night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

マティス展 @東京都美術館 5/14

 西洋美術館からはしごして、東京都美術館へ。こちらはマティス展を開催中。なんでも、日本でマティスの回顧展は20年ぶりなのだそうだ。こちらは時間指定予約制を続けていて、この日の朝の時点ですでに16~17時という最後の入場枠のチケットしか取れなかった。閉館は17時半である。──だが、16時15分頃に行ってみると、入場口に行列が形成されていた(こういう時代になって約3年になるけれど、時間指定なのに行列させられることにいまだにあまり納得がいっていない)。若い人が多い。これはどういう現象だろう? 展示は一部撮影可。


東京都美術館マティス展

 パリのポンピドゥー・センターから多数が来日しているようだ。マティスというと原色のヒトガタが踊っているような作品を思い浮かべるが、そういうのが出てくるのは戦後で、展示の終わり近くの方(いや、それはそれで面白いのだけど。意外と)。こんな作品、ちょっとぐっときちゃうじゃない?


 マティスという人は最初の頃はフォーヴィスムキュビスムに傾いていたようで、ぼくが一番いいと思ったのはこの人物像。『白とバラ色の頭部』(1906年)。縦の線がリズミカルなのにまず気を取られるけど、首のペンダントがさりげなく主張している感じ。ポストカード買っちゃった。

 開いた窓の向こうに真っ暗闇が見える不気味な絵(『コリウールのフランス窓』)も印象強かった。1914年、戦争が始まって近しい人が兵隊にとられていった頃の絵だという。
Porte-fenêtre à Collioure - Centre Pompidou

collection.centrepompidou.fr

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『夢』(1935年)


『黄色と青の室内』(1946年)

 最後の章は、マティスが晩年にヴァンスというところ(南仏の海岸近くの高台にある町らしい)でデザインした礼拝堂の紹介だった。晩年の彼のぐにゃぐにゃした植物紋様のモチーフが、青と黄色のステンドグラスになって、モダンデザインの白い礼拝堂をやわらかい光で満たしている、すばらしい瞬間の映像で、見入ってしまった。