仁和寺の二王門を出た。食事をしようと思ったが、嵐電の駅前のお店には「テイクアウトだけです」と断られた。なるほど旅行はしにくい、と思いながら、嵐電に乗って、帷子ノ辻で乗り換え、嵐山へ。
嵐山はいつ来てもちょっと異常なほどの混雑だ。ここだけどうしてこうなっちゃったのかな、と思いながら、天龍寺の参道に歩み入るが、先に左に曲がって、少し奥へ。
宝厳院という、天龍寺の塔頭寺院である。ここのお庭がよいと聞いて来た。お寺らしくない茅葺きの門である。
ここのお庭は、「獅子吼の庭」というそうだ。寺のパンフレットには「室町時代に禅僧策彦周良禅師によって作庭された借景回遊式庭園」と書いてあるが、宝厳院自体は1461年に室町時代に創建された寺だというものの、当初は上京区のほうにあって、今の土地に移転してきたのは近年のことだそうだ。なので、ちょっと説明不足と言わざるを得ず、本当にこの庭がいつからあるものなのかは、謎である。
丸石の灰色が強烈、というか、光線のせいもあるだろうけれど、ちょっと異様さを感じた。これを見て、やはりこれは現代の庭園だろうなあ、と思った。
でも、よいお庭だ。深山のような流れ。見えないところに鹿威しが隠されていて、音だけが聞こえる。
こういう柴垣はなんと言うのだろう
こういうのはちょっと怖いかもなあ
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天龍寺のお庭もそぞろ歩く。もしかしたら学生時代以来ではないかと思う。
夏と秋のはざまの季節だなあ