦測候所」というところがある。「測候所」とはいっても気象庁の施設ではない。現代美術家の杉本博司氏が作った、美術館でもあり庭園でもあり、これ自体がインスタレーション作品でもあるような、謎の施設である。江之浦とは根府川の駅から奥に行ったところにある集落の地名らしく、根府川駅から送迎バスが出ていてそれの利用を込みで事前にインターネット予約をすることになっている。(ちなみに、インターネット予約はぴあのシステムを利用していて、セブンイレブンで事前に発券が必要。ここに来る前に小田原のセブンイレブンで済ませておいた。根府川にはセブンイレブンというかコンビニエンスストアなんてものはない)
■江之浦測候所
根府川の駅前にマイクロバスが来た。これに乗って行く
「甘橘山」とある。
謎の円空仏。蜂がぼろぼろに穴をあけてしまっていて、ちょっと不気味
明月門。
大谷石とガラスのギャラリーが、海に向かって真っすぐ伸びている。夏至の日の出の方角を指しているとのこと。中には、杉本氏の『海景』シリーズが展示されている
この庭、いいな
こちらは冬至の日の出の方角に向かう参道
その先端からはおだやかな海景が見える
ガラスの舞台。
海に向かう斜面は森の中の散策路になっている。もともと蜜柑の山だったそうで、農作業のレールがそのまま残されていたりもする。
「数理模型0010」。似たものが大手町の再開発街区に立ってますね
鎌倉時代の五輪塔と、「数理模型0004」
室町時代のもので、広島原爆の爆心地近くにあったという「被爆宝塔塔身」。もみじの木にゆるやかに守られているようだ
春日社。奈良時代の礎石を持ち込んで、春日大社から御霊を勧請したのだそうだ
大きな石がそこここにあってそれがいちいち白鳳時代や奈良時代のものだったりするというし、縄文時代の石棒や江戸時代の石仏などが次々と現れる。もはや何が何だか。不思議なところだ。
庭も手がかかっているんだよなあ
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マイクロバスで根府川駅に戻った。ここからはもう帰るだけなのだけど…
根府川駅の、「関東大震災殉難碑」。関東大震災では、地滑りが起きてちょうど駅に入ってきた列車が海に押し流されるという、大惨事になったのだそうだ。あの大鉄橋も落ちたという
このまま小田原に戻るつもりだったが、なんとなく、早川で下りてみた。
歩いてすぐのところに漁港があって、観光地になっている。
根府川では食事をするところが何もなく、おなかがすいていた。アジのたたき定食。
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このあと、まだ時間も早いので、箱根板橋駅まで歩いて、登山電車で箱根湯本へ。
日帰り温泉施設『箱根湯寮』でのんびり…
そして夕方17時46分の特急ロマンスカーで、町田に帰った。