night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

長谷川潔展 @町田市立国際版画美術館 8/21

町田市立国際版画美術館>長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―

 長谷川潔とは、1918年に渡仏してから、二度と日本に帰ることなく、フランスで活動し続けた版画家だそうだ。戦時中には敵国人として収容所に入れられたこともあったという(昭和20年のことだそうなので、パリ解放後ということなのだろう)。──ぼくは作品を目にしたことはこれまでにもあったと思うが、まとめて見るのは初めてだ。


 初期の作品。


 藤田嗣治の絵にもちょっと似てるよね


 精緻なレースの描き方に驚く


 斜めに交差した下地が、独特の視界を作っている。不穏に暗い空。


 柵越しの世界。


 枯れているのに不思議な生気を感じる、不思議な絵だ。細い線なのだけど、不思議と、硬さは感じない。

 また面白いところでは、フランス語訳『竹取物語』(La légende de la demoiselle de lumière)が多数展示されていた。平安王朝風の挿絵を、長谷川潔が手掛けたものだそうで、こちらはわりと硬質な線で描かれている。

 戦後の、黒い背景の世界──「マニエール・ノワール」の作品たちが、すばらしい。

 ガラスに光が映り込んでしまって、なんだかぼんやりと撮れてしまうのだけど。──闇の中に浮かび上がっているのは、いったい何なのか、考えていた。

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 窓ガラスに透明のシールで、この展覧会のポスターヴィジュアルのデザインが浮かんでいるのだけど、ちょっと見えにくいですね


 美術館の背後、こんな散策路があるのか。でもここ(芹が谷公園)は、地形的に谷間なので、どうしても薄暗くじめじめしてしまうんだよなあ。