night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

ハマスホイ展 @東京都美術館 2/7

 2008年の国立西洋美術館の展示では「ハンマースホイ」として紹介されていたデンマークの画家 (Vilhelm Hammershøi) だが、今回は「ハマスホイ」という表記になっている。デンマーク語の発音を聴いてどちらが近いかは、正直言って微妙なところで、人によって感じ方が異なるだろう。もとより外国語の発音をカタカナで正確に写すことはできず、「ハンマースホイ」が誤りでもない以上、わざわざ表記を変える必要があったのだろうか、と思う。

東京都美術館ハマスホイとデンマーク絵画
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 グレーの色調で描かれた、時間の止まったような部屋たちの、独特の質感がすばらしい。寂しくもあるけれど、不思議な肯定感も感じる。

 一番気に入ったのはこれ。『農場の家屋、レスネス』。白い光、動かない空気、静けさ…。
Vilhelm Hammershøi, Fra en bondegård, Refsnæs, 1900, B 306, Davids Samling
(via Wikimedia Commons)

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 同時代のデンマークの画家の作品で、気になったのは、この絵。スケーインというユトランド半島の最北端の漁村で、自然の風景とそこに暮らす人々を描いた、“スケーイン派”という画家たちがいたのだそうだ。(この“スケーイン”という地名も、従来は“スケーエン”や“スカーイェン”と紹介されているものだ)。──この絵、夕暮れの情景だというのだけど…

Peder Severin Krøyer - Summer evening at the South Beach, Skagen. Anna Acher and Marie Krøyer - Google Art Project
(via Wikimedia Commons)
(ピーザ・スィヴェリーン・クロイア、『スケーイン南海岸の夏の夕べ、アナ・アンガとマリーイ・クロイア』)

 北欧の夕暮れとは、こんなふうに、薄青い光が空気を満たすのだろうか? ──その瞬間を見てみたい、と思った。