night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

ロンドン・ナショナルギャラリー展 @国立西洋美術館 8/28

 今年の前半に中止になったり延期になったりしたイヴェントを、取り返しているような流れになっている、今日この頃である。実に約半年ぶりに、上野の美術館に足を運んだ。これも日時指定制チケットが必要ということになっている。

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国立西洋美術館ロンドン・ナショナルギャラリー展

 この展覧会のスマートフォンチケットは、イープラスのアプリのインストールが必須になっており、余計な手間がかかった。新型コロナ以後、日時指定制が盛んに導入されていることもあって、美術展示の分野でも電子チケット化が進んでいるが、特定のプレイガイドのアプリが必須というのは、悪手ではないかなあ。

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 ものすごく正統派な展示で、イタリア・ルネサンス、17世紀のオランダ絵画、…といった区分で進んでいく。

 フランス・ハルスの、『扇を持つ女性』。レースの微細な描き方に見入る。
Frans Hals - Portrait of a Woman Holding a Fan - WGA11135
(via Wikimedia Commons)

 ワウウェルマンの『鹿狩り』(1665年)。遠近がごちゃまぜなので違和感が…
Philips Wouwerman - A Stag Hunt (c.1665)
(via Wikimedia Commons)

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 スペイン絵画のコーナー。

 フランシスコ・デ・スルバラン『アンティオキアの聖マルガリータ』。べた塗りの感じはどことなくアニメっぽさがある。
Francisco de Zurbarán 047
(via Wikimedia Commons)

El Greco 016
(via Wikimedia Commons)
 躍動感! エル・グレコって1600年頃の画家なのだけど、同時代の画家とはタッチが明らかに異なるのがすごいよね。

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 やっぱりよかったのは最後のフランス近代絵画のコーナーかな。

Claude Monet, The Water-Liliy Pond (National Gallery, London)
(via Wikimedia Commons)
 モネの睡蓮。もう、なんと言うのだろう…絶品。うっとりしてしまうね。この人の描くこの池にしかない空気が、立ち上がっている。

 ゴッホの『ひまわり』が最大の目玉作品だ。

Vincent van Gogh - Sunflowers (1888, National Gallery London)
(via Wikimedia Commons)

 ゴッホのひまわりは、全部で7枚が知られていて、1枚は神戸の空襲で焼けてしまって現存しないそうだが、ぼくは2014年にロンドンのナショナル・ギャラリーに行ったときに、そこ所蔵の1枚と、アムステルダムの1枚がちょうどロンドンに来ていて、2枚並んで見られたという、運のよい機会があった。そして新宿の損保ジャパンが持っているもう1枚をあわせて、3枚見たことがあることになる。──しかし、アムステルダムと損保ジャパンの2枚は、ロンドンのこのひまわりのセルフコピーなのだそうだ。たしかに同じ花瓶の同じ様子の花を描いた絵に見えるが、わりと印象が同じではないのはなぜだろうか。損保ジャパンの方は、絵の具がもっと盛られていて、立体的な迫力が強かったような記憶があるが、どうだったっけ? あちらも新しい美術館がオープンしたから、近いうちに行ってみなくちゃいけないなあ。

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 国立西洋美術館、常設展も一巡した。

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中世の人は、そんなにしょっちゅう、石で人を殴り殺してたんですかね…

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アレキサンドリアの聖カタリナ』

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ダンテ・ガブリエル・ロセッティの、たくましい腕の女性

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モーリス・ドニ『ロスマパモン』。強い光と影の感じが好き。