night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

11/14(日)東羽衣、阪堺電車、阿倍野神社、新世界

 堺市駅前の喫茶店でコーヒーを飲んでいるうちに日が暮れた。この日はもう大阪市内で泊まるだけなので、ぶらぶらしてから大阪に行けばよい。

 阪和線で鳳(おおとり)駅に向かった。

f:id:jawa_jawa:20211212212743j:plain
 この表現、めずらしい

f:id:jawa_jawa:20211212212753j:plain
 いい空だ

 鳳からは羽衣線阪和線羽衣支線)というのがあり、路線図だと鳳から東羽衣まで1駅だけ飛び出した線が書いてある。阪和線の本線の方と直通する電車はないが、こういうごく短距離の支線にしては珍しく、本数は多いようで、15分に1本ほどの電車が往復しているようだ。

f:id:jawa_jawa:20211212212758j:plain
 こういう支線にも新しい225系が入っている。乗客もそれなりに多い

 3分で終点の東羽衣に着くと、行き止まりの高架の向こうにはまた別の高架が横切っている。南海電車の羽衣駅がすぐのところにある。──南海電車には乗らず、住宅街を北に少し歩いた。新しいマンションも建っているけれど、塀をめぐらせた大きな家が多い。このあたりは昔は海沿いのお屋敷町のようなところだったようだ。

f:id:jawa_jawa:20211212212806j:plain
 10分ほど歩くと、南海電車で言うと次の駅、浜寺公園駅だ。昔の駅舎が保存されているようで、洋館が月明かりに照らされている。

f:id:jawa_jawa:20211212212813j:plain

f:id:jawa_jawa:20211212212822j:plain

f:id:jawa_jawa:20211212212817j:plain

f:id:jawa_jawa:20211212214834j:plain
 「浜寺駅前」から阪堺電車に乗った。なかなか渋い駅舎だけど、車両は最新型の路面電車だ。Suicaが使える。

 阪堺電車は「天王寺駅前」行きで、天王寺まで小一時間かかるようだ。南海電車なら難波から浜寺公園まで20分くらいしかかからないので、通して乗る人はほとんどいないだろう。路面電車とは言っても専用軌道が続き、路面を走るところも広い通りの中央を区切られているし、かなり整備されているように思ったけれど、住吉という停留所のあたりでは狭いところをぐねぐねとカーヴしながら進んでいく。

f:id:jawa_jawa:20211212212843j:plain
 北畠で下りた。

f:id:jawa_jawa:20211212212838j:plain
 このへんは完全に併用軌道で、けっこう狭い道に線路が敷いてあり、このプレートみたいなのが停留所なのだ。危なそうに見えるが、一応、道ばたに待合所がある。とはいえ、バリアフリー的な面では、今の時代には厳しいだろう。

 このあたりは帝塚山などといった丘陵地帯の住宅街で、坂を下ったり登ったりしながら、阿倍野神社に行った。ここは北畠親房・顕家親子を祭神とする神社だ。

f:id:jawa_jawa:20211212212827j:plain

f:id:jawa_jawa:20211212212833j:plain
 北畠顕家卿の銅像。もう暗いのでよくわからないが、わりと柔和な顔に扇子なんか広げちゃっているけれど、烏帽子に狩衣をつけた上に鎧を着ているようだ。

 ゆかりの場所、と思って立ち寄っているけれど、北畠顕家が二十歳の若さで戦死した「石津の戦い」は、古戦場はもう少し南の方のようだし、この神社も明治になって急につくられたものだ。銅像に至っては平成のものである。

f:id:jawa_jawa:20211212212848j:plain
 また阪堺電車に乗って、天王寺に着いた。

f:id:jawa_jawa:20211212212854j:plain
 天王寺公園、こんな雰囲気になったのか…。昔とは様変わりだ。表面上きれいになって、治安もよくなったように見えるけれど、公有地に新たな利権が生まれたわけだし、ここにたむろしていたオッサンたちはどこに追いやられたのだろう、と思ってしまった。

f:id:jawa_jawa:20211212212859j:plain
 新世界を突っ切って歩いた。通天閣を間近に見たのは、実は初めてだったような気がする。

f:id:jawa_jawa:20211212212905j:plain
 そのまま堺筋を北へ歩いて行った。日本橋と呼ばれるあたりにも近いが、秋葉原とは比べ物にならないくらい廃れていて、猥雑なビデオ屋とかが並ぶ危険な夜の街という感じだ。実は新興の中国人街でもあるようで、現地色の濃い店がいくつか現れる。中国語の飛び交う店で、蘭州牛肉面を食べた。──この日は国立文楽劇場に近いビジネスホテルに投宿。知らない街を歩き回って、満足感があった。こういう体験、久しぶりだったからなあ。