喫茶店でトーストとコーヒーで軽食にしたあと、矢場町駅から地下鉄を乗り継いで、ヤマザキマザック美術館へ行った。
ヤマザキマザックとは産業機械のメーカで、とは言ってもよく知りませんが、そこの創業者のコレクションを展示する美術館なのだそうだ。美術館は地下鉄の新栄町駅から直結のビルの中にある。平日の午後とて、人はほとんどいない。──ちょっと渋い近代西洋絵画が中心のようだ。
エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランの作品、「リラを弾く女性」、「エカチェリーナ・フェオドロヴナ・ドルゴロウキー皇女」。
キスリングの絵がある! 日本でキスリングの絵を持ってるところって珍しいのでは? この絵は、絵の具の盛り上がりが激しくて独特の雰囲気がある。
しかし、これはどうなんでしょうね…
モーリス・ドニの『聖母月』。
このボナール、すごくよいね…
シャガールの絵も1枚、『サン=ジェネの村、夜』という作品がかかっていた。これも静かでよい絵だった。
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アール・ヌーヴォーの家具やガラス器の展示室もある。
サロン風のカウチの奥に、ディスクオルゴールが鎮座している。カウチに座れるわけではないのはしかたないとして、ちょうど14時から、職員の方が説明しながらこのディスクオルゴールを操作して演奏してくれるというイヴェントが行われていた。存外に大きい音で、部屋の床から響くように鳴らされるので感心した。
マリー・ローランサンの絵がさらりと飾られている
こういった、アール・ヌーヴォーのガラスの意匠は、「爛熟」というか、「糜爛」という感じはあるよね…
これはちょっと、ぞくっとした。まるで氷の花だ。