鎌倉に散歩に行った。まず小田急で藤沢に出て江ノ電に乗り、極楽寺で下りた。線路がトンネルに入る手前にある停留所で、駅の裏手に回ると、その名のもとになった極楽寺がある。
成就院、極楽寺坂切通
少し歩くと、鎌倉七口のひとつ、極楽寺坂の切通しがある。車の通れる広さの坂道が通じているが、その脇を登って行く歩道があり、その上に成就院という寺院がある。
不動明王。
極楽寺坂は、1333年の鎌倉攻防戦の際に主戦場の一つになった場所である。鎌倉の府内の入口にあたるこの道を固く守る北条方に対して、新田義貞は、ここをどうしても攻め抜くことができなかったため、夜陰の引潮に乗じて稲村ヶ崎の波打ち際をすり抜けて、府内に攻め込んだわけだ。現在の道路が当時の道筋と同じというわけではないようだが、地形が大きく変わっているわけではないだろうし、そのときの戦争で成就院は焼け落ちたという。
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切通しの道のふもとには、成就院が管理する境外仏の、虚空蔵堂がある
海が見える住宅地。なんだかすごいサボテンが生えてるぞ
長谷寺
長谷寺に来てみた。ここは天平年間の開創だというからすごい。本当なのだろうか
豊かな水を使った庭園が広がっている
ちょっと圧倒される
こういうの、どこが起源なのだろうか
押し出しの強い構えの、本堂。ここの本尊は大きな十一面観音菩薩像で、相対して見ると、威容に圧倒される。奈良の長谷寺の観音さまと一緒につくられたうちの片方がこれであるという伝説があるそうだ
見晴らしがいい。鎌倉の有名なお寺でも海がこれほどよく見えるところはあまりないと思う。平日に来たのでそれほど人も多くなくて、気持ちのよい日だった
ちょうどおなかがすいたので、レストランで豆のカレーをいただいた
経蔵には本当に書物が収納されているのが見えた
弁天窟にも入ってみた
裏山に見晴らしのいい散策路があったり、暗い洞窟めぐりがあったり、わりとテーマパークっぽい場所ではある。だが、「ミュージアム」では、嘉暦元年とか元徳二年とかの銘文のある懸仏が並んでいるのにも感心したし、江戸時代の十一面観音と、その周りを囲む『観音三十三応現神立像』──観音菩薩がさまざまな姿に変化して現れたという神像──の展示は迫力があった。
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長谷駅から江ノ電で鎌倉駅に出て、鎌倉歴史文化交流館へ。ここ、開館したのは2017年だが、これまで来たことがなかった。
出土物に宋の青磁があるのは、(すごいけれども)ある意味では納得なのだけど、これほど色鮮やかな漆器が出てきているということには驚いた。地下水位が高いため朽ちずに出土したものということだ。
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このあと、鎌倉駅の近くにある妙本寺などを散歩してから、江ノ電で片瀬へ、そして小田急で帰った。
江ノ電の車両、LEDの芸が細かい。