西本願寺を出て、なんとなく東福寺に行ってみることにした。意外に行かないところんだよな。おそらく15年近く行っていない。11月の紅葉の時期、混んでいるかもしれないが、市内にいる限りそれほど観光客が多い様子でもないので、大丈夫なのでは。──七条堀川から市バスの208番に乗った。京都駅を経由して智積院の前を右に曲がって東大路に入る。東福寺ってなんとなくだいぶ南の方のような気がしていたが、東山七条からバス停たった2つ分下がるだけだ。
臥雲橋の前。やはりこういうところに来ると人は多いのかな。
でもそれほどではない。まだ紅葉は盛りではないのだ。東福寺の通天橋をこのくらいの人混みで歩けるのだから、全然いいよね…
開山堂は中に入れないのね。かなり手の込んだ庭園が見えるんだけど…
紅葉の盛りには早かったけれど、秋の光に映える色づき始めの緑は、きれい。
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本坊庭園を見たかったのだ。昭和に入ってから造られたモダンな庭園で、重森三玲の作庭によるものとして名高い。
南庭。荒々しい石組みなんだけど、その向こうの苔の山が、不思議な存在感がある。意図としては、岩のほうが蓬莱なのかも知れないが、渡るべき場所はあの緑の山なのではないか、と思える。
市松模様が大ぶりな西庭を経て…
北庭。
市松模様のリズムが、次第に、先に進むようで、消えていくようでもあって…。苔のおかげで適度な立体感があるのもいい。
東庭には七曜の星が。
いいお庭だった。あの市松模様はわりと有名なので写真を見たことはあったけれど、実際に見て、想像以上によかった。
「何が?」
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法堂の特別公開にも入って、堂本印象の雲龍図を見上げた。三門の内部も公開していたけれどそちらには登らなかった。歴史的な価値が高いのはむしろそちらのほうだったのか…とは、あとから思ったけれど。