night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

『Eir Aoi 10th Anniversary LIVE 2022 ~KALEIDOSCOPE~ History of 2011-2022』@横浜アリーナ 11/13

 日曜日、藍井エイルのアリーナ単独ライヴ。開催することは知っていたけど、一週間くらい前にまだプロモーションしているのを見て、えっチケット余ってるの?!と。プレイガイドの一般発売を見に行くと、これが、買えるのでした。まじか…超大手企業(ブ○ロード)と日程がぶつかったからかな…とか思いながら、入れるなら入ろうじゃないか、と思って、チケットぴあの一般発売の最終日(水曜日)に買ってしまいました。ぼくが行きやすい横浜アリーナだからというのもありました。例えばもしこれがさいたまスーパーアリーナだったら買わなかったかもしれません。

 …などと、やる気のないようなことを書いているけれど、藍井エイルがものすごいシンガーであることは、自分なりに理解しているつもりです。活動休止前の最後の日本武道館ライヴに行ったときも、こんなにすごいシンガーがこのシーンからいなくなるなんて、惜しい以外のなにものでもない、と思っていた*1し、その後、彼女が活動再開してからも、リリースこそ追っていなかったけれど、折に触れて彼女の歌声に接することはあったし、コロナの時代が始まって世界がどんどんおかしくなり始めたときに、ふとインターネットで見た『シンシアの光』の彼女のパフォーマンスに、あのときは勇気づけられたと言っても過言ではありません。──エイルがどんな歌手になったのか、見てみたくて、チケットとペンライトだけ持って新横浜へ出かけました。

 小雨模様の中、横浜アリーナに入りました。大規模ライヴに来ることもめっきり少なくなったけど、入場口に行列して、簡単な荷物検査と、手のひらをあてる適当な体温検査、そして紙チケットは昔のようにスタッフがもぎってくれました。ほとんどコロナ前と同じようなイヴェント運営に戻ったようです。ぼくの座席は南スタンド、その中でも限りなくサイドに近い位置で、ステージ向かって右側の大モニタが辛うじて見えなくもないという角度、ステージセットや中央の奥のモニタはほぼ見えませんでした。(横浜アリーナを「横に使う」ステージ形態だったことが若干話題になっていましたが、ぼくはむしろここを「縦に使う」ライヴの記憶がないなあ。) 一般発売のチケットを直前ぎりぎりの時期に買ったので、まあそんなものだろうとは思っていたけど、思ったよりも本当に端っこだな、とも。そんな天空席は、1席空けで売っているのか、左右とも空いていました。これは助かるけれど、ブロックの1列まるごと空いているところもあり、売りきれなかった様子ではありました。

MEMORIA
・AURORA
・シンシアの光
・(MC)
・KASUMI
・サンビカ
コバルト・スカイ
・グローアップ
・(intermission)
・星が降るユメ
GENESIS
・鼓動
・MC
・心臓
・ANSWER(新曲)
・流星
シューゲイザー
・(instrumental)
・虹の音
・約束
・(MC)
PHOENIX PRAYER
・翼
IGNITE
・INNOCENCE
シリウス


-encore-
・HELLO HELLO HELLO (*)
・YeLL (*)
・HaNaZaKaRi
ラピスラズリ


(*) w/ 日本工学院専門学校ダンスパフォーマンス科のみなさん

・というか、知らない曲ばかりでもべつにいいかと思って行って、スタンドの端っこに座り、始まっても周りはやはり立ち上がらない雰囲気で、こんな辺境の席じゃあね…ステージセットも見えないしね…と思っていたら、幕開けから『MEMORIA』に聴き入ってしまい、ぼくは早くもちょっとじーんときていました。
・2曲目の『AURORA』からは、周りは立たないけどちょっとこれはもう立たざるを得ないぞ!(?)という感じになり、その次が『シンシアの光』だもん。そんなのありか…! これは燃える!
・最初のMCでは、「カレイドスコープの世界にみんなを迷い込ませたいと思います。…迷え…」みたいなことを話していましたが、なにがどうカレイドスコープだったのかはよくわからず。ステージセットや演出がほぼ見えない席だったからか?
・語りの入った映像コーナーも、映像が見えなかったのでわからなかったものの、ただ、語りには、ああ、これがエイルの言葉なんだろうな、と思わされるものがありました。
・『コバルト・スカイ』ではタオルをぶんぶん振り回させ(ぼくはタオル持ってなかったのでペンライトを振ってましたが)、『グローアップ』では、おっとっと、みたいなフリが楽しいコミカルな曲で、センター席の前の方は振りコピってるのが見えましたね。
・前半は黒のシースルーっぽい衣装、後半は白い衣装で、羽織ってるのを脱ぐと肩が出てる衣装でした。
・たしか『約束』のアウトロのあとでしたが、ドラムスがビートを刻みだして、しばらくそれが続き、「…入り込んじゃってた。メンバー紹介でした。」と、これは本当に忘れていたようです。──アンコールのとき、この事件に言及して、「横アリには魔物がいるよとアドバイスしてくれた先輩がいたんだけど、魔物がいました」なんて話していましたが、…誰ですかね、その先輩って(^^
・最近の曲では『流星』あたりめちゃめちゃかっこよかったですね。『翼』がいつ来るのか入るのかドキドキしてたんですが、短いSEを挟んであのイントロが来たときは鳥肌立ちました。
・アンコールを求めるオーディエンスは、しかし声を出せないので拍手を続けるスタイルが定着している昨今ですが、この日は「ぱんぱんぱん! ぱんぱんぱん!」という手拍子をするというかたちでした。これ、「えいえいるー!」スタイルなのかな?
・アンコールでは青いグッズTシャツを着てきたエイル、センター席の外周をトロッコに乗って一周していました。曲は『HELLO HELLO HELLO』で、オーディエンスのペンライトが一斉に黄色に染まりました。エイル、トロッコに乗るの、夢だったんですって。へえ、フェス系のライヴとかで乗ったことないのかな?と意外に思いましたが、単独アリーナライヴが初めてだというのなら、そうなのかも。このパートではダンサーさんも大勢出てきて、あれ40人くらいいたんじゃないかな。楽しそう。日本工学院のダンスパフォーマンス科のみなさんだったそうです。


 ぼくがこれまでに唯一、エイルの単独ライヴを見たのが、2016年11月5日の『LAST BLUE』日本武道館でしたから、ちょうど6年たったのか。ライヴのスタイルはあまり変わってないと思いましたが、…ああ、普通に笑う人なんだ、って思って(?)、それはよかったと思いました。エイル、あまりパーソナルを出していくタイプの人ではないのだろうと思っているのだけど、ぼくが知らないだけなのかな? ──このライヴはデビュー10周年という題目もあったようですが、活動休止期間があったので実際にはまだ9年数か月だと話していましたが、細かいことはいいでしょう。あの声の伸び、あの強さと、音程の不安のなさは、ほんと、維持してるのはすごいことだと思いますし、エイルという実力のあるシンガーのステージに立ち会えたこと、それだけで価値のある日でした。

*1:あのときの自分の日記記事を読み返すと、今となってはなんだか気恥ずかしい。あのときは、何かに憑かれたようなエイルの気迫に向き合って、本当に、歴史の終わりに立ち会った、と思ったのです。