night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

3/28(木)奈良、薬師寺

 無理矢理な感じで休暇を取った。今年は本当に日々に疎い。もう年度末である。3月28日(木曜日)、新横浜から10時39分発の『のぞみ223号』に乗って、新幹線の中でもやりきれなかった作業をこなしていて、一息ついたらすでに時速285kmで関西に投げ込まれているところだった。新幹線が適度に空いていて作業に集中できたのは助かったが、そうやっていると時間の経過がよくわからなくなる。──京都駅で下りて、近鉄の乗り場にやって来たら、なんだかほっとした。またここに来られたな、という気がした。

 12時50分の近鉄特急に乗って、奈良方面へ。今回は特にあてもなく奈良をぶらぶらする休暇を過ごそうとしている。まず西ノ京で下りた。

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 西ノ京駅で近鉄電車を下りると、薬師寺の大講堂の裏側の拝観口から入るような格好になる。“白鳳伽藍”と言って有名だが、主要な建物は昭和末期から平成にかけて大掛かりな再建が行われている。しかしその中でも、つい最近に全面解体修理が成った東塔は、唯一、創建当時から残る建築である。


 東塔。これが奈良時代からここにあるというのだから、なんというか、悠久の歴史の風景である。そして、1300年ぶりにそれをすべて解体して、12年間をかけて、直す部分は直してまた組み立てなおした、というのだから、さらにすごい。中には入れないが、一層目は外から見えるようになっていて、お釈迦さまの生涯をあらわしたジオラマのような像(あれはブロンズなのかな?)を見ることができる。


 金堂

 金堂では法要が行われていた。風が強い日で、五色の幕がバタバタと煽られる中、経の朗誦が響き渡る。だんだん盛り上がって、法螺貝や太鼓や鐘が唱和し始めると、大変力強いあまり、もはや混沌に近かった。黛敏郎あたりにこんな曲があったような気がする、などと連想したが、それはもしかしたら概念の逆輸入というものなのかもしれない。──金堂には、やはり奈良時代の、薬師三尊像が安置されている。


 看板を写したものです


 回廊の裏にある、東院堂。これも国宝で、鎌倉時代の建築だそうだ。ここの聖観世音菩薩立像が非常に優美で、すばらしかった


 ちょっと外れると人も少なくて、気持ちが落ちつく。