night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

読書&査収音源リスト(2020年10月~12月)

シートン動物記8 森のロルフ/アーネスト・T. シートン、藤原英司(訳)

 子供の頃に読んだ本。その後、新しい版は出ていないらしい。古書をインターネットで取り寄せた。19世紀初頭の米国北東部で、白人の少年ロルフが、クオナッブというインディアンの男と出会い、森で生きる術を学びながら成長していくが、やがて始まった戦争(1812年米英戦争)で、ロルフは祖国アメリカのために英雄的な働きをしていく…という話である。だがそれと同時に、白人社会のインディアンに対する仕打ち、部族の最後の一人であるクオナッブの生活、そして彼の滅びまでが、静かに描かれている。
 アーネスト・T. シートンは米国ではパブリックドメインであり、今はインターネットで原文を読むことができる。もちろん、すべてを原文で読むような英語力はないのだけれど(バン・トランパという農場主の、“オランダ訛りの英語”の表現は面白かったけど)、子供の頃に翻訳で読んでからずっと印象に残っていて、どうしても読み直したいと思っていた部分があった。最後の一節、クオナッブが神に祈って歌う「交霊踊りの歌 (song of the ghost dance)」である。

Pity me, Wahkonda. My soul is ever hungry. There is nothing here to satisfy me, I walk in darkness; Pity me, Wahkonda!
 滅びゆく民の暮らしと誇りを描いた、名作だと思います。再刊を希望しています。

ビザンツ帝国 千年の興亡と皇帝たち(中公新書)/中谷功治

▼謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉(新潮文庫)/高野秀行

▽安倍vs.プーチン 日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか? (筑摩選書)/駒木明義

 2018年、ウラジオストクの東方経済フォーラムでプーチンに急に剛速球を投げられて何も言い返せずニヤニヤするしかなかった安倍、は、当時もものすごくガッカリ度の高いニュースだった。「返還後の20xx年、ロシア系住民が”南クリル人民共和国”を宣言、住民の保護を大義名分にロシア軍が介入する…」という未来予測は、真実味があって恐ろしい。日本は領域内に安全保障上の不安定要素を抱え込むべきではないよね。

▼人口の中国史 先史時代から19世紀まで(岩波新書)/上田信

▽ひとり旅日和/秋川滝美

▼君と漕ぐ3 ながとろ高校カヌー部と孤高の女王(新潮文庫nex)/武田綾乃

「じゃ、今度はお前がスーパープレイヤーになりゃいいだろ。凄いヤツの相棒じゃなくて、お前が凄いヤツになれよ。今のままじゃなくてよ」
「今のままじゃさ、本当にダメなのかな」

▼教育は何を評価してきたのか(岩波新書)/本田由紀

孫基禎 帝国日本の朝鮮人メダリスト(中公新書)/金誠

▽黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏/春日孝之

▽シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争中公新書)/麻田雅文

 歴史の教科書などでは1918年から1922年までとされているが、著者は、1925年の北サハリンの占領放棄までを一連の戦争行動としている。緒戦でなんとなく勝つもんだから調子に乗って(?)、雑な戦略で派遣軍は暴走するし、どの民族からも敵視され、傀儡政権を作っては失敗し、果実を得られず撤兵できなくなって、泥沼にはまっていく。ほとんど同じことが10年後に中国大陸で繰り広げられたわけだが…。

ジーヴズの事件簿 才知縦横の巻・大胆不敵の巻(文春文庫)/P. G. ウッドハウス岩永正勝小山太一(訳)

 やんごとなき方が積読しているというので一時期話題になったジーヴズシリーズ。だが、…第一次世界大戦より前の英国の貴族のドタバタ劇、社会も生活も自分とはかけ離れすぎていて、面白味を感じるのはちょっと難しかった。

▼供述によるとペレイラは…/アントニオ・タブッキ須賀敦子(訳)




▼インド夜想曲白水Uブックス)/アントニオ・タブッキ須賀敦子(訳)

 夢、幻の世界。

▽ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山/月山もも

▼青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏 (新潮文庫nex)/伊与原新

「ケンタウル祭では、子どもたちが川に『烏瓜の燈火』を流しに行きます。…秋の季語にもなっている烏瓜を、歌人俳人でもある賢治が夏至の物語に登場させるとは思えません。少なくとも、立秋──八月七日は過ぎている。もっというと、『ケンタウル祭』というのは、お盆です。…お盆であればこそ、死者と生者が交わる物語が成立するんです。」
 これは、読んでいて、ガーン、と思った。(笑)

南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで(朝日文庫)/日本史史料研究会(監修)、呉座勇一(編集)

 新田義貞が足利一門であったことは疑いようもない、などばっさり。

涼宮ハルヒの直観(角川スニーカー文庫)/谷川流

 『驚愕』から9年以上たって急に出た新刊ですけど、これは、“ハルヒを使って書きたいことを書いてみた”という感じでしたね。

▽82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ、斎藤真理子(訳)


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▼FIRE SCREAM/No Rain, No Rainbow/水樹奈々