昨年の式典で使用された玉座が、東京と京都で限られた期間に公開されるそうだ。東京の会場は上野の国立博物館で、どうやらものすごい行列になっているらしいことは知っていたので、平日に行ける機会を狙っていた。金曜日の夜間開館を狙い、時間調整して16時半過ぎに行ってみたところ、入場待ち行列はなくなっていた。
あ、たしかにきれい。これが高御座。天蓋の上には日輪の飾りがつけられている。──現在では再現されていない歴史的な本来の(?)姿としては、あの人は日輪の飾りのついた冕冠を被っていたわけで、伝統だと言うならなんでそれを再現しないのだろうか、と思っていたが、ここにその要素が残っていると言えなくもないのかな。
こちらが御帳台。なるほど格差がつけられている。(画像のサイズに差があるのはトリミングの都合で、他意はない。)
後ろから。すべてが漆で塗られた上に、色鮮やかに飾られている。なるほどこれはもはや工芸品だ。──別の部屋には弓や太刀や盾などの“威儀物”も展示されていた。
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高御座だけなら無料で入れることになっていたようだが、本館を一回りするので最初から常設展の観覧券を買っていた。
やっぱり正月は国立博物館に来ないとね! ──国宝室では、正月のおなじみ、長谷川等伯の松林図屏風も出ていた。毎年見るのでいいか、と思って今年は通り過ぎたけれど、あの絵は、ぼくはいつからか、泣いているように感じられるようになって、あまり直視しにくくなったということもある。
花車っていう意匠、強烈な雅と、ある意味、物語らぬモダンを感じる
横山大観さん。
あ、若冲の変な鶴!(『松梅孤鶴図』)
「禾目天目」と、「梅花天目」ですって。うわあ、なんだこれは。目が霞みそうになる。初めて見たよこんなの。南宋の吉州窯だそうだ。