ドイツの現代アーティスト、ゲルハルト・リヒターの個展。名前は聞いたことがあるけれど、どんな作品があるのかまったく知らずに行ってきた。
大きなサイズのドローイングが並んでいて、所せまし、という感じ。──というか、ここ東京国立近代美術館は、古い施設だからか、天井が低いのだ。もっと大きな空間だったら違う印象だったかもしれない。
あえて実写のイメージを使いながらそれを揺るがせるような、不安を感じさせるドローイング
これは、見つめていたら目がちかちかしてきた
大作、『ビルケナウ』の部屋。
普段から、抽象的な現代アートに対して、無意識のうちに「何が描かれているのか」を読み取ろうとしてしまう自分がいて、でもそれって違うんだろうなあ、と思っているのだけれど、この人の作品は、そういうつまらない解釈をしようとする意識のベクトルを、ものすごい勢いで拒絶してくるので、見て回っていると、だんだん浮遊感が出てきた。
さまざまなテクスチャに夢中になっていた。とても面白い。