ゴールデンウィーク前からずっとやってるのに、まだ足を運んでいなかった。早くしないと終わってしまう(8月29日まで)。
なんか近世風のコスプレをした自画像とかのあと、おかしな方向に行く前の肖像画が、ほう、と思ってしまう美しさ。
「イタリア広場」という形而上的広場(?)の光景、キリコっていうとたしかにこれ有名だよね。山際が黄色くて、深くなると緑になる、謎の空の色が頻繁に出てくる。また、『白鳥のいる神秘的な水浴』という、水面の波をギザギザの線で表現している絵があったが、このギザギザはどこを基準にして描きだしているのだろう…と見入ってしまった。
晩年の、部屋の中の太陽と空に浮かぶ太陽が接続されているような絵たち、不思議な絵だけど、自分の内と外界の対比、みたいなことなのかなあ、とは思う。ただ、そこに描かれている「太陽」の形が、これ、「ヴェルギナの星」なんじゃないかなあ。デ・キリコってイタリアの家系だけど出身はギリシャで、たぶん物心つくくらいまではギリシャで育ってる人だよね。──太陽が自己の暗喩だとしても、それをイーゼルに乗っけて客観視してるようなところもあって、でも、…わからないな。
これ、ちょっとおもしろくないか。“ルノワール風デ・キリコ”だ。
いま気がついたけど、この絵の人物にも、胸に太陽(?)があるね。